PL:二人の表情にときめく。身長差にもときめく。ありがとうございました。
彼――寒河江和光さんとは幼なじみであり、家同士の決めた許嫁でもある。
仲が悪いわけではないのだが、「許嫁」という関係が返って邪魔になって、
なかなか先に進めない。
バレンタインには毎年、わたしからチョコレートを贈ってはいた。
しかし、わたしも成人し、結婚という未来像がそう遠くないものとなった今、
照れてしまい、チョコレートを渡すのがぎこちなくなってしまった。
それでも彼は、わたしの様子を察してか、
困ったように笑いながらも、誠実に受け取ってくれた。
この人と一緒に生きてゆけるのは、きっと幸せなことなのだろう。