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さくら、たちばな、ももの花。~ひなまつり in ねこじま~
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ひなまつりとは言え、父のいない森篠家のひなまつりはささやかだ。
それでも、母は毎年のようにひな人形を飾りたがる。娘がふたりもいるもの、と少し寂し気に笑う。
日々の忙しさにかまけて出せず仕舞いになりそうだった三段飾りのひな人形を、ひなまつりの当日になって、休日出勤の母に代わり妹の奏子とともに飾ることにしたのは、
森篠 琳子
にとっては、だからたぶん、親孝行じみた気持ちの発露であったのかもしれない。
押入れの奥にしまい込んでいたひな人形セットを苦労して居間にまで引っ張り出し、ああでもないこうでもないと四苦八苦して雛壇を作り緋毛氈を掛ける。下の段からひな人形や造花や雪洞を並べて行く。
お雛様を両手に持って妹がうろうろしている。どうやら三段目の最上段に飾りたいらしい。が、いかんせん身長が足りない。無理に背伸びして万が一にでもバランスを崩して倒れてしまえば、せっかく苦労して設えた雛壇まで巻き添えにしてしまいかねない。それどころか、
(人形を台無しにしたら……)
そう考えた途端、ついきつい言葉が飛び出してしまった。
「奏子、無理に背伸びしてひっくり返ったらどうするの?」
妹の動きが止まる。むくれて難しい顔をする妹とちょっと揉めはしたものの、結局はお雛様を三段目に乗せるのを支えてやることにした。
お雛様を三段目に乗せた妹は上機嫌で、どうやら満足したらしいと琳子は一安心する。
「お昼を食べたら寝子島神社へ行こうか」
言ってから後悔する。果たして妹は琳子がご飯を用意する間も早く早くとうるさかった。それでまた叱って揉めて、むくれる妹に簡単な昼食を食べさせて後、近所の神社へと向かう。
さっきまでふてくされていたとは思えない機嫌の良さで神社への石段を駆け上がる妹の後を追いかける。段の途中に立っていても、境内の屋台から食べ物のいい匂いが漂ってきた。
(さっき食べたばかりだから私はいいけれど……)
先に石段を登り切った妹は、境内に並ぶたくさんの屋台を眺めて目を輝かせている。
追いついた途端にわたあめやりんご飴をねだられ、琳子はちょっと渋い顔をするも、せっかくのお祭りだからと結局は買ってやるはめになる。
「さっき食べたばかりなのに、よく食欲があるよね」
これが若さというものか、ともうすぐ高校を卒業する琳子は小さく肩をすくめた。
「屋台がいっぱい並んでる!」
鳥居のところであがった嬉しそうな声に思わず振り返って、黒髪の女の子と目が合った。照れ臭そうに笑う少女に小さく笑みを返し、琳子は振り返りもせずに駆けていく妹の後を追う。
「もう、またそうやってすぐ……!」
妹と一緒にひなまつりに来たらしい女の子を見送って、
綾辻 綾花
は鳥居の前で一礼をする。お洒落してイベントに繰り出してきたけれど、屋台の食べ物も気になるけれど、まずはお参りから。
人込みを歩きながら、その中に
早川 珪
先生の姿を探している自分に気づいて、綾花は苦笑いを零した。
(去年、珪先生と出会えたから)
今年ももしかしたら出会えるかもしれない。仄かな期待を抱いて参道を進み、本殿で柏手を打つ。
(今年も珪先生と出会えますように)
礼をして境内に下がったあとは、お待ちかねの屋台巡り。
まず惹かれたのはお醤油の焦げる匂いと煙をあげるイカ焼きの屋台。
(お父さんたちに買っていこうかな)
今年は仕事で行けないと残念がっていた父の顔が思い浮かんだ。屋台のものを食べれば、気分だけでもひな祭りを楽しめるかもしれない。
イカ焼きにフランクフルト、ひなあられに焼き鳥。両親が喜んでくれそうなものを考え考え屋台を巡るうちに、両手は食べ物の袋でいっぱいになってしまった。
「ん、綾辻さん?」
「あっ」
たこ焼きも買っていこうか、でも冷めたら美味しくないかな、とたこ焼き屋の前で迷っているところで、さっきまで探していた高校の先生に反対に見つけられ、綾花はあわあわと買い込んだ食べ物を背中に隠す。だって、
(私一人で食べると思われたらどうしよう)
「これはお父さんとお母さんに……」
決して大食いじゃないですよ、私のイカ焼きもありますけど三人分です、と顔を赤くして慌てる綾花に、珪は優しい笑みを深める。
「珪先生っ、珪先生と屋台めぐりしたいです」
「うん、いいよ」
気さくに頷いてくれる先生の優しさが嬉しくて、綾花はついついはしゃいでしまう。
「輪投げとか射的もあるんです」
スキップさえ踏んでしまいそうな足取りで先生を案内したのは、射的の屋台。屋台のお兄さんにお金を払い、珪先生にお願いしますと空気銃を渡す。
「景品ににゃんこのぬいぐるみがあるんです」
指し示すのは、テオによく似たハチワレ猫のぬいぐるみ。
「欲しいのかい?」
「私より運動神経が良さそうな珪先生なら取れるはずです」
期待でも良いですか、と見つめれば、先生は少し困った顔で、それでも銃を構えてくれた。
「やってみよう」
ぱん、という軽い音に少し遅れて、女の子の華やいだ声が聞こえた。
お祭りの人込みに流されながら、声のする方向に顔を向けてみる。遠目に辛うじて見えたのは射的屋の幟で、だからどうやら誰かがお目当ての景品を当てたのだろうと推測し、
鴻上 彰尋
はちょっと笑った。
(お祭りだ)
鐘楼に飾られた吊り雛も、あちらこちらに飾られた春の花も、今日はぜんぶ女の子たちのためのもの。男子な自分は、お祭りのお零れに預かれれば充分というもの。
弟妹たちにひなあられでもお土産にしようかと考えながら、屋台の通りをゆっくり歩く。
(卵、海老、椎茸、海苔、……桜でんぶもあれば喜ぶかな)
頭の中にあるのは、今日の晩御飯予定なちらし寿司用の買い物リスト。
もともとの予定では、買い物だけを済ませて帰るつもりではあったものの、通りがかった参道商店街がいつもよりずっと賑やかで、思わずその賑やかさを追いかけた先にお祭りが催されていた。
(……お祭りだ)
ふらりとちょっと立ち寄ってしまうのは仕方がないというもの。だってお祭りだ。誰もかれもが楽しそうだ。
あちらこちらから笑顔のお裾分けを貰いながら歩いていて、気になった。普段着の人々に混ざって、時々おひなさまのような恰好をしたひとが歩いている。雅で煌びやかな衣装につい視線を惹かれて追いかけて、
(……あ)
引き寄せられるように、おひなさまの衣装を纏った
七夜 あおい
の姿を見つけた。
たくさんのひとの中に見つけた女の子の姿が誰よりもとても素敵に見えて、彰尋はちょっと狼狽える。あんなに綺麗で可愛いひとは他にいないと思ってしまう自分自身に照れてしまう。
イベント関係者らしい黄色い鳥の着ぐるみと話をしている彼女の邪魔をしたくなくて、それでもやっぱり気付いて欲しくて、軽く手を振ってみようか迷う。あとで話しかけてみようか迷う。
そうする間にも視線だけは外せずにいるうち、
「彰尋くん!」
お雛さま姿のあおいの方が気づいて手を振ってくれた。黄色い鳥に一礼した後、重たそうな衣装にも関わらず足早に近づいてきてくれた。
「待って、俺から行くから」
慌ててあおいのもとに駆け寄る。衣装につまづいて転びそうな彼女の手を咄嗟に取って支える。
「危なかった、ごめんね」
「いや、あおいさんが転ばなくて良かった」
顔を見合わせて笑いあう。
「その衣装は?」
「おひな行列だって。さっきの黄色い鳥さんに、生き雛にしてやろうかー、なってくれー、って衣装渡されちゃった。行列までまだ時間があるから、しばらく好きにしてていいって」
そう言えばと思い出す。参道商店街の掲示板に貼られていたひなまつりのポスターにも『おひな行列』についての記述があった。
あおいらしいと言えばらしい行列参加のきっかけに、なんだかほのぼのした気持ちになりつつ、彰尋はいかにも歩きにくそうな衣装のあおいを気遣う。
「一息ついたらどうかな」
屋台で何か買おう、と提案すれば、あおいは嬉しいような気恥ずかしいような顔で頷いた。
「ちょうどお腹空いてたんだ」
「静かなところで座ってて」
「ううん、この衣装、意外と歩きやすいんだよ」
一緒に行こうと笑いかけられ、彰尋は頷いた。
繋いだままだった手を解く理由も見つけられず、
(人が多い所だからはぐれないように)
誘導のためだと自分に言い聞かせて先に立ち、人込みの中をふたりで歩き始める。
(変に、意識しない、ように……)
気にすれば気にするほど意識してしまう気がした。
手が汗ばんでしまっていないか気になった。きつく掴んでしまっていないか気になった。繋いだ手の、自分よりも小さくて細い手が気になって仕方がなかった。
(誘導のため、はぐれないため、)
自分に言い聞かせ言い聞かせ、休憩用にと選んだのはちらし寿司。
(せっかくなら一緒に食べたいな、なんて)
夕ご飯と一緒のものをうっかり選んでしまったことに言い訳しつつ、屋台の通りから少し離れたベンチに並んで腰を下ろす。
手が離れてしまったことにホッとしたような残念なような気持ちを覚えて、彰尋はまた動揺した。動揺しながらも、あおいの膝にハンカチを広げる気遣いは忘れない。
「衣装を汚さないように、って」
それは舞台役者に興味を抱く少年らしい心遣いでもあったけれど、
「ありがとう」
おひなさま姿の少女の笑みに、少年はやっぱりどこまでだって照れてしまう。やっぱり、
(俺は、あおいさんが)
そう、強く思ってしまう。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
1000人
参加キャラクター数
30人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2020年10月22日
参加申し込みの期限
2020年10月29日 11時00分
アクション投稿の期限
2020年10月29日 11時00分
参加キャラクター一覧
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