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シネマカフェ『クランク・イン』 第五幕
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【フードメニューもよろしくね】
「ふおおお……」
アルバイト店員嬉野 エマは慄きました。
一片の淀みなき堂々たる立ち居振る舞い。まばゆいまでの完璧メリハリボディ。陽光差し込む窓際の席へしゃなりと腰かけたその姿はまさしく、ニャリウッド女優のごとし。
巫部 紫苑
は今日もまた、輝いておりました。
「それじゃ、まずはコーヒーと……オススメの軽食をお願いできますか?」
「は、ははははいっ! かしこまりましてございます、ええはい!」
にこりと微笑む彼女の美に当てられ、一瞬で言語野が崩壊するポンコツ店員。
けれど紫苑はそんな慌てようも意に介さず、ただふんわりと笑います。エマは思いました。なんて大きいんだろう……彼女の弾む双丘をじ~っと見つめながら。
「ところで、今日はなんという映画を上映するんですか?」
「へっ? あっはい、この後は『ネオン』を上映いたしますですわー!」
「ああ、聞いたことがあるような。ないような。どちらにしても初めてですし、楽しめそうですね♪」
にっこーっ! きらめく笑顔にエマはノックアウト。店内で上映開始を待つお客たちも、今やスクリーンよりも紫苑にクギヅケです。
しかし彼らは、紫苑が今心の中でなにを思っているか、なにを思い浮かべているのか、知る由もありません。注文の品と上映開始を待つ間、彼女が考えていたことは、
(いつもなら、全部のメニューを一度に頼んでしまうのですけど、今日は映画を見ながらですし。少しずつにしましょうか)
フードメニュー全制覇する気マンマン! だったりしました。
そんなタイミングで店内へやってきたものだから、
水上 桜
は思わず眉をひそめました。
「……? なんかヘンな雰囲気?」
「ああ。いらっしゃい。カウンター席へどうぞ」
桜が『クランク・イン』へ訪れるのは3度目。いつもカウンターの向こうにいる嬉野 七海の不愛想にも、今や慣れっこです。
部活の帰りやちょっとした買い物帰りなんかに、喫茶店でひと息入れつつ映画鑑賞。最近のちょっとマイブームだったりします。
「ご注文は?」
「んーっと。それじゃカフェオレと、ホットドック。マスタードとケチャップたっぷりでよろしく」
「分かった、ちょっと待っててくれ」
「はーい」
スツールへ腰を下ろして、まずはくるりと店内を眺めます。この落ち着いた空気感。天井の光量を落とした照明も手伝ってか、ポスターやら映画グッズやらが棚や壁に雑然と並んでいる様は一見うるさく見えて、受ける印象はその真逆です。
活発で情熱的な桜の生活の中にあって、この頃ちょっぴりお気に入りの、静かで穏やかなひと時です。
「それで、今日の上映作品は?」
「この後は、『ネオン』だよ。見たことあるかい」
「わ、ウソ? 私好きよ、あの映画。観るのはこれで3度目かな……でもこんな大スクリーンで見るのは初めて」
香ばしい香りをくゆらせるカップをことりとカウンターに置きながら、七海はやっぱり不愛想なまま、楽しんで、と言いました。
『ネオン』の舞台は、ニューヨーク。空は明るく色彩豊かな街並みとして描かれながら、高いビルばかりが立ち並ぶ様はどこか無味乾燥として、イタリア系移民であるネオンには住みづらい街であったかもしれません。ビル街の威容は、ことに幼くして愛情に餓えた少女マルチナの目には、冷たく無機質に映ったことでしょう。
という映画ネオンにおけるニューヨークなのですけれど、桜にとっては別の印象もありました。
実は彼女、ニューヨークに行ったことがあるのです。
「あ。このアパート見たなあ。ほんとにそのまんまだったな……」
がたたっ!
「うん?」
「その話……詳しく聞かせてもらってもいいだろうか……!」
「あ、はい」
食い付いたのはバイト店員七海でした、相も変わらず無表情ではありましたけれど。
「今まさに画面に映る、このアパートかい? ここを見てきたと? 聖地巡礼?」
「そんなたいそうなことじゃないけど。私、両親と弟が仕事の都合でニューヨークに住んでて」
「ほほう」
「去年の夏休みに、遊びに行ったの。その時に、ネオンとマルチナが歩いた街並みとか、撮影現場になったアパートを見に行ったりしたのよ……いやちょっと食い付きすぎでは!?」
「続けて」
ポーカーフェイスのままぐいぐい前のめりな七海に若干ヒきつつも。
大好きな映画の撮影に使われた場所となれば、確かに気になってしまうかも……実際現地を見学して回った時は、クールな桜だっていささか興奮したものです。
「ええと。だからまあ、あそこを見られただけでも、ニューヨークに行った甲斐があったかなって」
「なるほど、貴重な体験だ。くそっ、うらやましい」
「お客に向かってくそって言うのはちょっと……あ、スニャンスフィールドだ」
スクリーンでは悪役、スニャンスフィールドがやみくもにショットガンをぶっぱなし、まさに悪行に勤しんでいる真っ最中です。
「とんでもないワルなんだけど、やっぱりこの映画には欠かせない存在よね。こいつがいないとこの映画、全然面白くなかったと思う」
「同感だ。ネオンとマルチナのぎこちない交流がもちろん主軸にありながら、どぎつい悪であるこの男の存在が逆に穏やかな時の流れを際立たせ、さらにはラストの対決シーンをもひと際に盛り上げて……」
「に、にーさん! にーさん!」
ふと。アルバイト店員の妹のほう、エマが慌てた様子でやってくると、カウンターをべしべし叩き始めました。
「なんだポンコツな妹よ。上映中だぞ」
「注文が! 注文が溜まってますわ! 早く、早くしないと……!」
折しも映画は、殺し屋ネオンが悪辣なマフィアたちをばしばし撃ち抜いていくシーン。
画面が血に染まると、彼女……紫苑はこんなことを言うのです。
「ほへぇ……いっぱい血が出ていますねぇ。真っ赤です。なんだか赤いものが食べたくなりますね。パスタのミートソースとナポリタンをいただけますか?」
「ははは、はいっただいま! しょーしょーお待ちくださいましー!」
カウンターと客席を忙しく行き来するエマ。ずべんっ、と七海に伝票を押し付けたところで、
「あ、それにオムライスもお願いします♪」
「は、はい~ただいま~~~」
画面に映る何がしかから連想しては、紫苑は次々に注文を飛ばすのです。七海は首を傾げます。
「あの客にはついさっき、ハンバーグランチの目玉焼きトッピングを出したのでは」
「もう食べ終わってますわ、それに注文は二皿だったでしょう!?」
「……あれ、別の客の注文じゃ」
「あの方おひとりですわ! ハンバーグランチのチーズトッピングにミートソース、ナポリタン、オムライス……にーさん早く、早く調理を! 伝票が溜まる一方ですわよー!」
「う~ん、激しいアクションシーンを見ると、なんだかお肉が食べたくなってしまいますね。すみませーん、ステーキサンドをふたつくださいな。ひとつはデミグラスで、もうひとつは和風ソースでお願いします♪」
「ぎゃ~~~っ」
紫苑の卓にはお皿がずらり。ずらずらり! それらをあくまで優雅な所作で、そしてけっこーなスピードでぱくぱくぱくんと平らげていくのです。止まらない勢いは、なんなら映画がエンディングを迎えるまでに、フードメニューを全制覇してしまいそうなくらいです。ていうかきっとするでしょう。
七海の調理の手は止まらず、エマも紫苑のオーダーのみならずフロア全体を回らなければならないため、どうにもこうにも、手が足りません。
そうこうする間にもスクリーンでは、ネオンとマルチナの心温まる交流やスニャンスフィールドのがっつり個性的なシーンが描かれ、そのたびに胃袋を刺激された紫苑の注文がびしばしと飛びました。
ぶっちゃけ言って、てんてこまいです!
「て……手伝ってください~!」
「えっ」
しまいにエマは、あろうことかお客にヘルプを求めました。
白羽の矢が立ったのは、なんでか桜です。
「わ、私、客なんだけど!?」
「お願いしますー、お願いしますー! パーティーの団体さんにも勝るこの売り上げ、あのお客さんにはぜひともりぴーた~になってもらわなければならないのですっ! 満足して帰ってもらわなければならないのですっ」
「私もっ、お客なんだけど!!」
「すみません~、パンケーキも追加でお願いします。プレーンとチョコとフルーツと……えーっと、ここに載ってるの全部で♪」
とまあ結局エマの剣幕に押し切られ、なんだかんだで桜はクランク・インのエプロンを身に着け、臨時フロアスタッフとして手伝うこととなってしまいました。
紫苑はやがて全メニューをぺろり呑みこみ、しゃらら~んと優雅な所作のまま、満足した様子でお帰りになったということです。
「喫茶店でまったり過ごそうと思ってたのに、なぜこんな修羅場に……」
「まーまー。コーヒー一杯無料券でもお出ししますから。またいらしてくださいまし♪」
桜はカウンターにぐったりと突っ伏したまま。悪びれもせずにかっと笑ったエマに毒気を抜かれたか……はたまた、ネオンがスニャンスフィールドもろともに自爆して果てた後、ひとりぼっちとなったマルチナの、それでも彼の遺した明るい未来に想いを馳せてか。
「ま、いっか」
不思議と、悪い気分ではありませんでした。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
コメディ
定員
10人
参加キャラクター数
9人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2020年10月14日
参加申し込みの期限
2020年10月21日 11時00分
アクション投稿の期限
2020年10月21日 11時00分
参加キャラクター一覧
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