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次はビデオゲームコーナーに行きたいというのが真白の希望だったが、
「その前にフィギュアのコーナーに行ってもらっていいですか? ほら近くですし」
と千絵が言うので立ち寄ることにした。
ところが、
「前回きたときはは夕方だったせいで、ここしっかり見られなかったので……ごめんなさい、少し時間かかるかもしれません」
着くなり千絵の眼鏡が、キラッと光ったような気がした。たちまち千絵は足早になりフィギュアの棚に挑むと、険しい目で商品の検分を始めたのである。展示品があればあらゆる角度で調べ、箱から出ていないものは箱を持ち上げ底の文字まで読む。空港の検疫官のようだ。
「あ、そうか。『クラン=G』はフィギュアも売ってるんだった」
「ええ、でも数はそんなに置けないんです。スペースの関係で……だから厳選しなくっちゃ」
フィギュア検疫官と化した千絵は、チェックの目を緩めぬまま言った。
「休憩所で待っててもらっていいですか? 私、奥まで見てきます」
「あ……うん」
さすがだなあ、と戦士の背中を眺める気持ちで真白は千絵を見送った。
◆-◆-◆-◆
ふふふ、とまゆらは満足気にショッピングカートを見つめる。
ハローニャック備えつけのカートは、テントひとつくらい優に入りそうな大きさだ。
その中央にひとつ、宝物のように安置されているのはミスティックエールの変身ステッキである。パッケージには、『アリア』時代から作品のキーとなってきたミスティッククラウンが二つ付属している。王冠(クラウン)という名前だが実際は冠が刻印された宝石状のプラスチックで、これをステッキに組み込むとステッキが出す音と光が変化するのだ。
別売りの追加クラウンセットもカートに入れてしまった。これぞザ・商業主義というやつではあるが、おもちゃが売れなくてはアニメも続けられないわけで、鑑賞目的はもちろんとして、応援のためにまゆらは買うことにしたのだった。
行きかうお客さんのカートを見ると、エールのステッキを入れているものがちらほら見られた。売れ行き好評らしい。このぶんなら打ち切りの不安はなさそうだ。
「あーそれー!」
急に声をかけられる。
「とーもかったれす、えーりゅのすてっち!」
声の主は足元にいた。小さな女の子だ。幼稚園保育園でいうところの年長さんくらいだろうか。『魔法少女ミスティックエール DX変身ステッキ』の箱を後生大事に抱きかかえて歩いている。
「お、エール仲間というわけね」
同志発見、まゆらがほほえみかけると、女の子も笑みを返してくれた。年齢はちがえど通じるものは同じなのだ。
まゆらのカート、その舳先が向かっているのはレジではない。それはまだ先、間もなくフィギュア売り場へとたどり着く。
「いた! エールちゃん!」
フィギュアコーナーなのだった。ほれぼれするような造形の『魔法少女ミスティックエール』のフィギュアが売られていた。色彩の再現度もばっちりだ。こちらはまちがいなく大きいお友達向けだろう。
さすがに女児向け玩具とちがって値が張る。
しかし……購入するしかない。
あまり無駄づかいのできる身分ではないけれど、今買っておかないときっと後悔するという自信があった。
だがまゆらを過呼吸寸前にしたものはその隣にあった。
「な……!」
ミスティの新造形フィギュア!!
エールのフィギュアもたいしたものだったが、新造形の初代ミスティことミスティックアリアにいたっては、作り手の魂が感じられる見事さだった。きっと人間国宝の仏師みたいな原型職人が作成したにちがいない。在りし日よりも少しだけ成長しているがやっぱり美少女、しかし主役を若手に譲った大物俳優さながらの落ち着きも感じられる……設定年齢はまだ十代のはずだがそうとしか思えない。
今回ミスティックアリアは二代目ミスティの指導者的役割、『エール』においては準レギュラーでしかないのにここまで造る! 発売する! この心意気……マニア泣かせすぎる!
カートに入れる以外の選択肢はまゆらにはなかった。
値段はちょっと引くぐらいする(というかエールちゃんよりだいぶ高いし!)のだが、自分と同じ気持ちになった全国のお友達は少なくないだろう。
他にも『エール』関連のフィギュアは色々あった。マスコットキャラのフィギュアなんてかなりよくできていたのだが、これ以上はさすがに予算オーバーだ。きっと迎えにくるよと心の中で告げて、後ろ髪をひかれつつまゆらは売り場を離れる。
カートを180度ターンしたところで、見知った姿と出くわした。
「あれ?」
あなた『クラン=G』の千絵ちゃん? ……とまゆらが言いかけたところで千絵は指を立てて唇に当てた。
「……お店の見学に来ました」
ぼそぼそと言う。なのでまゆらも対応してぼそぼそ声で応じた。
「ああ、敵情視察ね?」
また『しーっ』と千絵はやった。だいぶ意識しているらしい。
ハローニャックと『クラン=G』でかぶる販売商品は多い。フィギュアやプラモデルなんてモロかぶりだ。対抗意識を燃やしているのだろう。
「なんか気になるものあった?」
「色々と……かなり……」
「『負けた……完敗、ですわ』?」
まゆらが『アリア』のライバルキャラ口調をまねてからかうと、
「負けてません!」
千絵は頬をふくらませた。そういう仕草は小学生らしくてかわいい。
「ボードゲームだけなら種類も価格帯もウチの圧勝です。まちがいないです」
負けず嫌いの千絵らしい言い方だった。
「フィギュアは見た?」
「NEWミスティ……まさかあれほどとは……! うちの店まだ入ってないんですが、急いで追加発注をかけたいと思います」
やはり大手は入荷が早いようだ。このへんが個人経営の苦しさというものだろう。しかし千絵もさすがだ。ちゃんと見ている。
ところで、と千絵は今度はニコニコする。
「『春の音を奏でるのは君』、どうでした? もう収録はじまってるんでしょ?」
「うん。やっぱプロの現場は違うわ、とにかくついてくだけで必死」
まゆらは軽く経験を告げた。まだ放映前の作品だから秘匿情報もあるのだが、これくらいなら言ってもいいだろう。
だけど声に勢いはなかった。プロの現場に足を踏み入れたとはいえ、ギャラも出ていないからまだまだアマチュアだ。胸を張れるような話ではない。
「ガヤだから多分、オンエア観てもあたしの声はわからないかもね……」
はあ、情けないとまゆらはため息をついた。
でも千絵は嬉しいことを言ってくれるのだ。
「そんなことないです! 私、落合さんの声探しますから」
「ありがとう」
「もしかしたら私、落合さんのファン一号ですね!」
「本当!?」
「サインしてくれたら店に飾りますよ」
きゃ、と声が出てしまう。
「それはやめてよ恥ずかしいからっ!」
じゃあ私連れがあるので行きますね、と楽しげに千絵は行ってしまった。
恥ずかしい……けど。
まゆらは思う。
いつか、きっと。
ゲームショップ『クラン=G』、そのレジカウンター裏に自分のサイン色紙が貼られている将来を想像して胸を熱くするのだ。
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担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
プライベートシナリオS(400)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
コメディ
NPC交流
定員
6人
参加キャラクター数
6人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2020年12月29日
参加申し込みの期限
2021年01月05日 11時00分
アクション投稿の期限
2021年01月05日 11時00分
参加キャラクター一覧
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