春の一日｜リアクション

春の一日

　真境名アリサは春物の洋服をアパートに持ち帰り、すぐに出かける用意を始めた。競泳用の水着を仕込んで再びパンツルックとなった。
　着替えやタオルを入れたトートバッグを肩に掛けると急いで部屋を出ていった。
　電車には乗らず、徒歩で寝子島スポーツセンターへ向かう。
　――有酸素運動になるよね。
　正しい姿勢で黙々と歩く。若い男性の視線を受け流し、ウォーキングに集中した。
　三十分程度で目的地に着いた。
「ここからが本番よ」
　決意を口にして手続きを済ませる。
　館内では脇目も振らず、ロッカールームに踏み込んだ。素早く空いているロッカーにトートバッグを入れた。着ていた服も突っ込んで鍵を掛ける。
　無駄のない動きで屋内のプールサイドに立った。指先で温度を確かめる。
「程々の温度ね」
　簡単な柔軟を済ませると温水に足から飛び込んだ。早速、空いているレーンに移動。手始めにクロールで百メートルを泳ぐ。
　休まずに平泳ぎに切り替えた。百メートルをタッチターンで決めて背泳ぎに変わる。
　バランスよく泳いだ最後は力強いバタフライを見せた。
　四泳法のあとは持久力を高めるように長距離に励む。同じペースで泳ぎ続けて、最後の五十メートルは全力のクロールで締めた。
「さすがに疲れたわ」
　屋内プールに西日が差し込む。
　アリサはコースロープを潜ってプールサイドから上がった。温水のシャワーを浴びてロッカールームへ戻る。途中にある姿見に何とはなしに全身を映した。
　胸や腰の辺りを手で撫でる。
「この美貌とプロポーションを維持するのは大変なのよ」
　右腕を腰に当てて左脚の膝を僅かに曲げる。アリサは鏡の中の自身に熱い眼差しを向けた。

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あとがき

担当マスター：黒羽カラス
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春の一日、のんびりと自分らしく過ごせたのではないでしょうか。

春の季節ならではの食材探しで盛り上がりました。
甘い物に目がない人には嬉しいスイーツフェアがありました。
純粋に散歩を楽しんで今後の四季に想いを馳せる、華々しい人生の始まりですね。
自分磨きに余念のない人もいました。これからも光り続けることでしょう。

書いていた私も充実した日々を過ごせました。
本シナリオへのご参加、ありがとうございました。

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