銀色は自由への導き｜リアクション

銀色は自由への導き

　メンバーが増えたということで、それぞれ簡単な自己紹介とこれからの作戦について話し合う。
「俺は桜崎の待ち伏せ作戦に賛成だ」
「下手に動き回っても体力を消耗するだけだしな」
　御剣と八神が言うと、他の者も次々に待ち伏せ作戦に賛同していった。
「なぁ、ちょっといいか。なんで東雲は襲われなかったんだ？」
　そこにクロウディアが割って入った。
「うん。僕もそこが気になっていたんだよね」
　逆巻も頷く。
「まるで東雲さんを避けているような」
「変態なんでしょ？　これを避けるかしら？　これを！」
　北原が東雲の胸を指差す。
「そうか……彼はいま変態なんだ」
　逆巻の呟きにクロウディアも気付く。
「雅里は東雲から逃げているのではなく制服から逃げていたってことか」
「パンイチで解放された自分に制服を着せようとする追手。雅里君には東雲さんがそう映ったんだとすれば説明がつく」
「もしそうだとすれば使えるな」
「だね。東雲さんが雅里君をここまで誘導。囮にシルバースターを使った隙に、他のメンバーが彼からスターを取り上げて破壊」
「けど、誰が囮なんて危険な役をやるんだ？」
　誰も名乗り出る者はいない。
「クロウディア先輩、犠牲になりたいんだっけ」
「犠牲って言うなよ……」
　口ごもるクロウディアの手を本条がぎゅっと握る。
「最年長としてもっとも危険な役を引き受けてくれるんですね。先輩！」
「だからまだ引き受けると決まったわけじゃ……」
　目を潤ませる本条であったが、その彼女にも逆巻の目が向けられる。
「本条さんもどうだい？　君、かわいいからきっといいエサになるよ」
「やります！」
「あくどい口説き方すんなっての……」
「あたしもやろう」
　自ら名乗り出たのは桜崎だった。
「君には実行部隊に加わって欲しかったんだけど」
「それを言うなら囮だって立派な実行部隊さ。違うかい？」
「オーケー。君に任せよう。そして、一番重要な雅里君をここへ誘導する係だけど」
　逆巻が東雲の前へと立つ。
「さっそく雅里君を捜しに行ってくれるかい？」
「が、頑張ってみます！」