ある夜、寝子島高校に一筋の流れ星が落ちた。
とても小さな隕石だったので、人知れず落ちて特に被害は出なかったようだが、
「流れ星を手にした者には奇跡が起こる」
どこからかそんな噂が一夜にして生徒の間を駆け巡った。
翌朝。
学校中の生徒達が流れ星を探す大騒動に。
しかし、具体的な大きさや形まではわからないたった一つの流れ星は、
学校内という限られた空間でありながら誰も発見できないでいた。
「こんなくだらない事に振り回されるとは揃いも揃って馬鹿ばかりですね」
その様子に呆れる生徒が一人。
彼の名は雅里 勉計(がり べんけい)。
いわゆる勉強こそ全ての真面目生徒であった。
静かに勉強できる場所を求めて体育館裏へとやって来た勉計。
「まったく学生の本分をなんと心得ているのか……ぶつぶつ」
体育館にもたれかかって腰を降ろすと同時に、
目の前に奇妙な物体を発見する。
それは手のひらサイズの星型をした物体だった。
「くだらない。誰がこんなおもちゃを……」
プラスティックのような安っぽい質感に呆れながら眺めていたが、
すぐにそれが今騒がれている流れ星ではないかと考える。
途端に周囲を伺いながら動揺する勉計を、
偶然にも一人の男子生徒が発見した。
「おい! 勉計が流れ星を持っているぞ!」
男子生徒の叫びと共に押し寄せる多くの生徒達。
その時、勉計の手の中の星が銀色の光を放ち始めた。
そして、
「うおー! 勉強なんてやってられるか!」
制服を脱ぎ捨ててパンツ一枚となった勉計はその場から走り去って行った。
真面目男の変貌ぶりは瞬く間に生徒達の間に広まった。
「銀色の光を放つ星、シルバースターは手にした者の性格を正反対にしてしまう魔の星だ!」
生徒達はシルバースターに触れないよう注意を呼びかけたが、
性格が反転した勉計によって犠牲者は増えていくのであった……。
はじめまして。
ゲームマスターの裕竜です。
手にした者には奇跡が起こるなんていかにも怪しげな噂が広まった流れ星。
しかし、実際には手にした者の性格を、
その銀色の光で反転させてしまう恐ろしい物質でした。
生徒達はその光の色から「シルバースター」と名付けました。
性格が反転したことで人には見られたくない自分を見られるのでは……。
そんな恐怖に生徒達は一転してシルバースターから逃げ回ることになります。
ところが最初の犠牲者勉計が仲間を増やそうと魔の手を伸ばします。
彼から無事に逃げ切り、自身のプライドを守ることはできるのか?
そして終わりの見えないこの不毛な争いに終止符が打たれるときはくるのか?