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ハローニャックはほとんど屋内型の公園だ。店内は広大で、ウォーキングのコースまで設定されている。
たしかに散歩にいいかもしれない。歩むたび売り場が変わっていくのでひとりでも退屈しないだろう。
でもやっぱりふたりがいいと時子は思う。
話題に困ることがないから。発見のおどろきも楽しさも、ふたりでわかちあえるから。
時子と尚輝は連れだち歩く。魔法の国をゆくようにして。
「トランプはよく遊んでました。負けて落ち込むことが多かった気がします」
「負けず嫌いだったんですね」
「先生はどうでした?」
「僕は……いつも姉たちにやりこめられていました」
はははと尚輝は笑った。
「今もカードゲームは強くないので小さい頃から変わってませんね」
と言ったところで時子は足を止めた。
「見ていっていいですか?」
尚輝は売り場を見回し意外そうな声で告げた。
「ジグソーパズル……? たくさんありますね」
そう、ジグソーパズル売り場なのだった。
「ここに来たのはジグソーパズルが見たかったからです。さすがにたくさん種類がありますね」
美術館を思わせる光景だった。有名な絵画や世界の観光地、雄大な自然写真を掲載した飾り箱が多数ならんでいる。モナリザにピサの斜塔、サグラダ・ファミリア、グレート・バリア・リーフ、『ひまわり』、『最後の晩餐』、紫禁城、『富嶽三十六景』に金閣寺……あまりに多様で目が回りそう。
もちろんそういった定番ばかりではなく、アニメのキャラクターや幾何学模様、世界の紙幣をあつめたモチーフもある。
すべてジグソーパズルなのだ。特大のものから手のひらサイズまで。
パズルはピース数別に分けられており、『30ピース以下』といった幼年向けから、『100~200ピース』『200~300ピース』と上がっていって、やがて『800ピース』『1000ピース』といった大物が登場する。中には『3000ピース』なんて大きな数字が、どんと誇らしげに印字されているものまであった。
尚輝も興味津々らしい、カラフルな元素記号表のジグソーパズル(800ピース)をしげしげと眺めていたが、
「こういうものもあるんですか」
と球体のジグソーパズルを示した。モチーフは地球、組み上げると立体になるという。
「ピースも少しカーブしてるんですね」
見本があったので時子も手に乗せてみた。
先生とふたりで組めたら……なんて願いつつ。
持参した写真を加工して、パズルにしてくれるサービスもあるという。二週間ほどかかるのが難点だが、見本を見るかぎりではなかなかのクオリティだ。
「どうです先生?」
「僕の写真だったら……たいてい白衣姿だから難易度が高そうですね」
尚輝がめずらしくそんな冗談を言って笑った。
たとえば、尚輝先生と撮った写真をパズルにしたら、と時子は考える。
組み立ててもバラバラにできなさそうです――。
「尚輝先生はジグソーパズルをされますか?」
「あんまりやったことがないんですけど……」
と言いながら彼は、やはり元素記号表の箱を手にしていた。各元素ごとにその純粋状態を示した拡大写真がひとつひとつ添えられている。どれも宝石のように鮮やかだ。目には見えぬこの美しいものが集まって世界を形成しているのかと思うと不思議な気持ちになる。
「せっかくです。ためしにひとつ買ってみます。これならきっと楽しそうですから」
箱にプリントされた完成図からすれば、さぞや美しいものになりそうだ。……難易度も高そうだけれど。
時子が選んだのはご当地パズルだった。
すなわち寝子島の光景だ。この店舗でしか買えない限定品である。シーサイドタウンを彩る朝焼け、よく晴れた日の寝子島神など、目をひくものばかりだったが、迷いに迷って時子はひとつを選び出した。
ライトアップされた観覧車の写真だ。まるで夜に咲く大輪の花、背負う月の姿も、いまにも金の雫がしたたり落ちそうなほど鮮やかだった。
「いい写真です。まるで異世界ですね……」
尚輝も感じ入ったようにパッケージを眺めている。
「夜景のものは暗くすると光るそうです」
圧巻の1000ピース、背景は主として黒で、月の模様も法則性がないためいささか手こずりそうだが、やりがいはあるにちがいない。
「がんばりましょう。僕もがんばります」
理科室の机で組み立てようかな、と尚輝は言った。
「はい、がんばります。それに楽しみます。だから……」
時子は小さく息を吸う。
いくらか勇気がいったのだけど、口にしてみると素直に想いは言葉に変わった。
「組みあがったら私の部屋に見に来てくださいね」
ひな祭りの日、御巫家に代々伝わる雛飾りを鑑賞しに尚輝が部屋にきてくれた日の喜びを時子はいまも忘れていない。あの短い時間を思い返すだけで、胸の鼓動が早くなる。
「はい」
喜んでと尚輝は言った。ごく当たり前のように。
「コーヒーを淹れてお待ちしてますね」
平静を装って返しながらも、時子はそのときを想い手に汗をかく。
夜景のパズルだから、やっぱり楽しむには夜がいいだろう。
尚輝とならんで腰掛けて、そっと電気を落としたい。
不用意にのばした手と手が触れあってしまうかもしれない。肩だって寄りあってしまうかも。
そうなったらどうしよう――つい想像してしまうのだ。
「……どうしました?」
御巫さん? と呼びかけられて時子は我に返る。彼は少し先で待っていた。
いえ何でも、と1000ピースの箱を抱くようにして時子は尚輝を追った。
買い物は終わりですけど、と尚輝に呼びかける。
「近くを散歩してみませんか? ベイサイドの風が気持ちよさそうですよ」
時間はたっぷりとある。
デートはまだ始まったばかりだ。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
プライベートシナリオS(400)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
コメディ
NPC交流
定員
6人
参加キャラクター数
6人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2020年12月29日
参加申し込みの期限
2021年01月05日 11時00分
アクション投稿の期限
2021年01月05日 11時00分
参加キャラクター一覧
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