銀色は自由への導き｜リアクション

銀色は自由への導き

　廊下を曲がった先では勉計が二人の女子生徒にシルバースターを向けていた。
「え？　え？」
　廊下の右側には金色のウェーブ髪が綺麗な女子生徒。
「ヘンな格好の人がぁ」
　左側には黒いロングが艶やかさすら感じさせる女子生徒の姿。
「雨寺に北原っ。目を瞑れ！」
　八神が叫ぶが、
「両手に花～！」
　その声はパンイチ変態の歓喜と勝利の雄叫びにかき消される。
「こないでぇ～」
　どこか緊張感に欠ける二人の女子をシルバースターの光が襲う。
　クロウディア達は咄嗟に光を見ないように目を瞑ったが、その隙に勉計はどこかへ走り去ってしまった。
「ちっ」
　御剣は勉計のあとを追いかけて行く。
「雨寺、大丈夫か？」
　八神が犠牲になった女子二人のもとへ駆け寄る。
「みればわかるでしょ……ハァ」
「むう。北原は？」
「大丈夫なわけないでしょ！　あの変態は修くんの仲間？」
　彼女達の反応に絶句していると、やがて他のメンバーが追いつく。
「この子たちは？」
「一年生の雨寺凛と北原みゆきだよ」
　逆巻は維都月の時と同じように、シルバースターにやられた雨寺と北原をじっくり観察し始める。
「おいおい、雨寺もやられたのかよ」
　その後ろではクロウディアがうんざりした様子で呟いた。
「だからあいつは何なのよ！　天野くんのお友達っ？」
「あんなお友達はいないよ」
　そんな一行にため息を漏らしながら一人の女子生徒が近づいてくる。
「やれやれ。それだけ人数がいてあの変態を止められないなんて情けないね」
　鋭い眼光で威圧するかのように全員を睨みつけてくる。
「君は……」
「桜崎巴。あたしなら目の前で犠牲者を出すようなヘマはしないよ」
「言うじゃないか」
　戻って来た御剣が皮肉を言う。
「だったらその手腕見せてもらおう」
　八神が畳み掛けるように言うと、桜崎は不敵な笑みを見せた。
「やみくもに追いかけても無駄ってことさ。あたしなら待ち伏せるね」
　桜崎が言うとほぼ同時、
「無駄なんじゃないの～？」
　ちょっとかっこ良かった場面に雨寺が割って入る。
「ここにいる人達ってぇ、いかにも頼りなさそうだし」
　最後に死んだ目で面々を見て大きなため息。
　イヤな沈黙が周囲を包み込んだ。
　そこへ、

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