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今日も愛すべき『フツウ』の日。
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着替え終えた喜好を見て、
荒井 景貴
はにこりと微笑んだ。
「よく似合ってますよ」
「……ありがとう、荒井せんせー」
「じゃあ、さっそくはじめましょうか」
常温に戻しておいたバターをボールに入れて、丁寧に泡立て器で練っていく。
「んッ」
案外力がいる作業で、喜好は悪戦苦闘していたが、荒井は最低限の手伝いしかしなかった。
あるていど柔らかくなったら、砂糖を三度に分けて混ぜ、より柔らかく柔らかくクリーム状にしていった。
「これくらいでいいかな?」
「少しお砂糖が玉になってますね」
「うー……」
「頑張ってくださいね」
その調子で綺麗なクリームが出来上がったら、鶏卵の黄身と白身をわける。
「今回は黄身だけを使いますので」
ひとつ、荒井が器用にお手本を見せてから、喜好に割ってみるように言った。
「それをバターに混ぜたら、小麦粉をやさしく混ぜていきます」
「やさしく?」
「あんまりこねすぎるとポロポロとした乾パンみたいになっちゃうんです」
「はい! せんせー!」
生地が出来上がると、ラップに包んで冷蔵庫で三十分寝かせる。
「本当は一時間ほど寝かせておきたいんですけどね」
遅くなってしまいますので、今日はそこまでしません。
そうしてから、二人は店頭に戻った。
二人が店頭に出てくると、ちょうど
芽守 健作
が入店する。
「景貴、新作のケーキはあるかい?
あ、そういえば、今日は喜好君が手伝いに来る日だったね、こんばんは」
「こんばんは、たんてーさん」
「さくらんぼケーキだね? ちょっと待ってて」
「あとにくきゅうマカロンのフランボワーズをもらえるか?」
ショーケースからひと切れケーキを取り出して、お皿に載せる。
その横にちょこんと真紅のマカロンを添えた。赤のコントラストが目に眩しい。
芽守はその皿を受け取ってから、喜好に向き直った。
「やあ、小さなパティシエさんだね。制服も似合ってるじゃないか」
反射的に頭を撫でる。
しまった。と思ったときには、遅し。
喜好のろっこんの力で、芽守のマカロンは喜好の口の中へ。
「ん。おいしい!」
喜好は嬉しそうだ。
荒井は苦笑して、芽守の肩に手を置いた。
「マカロン、まだあるから元気出しなよ健作」
「景貴……、マカロンもう一個くれるかな……」
芽守は力なく、追加の注文を入れる。
そして今度こそ頭に触れないようにして、芽守は奥のイートインスペースに向かった。
「あ、こんばんは。劉さん、珍しいですね」
「あ、ああ。芽守か」
見知った顔を見つけ、芽守はすぐに持ち直したとか。
芽守と入れ違いで、イートインから
八神 修
と
後木 真央
が出てくる。
「こんばんは」
「こんばんはなのだー」
喜好はぺこりと頭を下げる。
「大変だろうが、頑張れよ」
八神がぽんと喜好の肩に手を置いて激励する。
「それから、これ良かったら食べてくれ」
さきほど少し多めに購入したフィナンシェを喜好に差し出した。
その様子を荒井は嬉しそうに眺めている。
「お母さんとな」
「うん。ありがとう」
喜好は再びぺこりと頭を下げる。
二人は店を後にした。
芽守に声をかけられたあと、
ジニー・劉
は少し迷いながら喜好に近づいていく。
鹿嶋 洋美
は(迷惑じゃないかな?)その後ろにちょこんとついていく。
「おい、ガキ。久しぶりだな」
事件のときに巻き込んでしまった人だ。
喜好は丁寧に頭を下げる。
甘いものが苦手な劉とはあれ以来喜好は会っていない。
「あのときはごめんなさい」
劉は一瞬
苦い顔
をしたが、すぐさま表情を改めて、迷い迷い口を開いた。
「あんたに言いてぇ事があってな」
「ボクに?」
怒られることを覚悟して、喜好は劉の目を見て、キュッと唇を結んだ。
「逃げずに向き合え」
その言葉の意味がわからないが、喜好は目をそらさず続きを待つ。
「菓子を食わされるのが嫌なら母親にちゃんとそう言え」
ハッとしたように喜好は目を見開いた。
「お前の優しさはずるさと一緒だ」
劉は厳しく言い放ってから、自嘲じみた笑みを浮かべた。
(俺はそれで失敗して、今でも後悔がついてまわってる)
「子供に同情される母親は幸せじゃねえ。
子供の時にしなくていいガマンして大人になり損なるな」
喜好に言い聞かせるように。
自分に言い聞かせるように。
劉は思いを伝えた。
喜好は劉の寒そうな瞳を見つめる。
その場にいた者たちは成り行きを見守ることしかできない。
そして、真剣な表情のまま、喜好は言った。
「ボク、ちゃんとママに言う」
ひと呼吸おいてから、一音一音大事そうに言う。
「嫌じゃないよって。迷惑かけてごめんなさいって」
「……そうか」
それが強がりなのか、それとも本音なのか劉にはわからない。
けれど喜好の覚悟に、喜好の生き方に、劉はそれ以上口を出す気はなかった。
(根本の解決は当事者にしかできねぇからな)
それ以上言うことはない。
劉が出口に向かい、鹿嶋は彼のあとに続く。
厳しすぎるのではないか。
その場にいた者たちの視線が、劉の背中に刺さる。
(いいさ。嫌われんのは慣れてる)
二人は店を立ち去った。
残された喜好はポツンと立ったまま動かない。
「喜好君」
荒井がやさしく声をかける。
「クッキー、焼きましょうか」
外に出た劉は自身のポケットを漁って、舌打ちをする。
(結局煙草買うの忘れてたな)
「あー……煙草喫いてえな」
劉の肩が濡れていく。
「風邪ひいちゃいますよ?」
鹿嶋は傘を劉の下斜め後ろから差し出した。
「……ああ」
そのまま二人は無言で劉の住むシーサイド九龍に向かった。
ボロボロのビルの前に立ち、鹿嶋は不器用に笑ってみせる。
「劉さんの言ってあげたことはわかりますよ。
私も、あの子くらいのときはお母さんに本当のこと言えなかったりもしましたし……」
劉は何も言わない。
「それじゃあ」
鹿嶋は別れを告げて踵を返した。
劉はその腕を掴む。傘が鹿嶋の手から滑り落ちた。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
つるこ。
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
定員
30人
参加キャラクター数
30人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2013年09月25日
参加申し込みの期限
2013年10月02日 11時00分
アクション投稿の期限
2013年10月02日 11時00分
参加キャラクター一覧
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