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シネマカフェ『クランク・イン』 第五幕
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【男の矜持ってやつなのさ】
「今日はブルーとミルクを連れて来たよ。ほら、あおいお姉さんだぞ~」
「わ~、今日もかわいいね! ふふふ、おねーさんといっしょに映画見ようね♪」
『クランク・イン』にて、こうして
七夜 あおい
の笑みを眺めるのは、もう何度目のことでしょうか。愛猫とたわむれる彼女の幸福を見つめていると、
八神 修
の頬はどこまでもとろけてしまいそうです。
「ふふ……」
「んっ、どうした? 俺の顔になにかついてるか?」
「ううん。修君って、本当に猫が好きなんだなあって」
はっと我に返ると、自分がいかにデレ顔を浮かべていたかに気づきます。
(まあ、好きなのは猫だけじゃないんだけどな……)
なんてことは言えませんでしたけれど。猫にデレ、猫にかまうあおいにデレデレ……というのもまあ、無理もないことかもしれません。
なにしろミルクとブルーにじゃれてやるあおいの横顔ときたら実に、
(……尊い……)
「さて、今日はなに見よっか? 修君見たいのある?」
「ん、そうだなあ」
本日の上映作品は、『ゴー・プレイニャー1』『猫神家の一族』『ネオン』の3本。個室ではこれに限らず鑑賞することができますけれど、せっかくなので上映中のものから選ぶことにします。
といってどれも等しく見たい作品ですし、なかなかこれと決められません。
「いっそジャンケンで決めるか。俺もあおいも、どの作品も初見なわけだし」
といった提案から、じゃんけんぽん! あいこでショ!
「私が勝ったから、『ネオン』だね! 観たかったんだ、これ」
「OK、それじゃ猫部屋へ行こうか」
ブルーとミルクを連れて、いつもの猫部屋へ。
プレイヤーにディスクを入れて準備万端といったところで、ここんとノックが鳴りました。
「失礼。ご注文の品を持ってきたよ。コーヒーとポップコーン」
「ああ、ありがとう」
店員の嬉野 七海は湯気の立つカップと山盛りのポップコーンを卓へ置くと、なにやら意味ありげな視線を修へ向けました。
「……? なにか」
「これを」
ぽむ。
手渡されたのは、新品のティッシュがふたりにひと箱ずつ。
「『ネオン』を甘く見ないほうがいい。特に後半、こいつが必要になるはずだ。存分に使ってくれて構わない」
「! なるほど……ありがとう。心して鑑賞するとするよ」
受け取ると、彼はうむっとうなずき部屋を出ていきました。
(これは試練だな。涙なんて流してるところを、あおいに見られるわけにはいかない!)
七海の気遣いに心の中で感謝しつつ。怪訝そうなあおいへ笑いかけたら、さあ上映開始です。
分類するならばアクション映画です。けれどその根底において監督が描きたかったのはまぎれもなく、愛! そう、愛でありましょう。
孤独な人生を歩んできた、プロの殺し屋ネオン。父親の暴力に耐えながら生きてきた、幸薄い少女マルチナ。愛を知らず、愛を失ったふたりを結び付けたのは確かに、血と銃声ではありました。けれどきっかけは残酷な現実でも、幼気なまでに純粋なふたりは通じ合い、やがてかけがえのない愛の存在を知るのです。
「弟を殺されて……復讐は悲しいよ、マルチナ~……」
「しかし、このスニャンスフィールドって男の所業を見れば、無理もない気もするな」
「うん。俳優さんの演技で、すごい存在感だねこの人」
「まったくだ」
中年男性ながらに純朴なネオンは映画を知らず、音楽を知らず、読み書きだってできません。おしゃまなマルチナは彼に復讐の代行を依頼する代わり、ネオンへ読み書きを教え、芸術を教えます。
マルチナの授業は子どもらしく、拙く滑稽です。けれど少女は幼く、そして男の心は少年でした。
ふたりはひと時血生臭い現実を忘れ、絆を深めていきます。親しい友人のように。あるいは親子のように。あるいは恋を知らない恋人同士のように……。
(……くっ。耐えろ俺……!)
という物語のさなかに、修は必死に目頭へ力を込めておりました。なぜなら、
(この後に待ち受けているであろう切ない展開を前に、深まる絆……もうこれ、絶対心が揺れるやつだろ……!)
見ず知らずだったふたりはいつしか、家族となっていきます。
家族愛。思えば修にはいささか、縁遠い言葉です。そうと意識せずとも、心の中には憧れもあったりするのでしょう。だからこそ修の涙腺は緩み、目から雫がこぼれないよう留めておくのには、ひどく苦労することとなりました。
(あおいは……?)
ちらと覗けば……退屈しているらしいブルーとすやすや寝息を立てるミルクをいっしょくたに抱いた彼女の横顔は、恥も外聞も無く濡れています。大粒の涙がつつつと頬を伝って、彼女の膝へ落ちました。
折しも画面は、最後の銃撃戦へと突入しています。新しい家族を銃声が引き裂き、絶望に包まれながらネオンは己の心を吐露します。さざ波さえ立たなかった自分の感情を、これほどまでに心地良く揺らしてくれた少女への感謝と、その前途への希望を。そのために成すべきことを成す、その覚悟を。
(クールに……我慢だ。女の子の前で泣くのは、ダメ、ゼッタイ……!)
決死の戦いとその結末を、修はにじんだ視界で見守りました。
「ティッシュがあって良かったねえ……」
鼻をずびずびやりながら、エンドロールを見終わったところであおいが言いました。泣き濡れて、正直ちょっと外では見せられないお顔かもしれませんけれど、修にとってはこれもまた好きな女の子の愛おしい一面です。
「そうだな……」
「う~、ダメ。思い出しても泣けてきちゃう……修君は泣かなかった?」
「俺はなんとか、な。うん」
「あー、うそ。ちょっと目が赤いよー?」
彼女が目尻をたたんだティッシュで擦ると、悪戯っぽい笑みが現れます。ずずいと顔を寄せて修を覗き込む彼女は、鼻を鳴らしながらもすっきりと澄んだ瞳で微笑みます。
苦笑いしながらふと、思います。
(無理に耐えることも無かったかもな。男として取り繕うより、彼女と涙を共有するのも悪くないかも……)
「ふう、楽しかった! 良い映画だったね」
また来ようね、とミルクとブルーを撫でるあおいの穏やかな横顔を、修はなんとも良い気分で見つめました。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
コメディ
定員
10人
参加キャラクター数
9人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2020年10月14日
参加申し込みの期限
2020年10月21日 11時00分
アクション投稿の期限
2020年10月21日 11時00分
参加キャラクター一覧
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