ライブラリ・ラビリンス３｜リアクション

ライブラリ・ラビリンス３

■探索を続けよう　
　埃っぽい地下を調べ終え、一同は更に調査を進める。
修が気になったのは、青い絨毯の部屋のピアノだ。
以前の探索で誰かが、
調律したが、ファの音だけが鳴らなかったと言っていた。
内部の様子を良く調べてみれば、
ハンマーの奥に折りたたまれた紙片が挟まっている。
薄汚れていて、一見木製の基盤に付いた汚れにも見える。
見落としていても無理はない。
開いたメモの内容を見て、
修はすぐさまエントランスに取って返した。
　同じ頃、楓が目をつけたのは、
探索前に修が一度調べた寄木細工の箱だった。
「まあ、ノーヒントで開けられるとは思ってねえけど」
　何度か挑戦し、箱板をスライドさせ試した手順をメモしていく。
数パターン試したあたりで、修が早足で戻ってきた。
「夜海霧、ちょうどよかった。
そのメモを見せてくれ」
　いいけど、と差し出したメモを見て、
修は試した中のひとつを指す。
「これをやってみてくれないか。
詰まったところまで行ったら教えてくれ」
　楓は修に言われるまま、手順を再度なぞるように箱板を動かしていく。
一度詰まった箇所に差し掛かると、修が声を上げた。
「そこで、ここを押すんだ」
　修は、箱の、寄木の模様に見える一部分を押すように言う。
楓が指先でそこを押すと、かちりと小さな音がして
今まで動かなかった最後の箱板がするりと動いた。
出てきたのは、古ぼけたロケットペンダントだった。
中には白髪の老人が映っている写真。
以前見た古い写真と同一人物のようだ。
「やっぱこの人が俺たちを呼んでるのかね？」
　楓が、独り言のように呟いた言葉に、修が反応する。
「以前見た写真には子供も映っていた。
そっちかもしれない。理由はわからないがな」