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【お花見】花の盛りの寝子島で
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金銀の星々が瞬く夜空よりも深い色して揺蕩う海に、月が金色の路を降ろしている。
潮騒の聞こえるホテルのテラスに立てば、仰いだ月を桜の花びらがひらりと過ぎた。昼間の温かさとは打って変わった空気の冷たさに、
志鷹 若菜
は小さく肩を竦める。
──予感が、あった。
誘われるように真夜中の海を眺めているうち、背後に物音がした。振り返らずとも、穏やかな足音で分かる。同じホテルで一日を共にしたひと。二ヶ月ぶりに逢うことの叶った恋人。
「眠れないかい?」
傍らに立った彼に優しく問われ、若菜は小さく微笑んだ。恋人の大きな手に指先で触れる。
「桜を、見に行きませんか」
月は中天も疾うに過ぎた深夜の誘いに、けれど彼はくすりと楽しそうに笑って頷いてくれた。ふたりで服を着替え、少し厚着をして部屋を抜け出す。何処へ行こうかと問う彼の手を取り、若菜が目指したのはホテルの目の前の砂浜。
月の色に染まる砂の上に立った途端、夜の色が一変する。藍から蒼へ、碧へ──
(……ありがとう)
碧の世界へ呼び込んでくれたナニカに向け、若菜は胸に囁いた。
(きっと、いい夢を見ているよね)
もたげたまなざしの先には、白い石の町がある。いつか見た水底の世界とよく似たその町のどこかで、きっと『彼』は眠っているのだろう。
桜に溢れる寝子島と同じに、水底に揺らぐ町も薄紅の桜を纏っていた。
傍らに手を伸ばす。驚いているかもしれない彼を仰ぎ見る。
「……美しいね」
水中で息が出来ることにも突如として踏み入った碧の世界にも、さして驚いた風もなく、むしろどこか嬉しそうに彼は瞳を細めた。
「ここが、若菜の来たかったところ?」
「……はい」
彼の大きな手と手を繋ぎ、若菜は頷く。
寝子島に起きる不思議な出来事も、寝子島を通して出逢うことのできた『彼』──ユニのことも、恋人には今日一日を過ごす中で伝えていた。
「この景色を、あなたと見たかったんです」
「歩いてみたいな」
幻にも思える寝子島での出来事のすべてに懐疑を挟むことなく受け入れてくれた恋人と肩を並べ、何千本という桜がそこここに根を下ろした町を歩く。
ひとの姿が見えない白い石の町には、その代わりに色とりどりの魚たちが舞い散る花びらと共に泳いでいた。
掌に受け止めた桜の確かさにふたりで目を細め、寄って来た魚が花びらを突く様子にそっと微笑み合う。そうするうちに行き付いたのは、路地の果てにある広場だった。元は噴水があったような広場の央には、大人が何人手を繋いでも届かぬほどの樹囲をもつ桜の大木が聳えている。
重なり合う桜の花々を透かして降るのは、不思議なほどに温かな光。
木漏れ日を思わせるほどに眩しい光の中にふたりは憩う。
数ヶ月前までは、と彼は小さく呟いた。
「今日の日を想像も出来なかった」
国境なき医師団として紛争地帯での医療活動をしていた彼は、数ヶ月前のその日、搭乗していた飛行機に爆撃を受けた。現地で生死の狭間を彷徨ったときに握り締めていた若菜の贈った御守袋は、彼の血が付着していた。中に納めていた水晶は粉々に砕けていた。
──あまり、眠れなくて
現地の惨状を繰り返し夢に見るのだと、以前に電話口で正直に話してくれたとき、苦しむ彼を隣で支えたいと、そう願った。
「あなたの傍に、行きたいです」
だからそう伝えたのに、彼は頷くことをしなかった。その代わり、眩しそうに桜を仰いだ。
「大切な子がいるんだろう?」
君はこの島で生きるべきだ、と彼は強い瞳をする。
「『彼』や家族、患者の為にも」
恋人の真摯な言葉に、若菜は俯く。
大切なものを手放したくない。
苦しんでいる彼に寄り添いたい。
どちらの気持ちも真実で、それ故に苦しかった。伏せた視界が涙に滲んで、若菜は言葉を失くす。
「俺がこの島に来るよ」
温かな恋人の両腕とともにもたらされた一つの約束に、若菜は目を瞠る。
「……直ぐには無理だけど、いつか必ず」
見上げる若菜の視界の中、満開の桜を背負い、彼は笑った。
「若菜。俺と結婚してほしい」
帰国したら伝えようと思っていた、と。
この特別な場所でなら伝えられる、と。
告げられた言葉に、若菜の頬が一気に紅潮する。さっきまでの苦しい涙とは別の温かな涙が頬を伝う。
嬉しい涙とともに頷けば、彼の唇が唇に優しく触れてきた──
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
1000人
参加キャラクター数
65人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2021年01月23日
参加申し込みの期限
2021年01月30日 11時00分
アクション投稿の期限
2021年01月30日 11時00分
参加キャラクター一覧
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