おもちゃ屋さんに行こう！｜リアクション

おもちゃ屋さんに行こう！

　メリーゴーランドにも乗ってたっぷり楽しんだ気持ちで、コトコは桐太と並んで歩く。コトコはやっぱり、大切にステッキの箱を抱きかかえていた。
「お会計に行くっすよー」
　杏那が言った。ふたりの後からカートを押しつつ。
　レジ前には女性の店員さんがいる。ブロンドですらりとした長身、ただの長身なんてもんじゃない。ちょっと驚くほど背が高い。
「う、おかいけー？　……あ、ぴっぴするれすね？」
「そうそう、ピッピするやつっす」
　これを耳にするとするりと、コトコは後退して杏那にくっついた。
「とー、ぴっぴしにゃいともってけないの、しってうれす、れも……」
「どしたっすか？」
　桐太に聞こえないよう、小声で、
「あんなねーね、にーにのほしーの、なんかもってかえれましゅか？　とーのおこぢゅかい、つかっちゃめーれすか？」
「それはあんまり……」
　と口にしかけたものの杏那は言いなおした。
「いや、オッケーっす。プレゼントってことで」
　プレゼント交換っすからね、とつぶやく。
　だって杏那は知っているから。コトコが一時的に姿を消していたとき、桐太が「ぼくのお金で買うよ」と、カートに入れたのは自分がほしかったNYAGOのスーパーヒーローキットではなく、コトコにあげるためのカエルのパパ＆ママ人形セットだったということを。
　差額はあーしが出せばだけのことだし――と杏那はニヤニヤしている。
「そーと決まればお会計の前に、立ち寄る売り場があるっすよ！」
　カートをドリフトターンさせ、杏那はNYAGO売り場を目指した。
「ついてくるっす！」
「いくれすー！」
　コトコもつづく。
「え？　なにどうしたの？」
　桐太だけが事情をわかっていなかった。

　――『おもちゃ屋さんに行こう！』　おしまい

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あとがき

担当マスター：桂木京介
ファンレターはマスターページから！

　桂木京介です。
　コトコ様、改めてリクエストありがとうございました！
　飛び入り参加にも多数応じていただき感謝感激です。

　これは私のプライベートシナリオ恒例となってきましたが、伝えたいメッセージや制作中に感じたことなどは個別コメント欄に書かせていただくことにします。ちょっとしたボーナスですので軽くお楽しみ下さい。

　すべての皆さんの、次回シナリオのご参加をお待ち申し上げております。ひきつづき私が担当するお花見シナリオにも是非おいでください。お待ち申し上げております。
　桂木京介でした！！

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