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雨崎荒太郎のいる側にむかって泳ぎはじめた西野町かなえでしたが、ふと思いついて潜水してみることにしたのでした。
うち潜るの得意なんやで! とばかりに深く沈みます。ところがままならぬもので、すぐに息が苦しくなってきました。いったん上がろうとしところで……気がつきます。
――え! 足が!!
プールの底に足がつかない、その事実が、鉄の重りのように彼女の上にのしかかりました。
「だれかたす……!」
声が言葉になりません。たちまち彼女はパニックに襲われたのです。
これにいち早く気がついたのが荒太郎です。
「あれ? あそこで溺れてる……とうふちゃん?」
かなえの窮地を察するや、彼は反射的に飛び出していました。まるで弾丸、まっすぐに走り服のまま飛び込みます。水恐怖症なんてどこへやら、潜って彼女の体を両腕で抱きかかえると、あっという間に浮上しました。
それだけではありません。陸上に這い上がり、寝かせたかなえに意識がないことを察すると、荒太郎は彼女に大きな声で呼びかけました。
「大丈夫? ねぇ、大丈夫?」
……反応がありません。
ですが彼は冷静です。保健委員としての知識から、次にすべき最適な行動を導き出します。すぐに胸部圧迫に入りました。彼女の左胸からやや中心寄りに、両手を重ねて置くとリズミカルに押します。
きっちり三十回。ここで気道を確保します。
「よし、ここで呼吸を二回」
人工呼吸の開始です。そういえば以前、彼女にこうやって助けてもらった記憶が一瞬脳裏をよぎりましたが、そういった意識は二の次です。
直接口をつけ、息を吹き込みました。
そこからすぐに胸部圧迫、そしてまた人工呼吸……何度も繰り返します。
「もう大丈夫だ」
肩に触れる手に振り向けば、そこには高野先生の姿がありました。他にも、たくさんの人が自分たちを囲んでいます。天馬ひびきに桜井ラッセルがいるのもわかりました。
「適切な処理だったな。彼女を保健室に運ぼう」
高野先生の言葉と、かなえが目を開けるのはほぼ同時でした。
「あれ? うち溺れて……!!」
回復したかなえの第一声でした。
わっと安堵の声が周囲から聞こえました。
かなえは、唇に違和感を覚えていました。そっと触れて、自分が人工呼吸されたことに思い至ります。誰に救ってもらったかということも、理解します。
半分泣きそうな顔になっている荒太郎の顔が見えたのです。
――あれ……こーたろーくんや……こーたろーくんやったら……ええかな。
「やった……!」
荒太郎は動けませんでした。両手を、彼女の左胸の上に置いたまま。
安心したせいか、このとき彼はやっと、自分の手がどこにあるか意識しました。
――前より大きくなった? いや、そんなんじゃないってば!
かなえも意識しました。自分の胸の上にある温かい手を。
「キャー! どこ触っとんねん!! こーたろーくんのエッチー!!」
「真面目だよ、お胸を触ってるわけじゃないんだよー!」
二人を囲んでいる人垣が、一斉にどっと沸き返りました。
両手をホールドアップした荒太郎は、体にワイシャツが張り付いていることに気がついたのです。
つまり、
――そういえば。
「えー? ぼく水飛び込んでたのー!?」
遅れてきたフラッシュバック、時間差の恐怖症来訪によって、彼女を助けたはずの彼が、今度は失神してしまったのでした。
「にょえええ、ミイラ取りがミイラになるってやつ!?」
「ちょっと違うような気もするな……まあ、めでたしめでたしじゃないか?」
ひびきとラッセルは顔を見合わせるのでした。
「…………」
念のため保健室に行くかなえ、そして、運ばれていく荒太郎を見送って、
シルヴィア・W
は振り返りました。
なるほど溺れるというのはああいうのを言うのでしょう。大事にならなくてよかった。
一般的な溺れ方を理解した気がします。救助のされ方も。
そういった心の動きはあるにはあるのですが、プールの水面を眺めるシルヴィアには、表情らしい表情はありませんでした。
シルヴィアはスクール水着です。長い銀髪は綺麗に巻いて、しっかり帽子にしまい込みました。準備体操も存分におこなっています。
これでいつでもプールに入れます。
といっても、『いつでも泳げる』という意味じゃありません。
「……泳げる奴らめ……」
とくに起伏のない言い方で彼女はつぶやきました。
鋭い眼をプールに向けます。
悠々泳いで、遊んでいる人たちに向けます。
シルヴィアらしい温度の低い視線でしたが、恨みがましいというよりは、羨ましげといったほうがいいかもしれません。そんな、もの言いたげな目なのです。
彼女の視線は、プールから離れプールサイドに向かいました。
その殺意(!?)あふれる目で今度は、レーザービームばりにぐるっと、プールサイドで休んでいる生徒たちを眺め回します。
「……どうせ泳げないなら……泳がしてあげる……!」
誓ったのは襲撃。
無差別襲撃。
休むことは許しません。休まなくても見学者は許しません。
プールに投げ捨てるつもりです。一人残らず!
軍用格闘術システマの達人たる彼女なら、決して不可能ではないはずです。
得物を狩る鷹のごとく、身を低くして突進……しかけた彼女ですが、
「よぉ、シルちゃんも来たのかー……って、アレなんか楽しげ?」
桜井ラッセルがいち早く、彼女の狙いを悟ったようです。
「ちょ……まさか!?」
思わず腕をとって止めます。
「シルちゃんなんか攻撃本能剥き出しに見えるんだけど……俺の気のせい?」
「……気のせいじゃない。全員、投げ落とす……」
「おいっ! 何の遊びだ!? 個性的すぎだろ……!」
迷惑行為そのものだし泳げねー人だっているんだからな、と言いかけたラッセルですが、その言葉を発することはできませんでした。
「……放せ……」
と身をよじったものの勢いが良すぎて、シルヴィアは誰かを投げるより前に自分自身が、ざっぼんと水に落ちてしまったのです。
まるで鉛の塊を水に投げ込んだようなものです。
彼女はぶくぶくと沈んで、浮かび上がる様子すら見せませんでした。
「足うごかせねーと沈むだけだって。浮き輪なかったかな……ええい!」
ままよ、とラッセルは飛び込んで、彼女を抱きかかえ浮き上がりました。
引っ張り上げるとシルヴィアは気を失うこともなく、そのままぺたっと水際に座り込んだのです。
「それにしてもまあ……溺れるんならもうちょっと動揺しろよ。なんかフツーに、淡々と沈んでいったように見えたんだけど」
「……動揺の仕方を知らない……」
「シルちゃんらしい回答だな、うん。って納得してどうする、俺」
ラッセルは苦笑いしました。それでも、彼女が無事で安堵しているのでした。
その彼の表情を、ちらっとだけ見てシルヴィアは言いました。
「……礼だけは、言っておく……」
「いやまあ、なんだ、シルちゃんが落ちるきっかけになったのは俺だし、むしろ礼を言いたいのはこっちというか……」
「……どういう意味だ……」
「こういう意味でね」
ニッと笑んでラッセルが手にしたのは、天馬ひびきのヘアピンでした。そのことを説明して、
「シルちゃんを助ける途上で偶然、手にひっかかっていたもんでね。天馬も喜ぶし、怪我の功名ってやつだな」
それにな、とラッセルは締めくくるのです。
「天馬のヘアピン探しとシルちゃんの救助、このふたつのおかげで俺、いつの間にか自然に泳げるようになったよ。遊んで身についたってやつか……ま、やってみりゃなんとかなるものなんだな。どう言うんだっけ、こーいうの」
「……習うより慣れよ、か……」
「あ、それだそれ」
うん、と頷いて彼はシルヴィアを立たせました。
「次は速さ磨かねーと。気が早えーかな……そうそう、おーい、天馬」
振り返ってひびきを探すと、
「ヘアピン見つかったぞー」
と彼は声を上げたのでした。
それを聞きつけるや大喜びで、ひびきが駆けてきたのは言うまでもないでしょう。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
学校生活
恋愛
スポーツ
定員
1000人
参加キャラクター数
108人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2013年09月26日
参加申し込みの期限
2013年10月03日 11時00分
アクション投稿の期限
2013年10月03日 11時00分
参加キャラクター一覧
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