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【お花見】逢ひ見んことは命なりけり
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桜並木はまっすぐで長い距離があって、左右ずっと立ちならぶ桜はいずれも満開で、はらはらと舞い散る花吹雪が、どこまでもずっと続いているように見える。
花見の季節か。
我ながら、がらでもないなと
葉月 朱真
は思う。
過去をふりかえり感傷的になるなどと――。
「葉月朱真だ。工学部情報工学科に所属している。趣味はパズルの解読と作成。学問も趣味の一環だ」
あのときマイクを持って、そんな風に自己紹介したと思う。
簡素にして無駄のない内容だった。余計な情報もレトリックもない。
だから正反対という印象を受けたものだ。直後に語られた、
「はじめまして。社会学部に通っている古苗木です。周りからよく温室育ちと言われています」
という自己紹介は。
ありていに言えば無駄が多い。
でも不快感はなかった。むしろ好意的に受け取ったように記憶している。
やわらかい物腰、センスのいい諧謔、なにより浮遊感のある口調に好感を持った。
「オリエンテーションで名乗りあったのがちょうど一年前のことになるか。地球の公転周期がめぐったというだけの話かもしれないが、やはり一定の感慨を抱かざるをえんな」
「もう一年、早いですね? 時間がたつのは」
古苗木 美姫
は両手の指と指が、交差するように手を合わせた。
こういう所作をなんの計算もなくできるのが美姫の美姫らしさだ。
「言い換えればきみと、友人づきあいを始めたて一年ということになる」
「ですね」
あっという間の一年だったような気もするし、とてつもなく長い一年だったという気もする。
どうしても朱真は、感慨深くなってしまう。
女二人で旅行など行っていたのが遠い昔のようだ。
まっすぐに歩く。桜降りしきるなかを歩むというのはこの時期しかできない。
隠していたわけではないのだが、と前置きして朱真は言った。
「まだ、きみに言っていなかったことがある」
「え? なんです?」
「旧弊な話だが、実はわたしには、昔から決められた許嫁がいる」
「許嫁さん、初耳ですね……」
「家が決めたものだ。このあたりが旧弊といえるな」
「どんな方?」
「彼とは幼い頃から交流もある。信頼できる良い人だ」
それはよかった、と美姫の声のトーンがあがった。『旧弊』という表現を使っていたから、朱真が望まぬ相手との縁談を進められているのではと危惧していたのだ。
「ということはやはり、結婚も考えているんですか」
うん、と朱真は小さくうなずいた。
「遠くない将来、わたしは彼と結婚するだろう」
実験条件や回路をいくら取り替えようとオームの法則が常に成立するように、彼――
寒河江 和光
との結婚は不変の将来であるように思えた。
「真面目な方なら、きっとお似合いだと思う」
と言って美姫は肘で朱真をつつくようなジェスチャーをした。
「朱真ちゃんも、隅におけないんだから♪」
朱真は小さく笑ってしまう。あごの下をなでられた猫の気分である。
「そう言ってもらえて重畳だ」
ただな、と桜の合間よりのぞく青い空を見上げて言った。
「不満や反意があるわけではないのだが、たまに思うのだ。せめて許嫁でなく、ただの幼なじみとして、彼に会えていたら、どうなっていただろうか、とね」
「どうでしょうね……でも、朱真ちゃんが好意を感じている人なら、やっぱり望ましい結果になったんじゃないかな」
「そう思うか」
「非科学的かもしれないけど、運命って、きっとそういうものだと思うよ」
「運命か――」
彼は運命の人、などと言うのはポエティックすぎようか。
でもときには、詩というのも悪くあるまい。
不覚にも朱真は、じわっと頬が熱くなるのを覚えた。
こうなれば騎虎の勢いだ。打ち明けてしまおう。
「先日、バレンタインにはチョコレートを贈った」
「えっ、それはそれは」
「結婚という未来が迫ったいま、渡すのが却ってぎこちなくなってしまったが」
思い出すだけで汗をかきそうだ。気恥ずかしく照れくさく、身が縮こまる想いだった。
「良かったねえ……」
本当に嬉しそうに美姫は言う。打算だの言葉の裏なんてない。心から言ってくれているのだと朱真にはわかった。
朱真はタートルネックの下に指をかけ、銀のチェーンを持ち上げた。
「今日付けているネックレスは、彼からホワイトデーのお返しにもらったものだ」
派手すぎないが存在感のあるネックレス、本日会って早々、美姫が「それいいね」と言ってくれたものだった。
「チョコレートに比べては明らかに釣り合わないからと言ったのだが、先方がぜひにと言うものでね。わたしにはこういうのが似合うだろうと言って……そういうところでは押しの強い人なんだよ……」
またまた頬がかっかと熱い。照れ笑いを防ごうとしたって無理な話だ。のろけ話だということは間違いない。それでも、美姫には聞いてもらわずにはいられなかった。
「アクセサリーのたぐいは普段着では使わないので、なんと言うか、気恥ずかしいな」
「お返しのアクセサリー……素敵な贈り物してくれたのね?」
うらやましいと言ったとき、美姫は急に自分の手首を意識した。
右手首も、左の手首も。
打ち明けるいいタイミングだろう。美姫は言う。
「実は私も……」
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
オールジャンル
定員
1000人
参加キャラクター数
67人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2021年01月16日
参加申し込みの期限
2021年01月23日 11時00分
アクション投稿の期限
2021年01月23日 11時00分
参加キャラクター一覧
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