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一応、水着は着てみました。
でも、です。
維都月 茉菜
は戸惑いを隠せませんでした。
――こんなにぴっちりしているなんて聞いていないんだよ……!
落ち着きません。水着の材質、それが肌にぴったり吸い付いてくるような感覚。生ぬるいシャワー。それを浴びて受ける外気の、ちくちくするような肌寒さ……どれにも慣れません。
みんなは平気なんでしょうか。
プールの授業を普通に受けて、小学校中学校と上がってきたみんなには。
茉菜はこっそりとプールに来ました。誰にも事前に告げていません。
――水は楽しいどころか、大変な思い出なんだよね……。
そんな意識があるからです。ひっそりとすごしたいのです。実際、かなり大変な事件を経験したせいもありました。学校が沈んだあのときの記憶は彼女にとって、トラウマといっていいでしょう。
今なら皆もいるし泳いでも安全なんだろうけれども――とは思います。でも、あのとき体験した水の苦しさは、茉菜にとって最も恐ろしい、恐怖そのものである発作の苦しさによく似ていました。
だからとてもではありませんが、自分から水に潜りたいなんて思いません。
「でも……」
水面を見ているうち、つい言葉が漏れてしまいました。
体力をつけるなら水泳がいいと、誰かが言っていた気がします。一方で、
――本当はずっと『今』を『停滞』していたいけれど……。
そんな想いも、彼女の胸の内には存在するのです。『前進』なんていらない。ずっとずっと、『停滞』していればいい――と。
現状に不満がないのに、そこに喜びを見つけているのに、どうして未知の世界に進まなければならないのでしょう。そもそも、『停滞』とは悪でしょうか。『安定』と言い換えることはできないのでしょうか。
そんな考えを煮詰めていくと、なんだかそれだけで暗くなってしまいそうです。
だから茉菜は前向きになることにしました。『停滞』にせよ『安定』にせよ、守るための努力ならしたいと思うのですから。
――少なくとも、今の行動に支障が出るようじゃ困るから、勇気もなにもまったくないけれども、少しだけ泳ぐの頑張ろうかな……。
漠然とですがそう決めて、プールに近づいていきます。
やがて茉菜の目は、あるものに止まりました。
発泡スチロールの板、少なくともそう見えるものです。青くて長方形で軽そうです。実際、手に取ってみると予想通りのものでした。
見渡してみるとあの板を使って、泳いでいる人たちもいました。なによりこれなら、顔を水につけなくても泳ぐことができるようです。
これなら――そう思ったときには、彼女はひんやりしたプールに身を浸していました。
でも、どうやってこの板で泳げばいいのかわかりません。他の人のやっているように使おうにも、誰もじっとしていないので観察は難しい。
――どうしよう!
抱えるようにつかむも、彼女の腕から板は逃げ出しそうです。急に不安が出てきました。あの息苦しい感覚が思い出されるようです。それは、死に直結する記憶……!
「ビート板はクロールの基礎力、つまりバタ足を鍛えるのに役立つよ」
そう言って、板を支えてくれた人がいました。
「ああ、ごめん。余計な口出しだったかな?」
その人の口調は穏やかで、それでいて耳馴染みのいいリズムがありました。
茉菜もその人に見覚えがあります。芸術科の1年生、市橋誉です。
誉は決して「泳げないの?」とは訊きませんでした。ただ、
「一応、これでも学級委員なんでね。ちょっとしたアドバイスをさせてもらっていいかな」
とだけ告げて、茉菜が拒まなかったのでそのまま指南してくれたのです。
「クロールが一番基本の泳ぎだと思うんだ。その基本中の基本がバタ足ということになるね」
そのポイントは足首・腿の動きだと彼は言います。
「足首は力を入れずにやわらかい状態にし、つま先を伸ばす。そして、重要なのは腿の動きだ。キックは腿を動かして蹴ってくれ。腿をしっかりと動かして、膝、足首へ、折れずにやわらかく曲がるように連動させるんだ」
言いながら彼は、自分も同様にビート板を使って、どう蹴るべきか手本を示してくれます。
「えっと……こう……かな?」
おずおずと応じる茉菜ですが、彼女の目には、目新しいものに対する好奇心の光が宿っていました。
「うん。そんな感じ。できればもっと小さく、強く、そして足の甲で、水面ではなく『水』を蹴る要領で……」
生来の面倒見の良さがはっきされたのか、誉は熱心に指導し、茉菜も応じます。
結局この日、彼女は顔をつけて泳ぐところまでは到達できませんでしたが、ビート板を用いてバタ足で進むところまではできるようになったのでした。
水泳という意味では小さな一歩だったかもしれませんが、茉菜にとってはとても、大きな一歩になったことは確かでしょう。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
学校生活
恋愛
スポーツ
定員
1000人
参加キャラクター数
108人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2013年09月26日
参加申し込みの期限
2013年10月03日 11時00分
アクション投稿の期限
2013年10月03日 11時00分
参加キャラクター一覧
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