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霊界鉄道危機一髪☆寝子島おばけパニック!
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背負いしは
行き違いは否めない再会であり、ののこにとっては寝耳に水、まったくもって青天の霹靂だ。
「会いたかったよ、ののこ! ああ、我がムスメよーーー!」
颯爽とステージを飛び降りたととお氏、ののこをおもむろに抱き締める。
が、当の娘さんはぐいーんと首を傾ける。ピンと来ていないようだ。
「いやいや。いきなりそんなこと言われても……」
「あ、あれ? パパだよ? ののこ?」
「だって私、こんなおじさん知らないし」
「の、ののこーーー!?」
ががーん! とととお氏は大げさに仰け反った。
ののこの表情はいつになく冷めている、普段の健やかな明るさをたたえた彼女からは想像もつかないくらい冷め切っている。天界における二人の関係性は一体どのようなものだったのだろうか、と勘繰らずにはいられない。
双方の温度差を見かねてか、
佐藤 英二
が口を挟む。
「えっと……野々さん、覚えてないの? ご両親のこととか」
「んんん~? ……あれれ? 私って、どうして寝子島に来たんだっけ? 本当のパパとママはどうしたんだっけ?」
「だ、だから私がパパなんだよののこー!!」
英二はひやりと背筋が凍るのを感じた。
失われたののこの記憶が彼女にどのような影響を与えるか、それ自体が未知数だ。仮に全ての記憶が戻ったなら、今は辛うじてバランスが保たれている寝子島のフツウが、この先どのように転ぶかも分からない。
『ったく。忘れたのか?』
呆れたように口を開いたのは、テオだ。親子の再会をひとまず傍観していたが、ととお氏の狼狽に黙っていられなかったらしい。
『ののこは寝子島に落ちた衝撃で、神魂と共に記憶も失っているんだ。お前のことだって覚えちゃいないのさ……母親のこともな』
当のののこにテオの声は聞こえず、ととお氏へ露骨なジト目を寄せて訝しがっている。
テオは続けた。
『といっても何もかも、全部忘れちまったわけじゃない』
「そ、そうなのかい? 本当かい?」
『子どもの頃の思い出。家族の記憶。その断片をツギハギしたり、寝子島の常識や知識で補ったりすることで、ののこは過去に整合性を保っているのさ。無意識にな』
考えてみれば、確かにそうだ。いくらののこが細かいことを気にしないお気楽に過ぎる女子高生だとて、本当なら両親の不在に疑問の一つも抱いてしかるべきだろう。
そんな過去の喪失を、ののこは無意識的に取り繕うことで、違和感はないものと思い込み、自らの常識の破綻を防いでいたのだ。何という悲哀だろう!
「……いや、でも」
英二はふむ、と思案する。
寝子島での何気ない暮らしを満喫するのは、あくまでののこ自身が望んだことだ。実際彼女は底抜けなまでに楽しい日々を過ごしているし、あからさまにがっくりきている父親には悪いが、彼女が島へやってきたのが悪いことだとは思えない。彼女のおかげで、毎日はこんなにも騒がしく賑やかで、印象深く、思い出として心に刻まれてゆくのだから。
(おかげで僕も、野々さんと出会えたんだし……)
きっとののこがやってきたのは、寝子島にとっては文字どおり、天からもたらされた奇跡だったのだ。
「だーかーらー、おじさんがパパなわけないし!」
「いやしかしだねののこ、事実私が父であるのだからして……」
などと英二が考えにふける間にも、親子のすれ違いは続いている。
「パパなんだよ~、思い出しておくれよののこぉ~!」
「もー、違うってばー!」
二人の距離が縮まるのは、ずいぶんと先のことになりそうだ。
あらためて、
野々 ととお
は寝子島高校の新理事長である。
しかしながら今回の件で多くの人々が身に染みたように、彼は親バカである。テオの言を借りるならばいささかポンコツでもあり、理事長などという大役を務めるに当たっては、その資質を大いに疑問視せざるを得まい。
「ああっののこ……どうして分かってくれないんだいののこ~」
寝子高生たちも互いに顔を見合わせ微妙な表情を浮かべている。
「ふふふ~ん、しんぱいごむよう!」
と、そこへ彼に太鼓判を押す声。
ふよふよ浮かぶ幽霊姿。愛嬌たっぷり、ぷにっともっちりボディ。寝子島おばけのまとめ役、地縛霊・餅々 きなこだった。
きなこは怪訝そうなととお氏へすすすと近づくと、半ば頬ずりせんばかりにすり寄って、
「だんでぃーで、すたいりっしゅで、ちょっとおちゃめで。わたし、おじさまのこと、きにーっちゃった♪」
「そ、そうかい? それは光栄だね、幽霊のお嬢さん」
「うん! だからねー、わたしねー。おじさまのおてつだい、してあげる! ゆうのうなひしょ、ってやつだね?」
秘書! きなこは理事長秘書として寝子島高校に勤めると言い出した。
無論彼女は形なき幽霊であるし、正式な役職というよりはいわば相談役といったところがご所望であるらしい。
悪くはない。悪くはない申し出ではある。きなこは幼さが残りつつも、今回の騒動ではこの花緑青駅周辺を見事取り仕切った手腕の持ち主だ。長いこと寝子島で幽霊をやってきたことだけはある。
しかしそれでいて、彼女の根本は見た目相応の小さな女の子でもあったりする。思考や発想は確かに、6歳程度の子どものそれなのだ。何かと大らかというか大ざっぱというか、ゆるいおばけたちだから何とかなった感はあり、理事長にとって常に的確な助言をしてやれるとはちょっと思えない。
「おおっ、それはありがたい! 私もこの島へ来たばかりだし、君のような経験豊富なベテランに秘書を務めてもらえるのなら、百人力だよ。ぜひともお願いするよ」
「まっかせなさーい!」
そうこうするうち、二人は意気投合してしまった。ととお氏も大らかな天界からやってきたらっかみなものだから、真っ当な感性とはいささかのズレがあったりする。
「よし……分かった!」
きなこの後押しもあって、ととお氏はぐぐっと握りこぶし。
「今の私では、ののこに父と認めてもらえない……!」
「いや、だってパパじゃないし」
娘のひと言でうぐぅ、と目元潤ませ膝を突きかけるもどうにかこらえ、彼は志新たに宣言した。
「私ももはや、寝子島の住人。ならば理事長として、学生たちの健やかな育成のため、地域貢献のため、尽力することをここに誓おうじゃあないか!」
先ほどまでのどうにも軽薄な仕草はなりをひそめて、天高らかに腕を突き上げ声を張り上げる様は、登り始めた朝日も背に受けながら、どこか神々しくも見えた。
「寝子高生諸君、約束しよう! これからの学生生活が、君たちにとって生涯忘れ得ぬものとなることを! そして私が君たちの信頼を確固たるものとし、真の理事長として認められたその暁には……」
くるり振り向き手をかざす先には、愛娘さんのいつになく苦み走った深みのある表情があった。
「真の父として、本当のパパとして、きっとののこも私を認めてくれるだろうとも! そうだろう、ののこーーー!」
「違うけどね」
ともあれ。
ここにいまいちポンコツダメ親父理事長と、お子さま幽霊秘書の強力タッグが結成された。はてさて、これからの学校生活はどうなってゆくのだろう?
「ははあ。何だかおかしなことになってきましたね」
などといつものマイペースで言ったのは、
五十嵐 尚輝
である。
「でも、楽しそうです」
そう。それもそうだと、
御巫 時子
は思う。
「そうですね……尚輝先生……」
寝子島高校での日々は、いつだって平坦ではなかった。波乱万丈で騒がしく、活気にあふれ、輝いていたではないか。
そんな日常を良しと受け入れる生徒たちの度量や自由すぎる校風を育んできたのは、誰よりも破天荒だった、かの桜栄前理事長だったではないか。
「……きなこちゃん。ととおさん……新理事長先生。良かったら、これから……島を、歩いてみませんか? 私と尚輝先生が、案内しますから……」
「おー、いーねー!」
「ありがとう、素敵な提案だね! では、ののことお友だちも一緒にどうだい?」
そうして彼らはしばし、不可思議な夜をそぞろ歩く。
『ふふん。面白いじゃないか』
九夜山の山頂から寝子島を俯瞰し、テオはさも可笑しそうに笑みを浮かべた。
眼下にきらめく美しい夜景は、まるで宝石箱のよう。
テオの見立てでは、ここに新しい彩りが加わることになりそうだ。
『寝子島と霊界のリンクが途切れないのは、ダメオヤジの落下の影響か。まったく、他でもない娘の願いを自分が脅かしてるんだからな。しょうがねえヤツだぜ』
などと言いながらも、テオはどこか機嫌良く尻尾を振る。
おばけたちはこれからも、寝子島電鉄霊界線に乗り、寝子島へやってくるだろう。
テオや、寝子島幽霊たちの顔役(今や寝子島高校理事長秘書ともなった)餅々 きなこらが睨みを利かせている限りは、霊界の悪意ある者が入り込むことはある程度防げるはずだ。もっともそんな存在はテオの知る限り稀であるし、どちらかといえば霊界の者は友好的な輩のほうが多いくらいだ。
星幽塔とその住人たちが静かに溶け込んでいったように、賑やかなおばけたちもまた、密やかに寝子島へと浸透してゆくのかもしれない。
『おばけども……いや』
ふと思いつき、テオはその名を口にした。
『
あやかし
来たる、か』
新たな風を迎え入れた寝子島高校。そして寝子島の住民たち。
これから彼らは、どんなに騒がしく、どんなに素敵な日々を過ごすだろうか?
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5人まで
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1000人
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67人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2021年03月14日
参加申し込みの期限
2021年03月21日 11時00分
アクション投稿の期限
2021年03月21日 11時00分
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