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雨の中のワルツ - a waltz in the rain
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大丈夫、と
綴 柚枝
はケースに両手をかけた。
「これで最後ですし、俺やりますよ」
中身は瓶入りのりんごジュースだ。そんじょそこらの砂糖入りジュースではない。産地直送の直搾り百パーセント品、一本一本リンゴ農家が手作りしているという。酸味はおだやかで甘味は深く豊潤な香りもあって、はっきりいってものすごくおいしい。
寝子島ではここでしか飲めないので、最近では柚枝のバイト先、Cafe【喜望峰】の名物になりつつあった。原価の値は張るのだが、店ではできるだけリーズナブルな価格で提供している。
しかしこのジュース、いいことばかりではない。
重いのだ。物理的に。
中身が詰まっているせいもあるだろうし、特別に丈夫な瓶を使っているせいもあるだろう。十二本入りのワンケースともなれば、うっ、と声が出てしまうくらいの重量があった。
柚枝は十七歳男子、力のありあまっているお年頃だ。戸惑った時期もあったがとうにケースの重さには慣れており、ポップコーンの箱みたいに軽々と持ち上げた。
「どこに置けばいいですか? こっちですね? はいよ、っと」
置くときもガシャンなんて無粋な音は立てない。口調こそ軽いが慎重に箱を運搬し、赤ちゃんの入ったバスケットを扱うようにして優しくおろす。
日常の隣に在る楽園、というコンセプトのカフェだ。外はあいにくの天気だが、ドアの内側は別世界、インテリアは白と青を基調とした地中海風にまとめられており、はっとするほど青い海と、ぽつんと浮かぶ小島を描いた一幅のアクリル画も飾られている。
いまも店内には、心地好い波の音とボサノヴァが流れていた。ほどよい果実の香り、かぐわしい香辛料の薫りもただよっている。うっかりすると、外が荒天の日本だということを忘れてしまいそうだ。
店員の比嘉さんが帰宅し、店長も用があって早く上がったので、しばらく店は柚枝ひとりきりだった。でも天気が悪いため、柚枝はほとんど接客をすることがなかった。いささか退屈だったというのが正直なところだ。
閉店時間となり、あとは鍵をかけて帰るだけとなった時点で思わぬことが起こった。折悪しくというか良くというか、明日到着予定の具材やジュースなどがまとめてとどいたのだった。今晩は嵐になるという見立てだったため、前倒しで船を出したのだという。
帰り際に大仕事かあ、なんてふて腐れる柚枝ではない。
ま、いっか。今日は大した仕事してないもんね。
腕まくりして運送業者を手伝い、さらには冷蔵庫や倉庫に荷を運んだのである。
店をオーナーが訪れ、言ってくれれば俺がやるのに――とぼやいたところが本ページの冒頭あたりとなる。
残業代は出すからちゃんと帳面につけろ、と言ってオーナーは大きな黒い傘を取り出した。
持っていけということらしい。
有無を言わさず傘を柚枝の手に握らせると、オーナーは奥に姿を消した。柚枝が傘を持っていないことを見抜いていたようだ。
あ、これでバレたのかな。
パーカーのフードを柚枝は無造作に戻した。拍子にココア色の髪がふさっと跳ねた。
俺、バイト先に恵まれてるよな。
居心地のいい店だし、よく来るお客さんに感じの悪い人はいない。見た目からして善人の店長はもちろん、早朝から夕方までの正社員比嘉さんも良くしてくれる。学生は学業優先というのが店の方針で、テスト期間や行事のときにはシフトを外してもらえた。曜日交代なのであまりかぶることはないが、バイト仲間も感じのいい人ばかりだ。
こういう環境なのでオーナーの特別さがきわだつ。
オーナーは年齢不詳だ。三十は越えていると思うが引き締まっているためもっと若く見える。でも老成しているというか物事に動じない人なので、逆にずっと上なのかもしれなかった。細身のナイフみたくシャープな外観、眼光は鋭く、無精髭がまたおっかない。よくくわえている外国産らしき煙草も、マフィアっぽい印象を与えて仕方がなかった。しかも徹底して無口なので、なにを考えているのかいまひとつわからない。
だけど本当は良い人だ。
柚枝は自信をもってそう言える。
愛想がいいわけではないのに優しい。学業優先の方針だってオーナーが決めたものだという。
それにお金持ち……なのかな。
オーナーはこのビルまるごとを所有しているという。本業は地階にあるバーのマスターらしいが、高校生の柚枝は入ったことがなかった。
ありがたく傘を借りて帰ろう。
スマホを取り出して見たところ、ぎょっとするほどの時間だった。
強い雨風のせいもあるだろう。シーサイドタウンを離れたらもう、人っ子ひとり歩いていなかった。
なんだか楽しくなってきた。
寄り道しちゃおうか。どうせ明日は休みだし。
夜の散歩だ。そうしよう。
どうせ両親は海外赴任中、自宅マンションに待っている人はない。補導と危ない奴にさえ気をつければ、ちょっとくらいの夜遊びは問題ないだろう。
次の動画のネタはなんにするかなー、なんて考えながら、鼻歌混じりで柚枝は雨の夜道をゆく。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
推理・サスペンス
オールジャンル
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2021年03月18日
参加申し込みの期限
2021年03月25日 11時00分
アクション投稿の期限
2021年03月25日 11時00分
参加キャラクター一覧
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