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シネマカフェ『クランク・イン』 第五幕
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【映画の力】
「えーっ、中止?」
がっくり。
篠原 翠響
は肩をすとんと落とします。
弾ける若さで観客も審査員も魅了する新体操娘。もちろん練習にも真剣な翠響の休日は、トレーニングから始まります。今朝もまたいつものように寝子島スポーツセンターへ出かけて、ひと汗かいてスッキリしてからお休みの一日を堪能しよう……と思っていたところへ、コーチからの無情な連絡が届いたというわけでして。なんでも施設の機器トラブルとかなんとかで、今日は終日利用不能につき自主トレを各自頑張るべし、とのお達しでありました。
「調子狂っちゃうなあ」
こんな時は、いつもなら寝子ヶ浜海浜公園あたりへでも出かけて、ランニングなり筋トレなりを自主的にこなすのですけれど。
どうにも今日は、出鼻をくじかれてしまったというか。気勢を削がれてしまったというか。
今年度の翠響はことに練習へ打ち込み、昨年の秋には見事、全日本ジュニア選手権で優勝という快挙を成し遂げました。
素晴らしい成績であったがゆえに、その反動でいささか力が抜けてしまったのかもしれません。ともかくなんだか、今日ばっかりはイマイチ気乗りしない翠響でした。
「んーふ。んーん~」
鼻歌にもならないアンニュイを漏らしつつ、翠響はシーサイドタウンを歩きます。無心でスポーツに打ち込めるほどのモチベーションはなく、さりとてじっとしているのももどかしく思えたもので。
「おあっ、そこいくおねーさん! 映画見ていかれませんか? 間もなく、『ゴー・プレイニャー1』が上映開始ですわよー」
「うん?」
とりとめなく思考を巡らせながら街並みをぼんやり眺めていると、ぺかっと明るい女の子に声をかけられました。
どうやら、喫茶店です。看板にはシネマカフェ『クランク・イン』とあります。女の子はどうやらアルバイト店員のようで、名札には嬉野 エマ、とありました。
「ふむ。映画喫茶」
「はいっ、映画! いかがですか?」
ちょっぴり強引な女の子のあけっぴろげな笑みも好もしく思いつつ。上映作品は確か、同じクラブの子が鑑賞して感銘を覚えたらしく、しきりに推された映画でした。
「ん~。まあ、時間つぶしにはなるかな……?」
浮いた休日の過ごし方としては、なかなか上等かもしれません。
なんらかの創作をたしなむなら、誰しも思うところでしょう。良い作品を生み出すためには、刺激的な情報のインプットが必要であると。それも可能な限り多種多様な……時として自分の志すジャンルとは異なる媒体の作品こそが、燦然と輝かしいインスピレーションを導いてくれることだってあるのです。
例えば、音楽。道行けば街灯の大型モニターから、CDショップの少し開いた扉の内から、多様な音楽が聞こえてきます。
例えば、食べ物。冬から春に変わりつつあるこの季節だからこそ、味わえる美味がたくさんあるでしょう。
例えば……そう、映画も! シナリオや俳優の演技、カメラアングル、色彩、音楽や特殊効果も、あらゆる要素がクリエーターに多大なる影響を与えてくれることでしょう。
志波 甲斐斗
に今必要なものこそ、きっと映画からのちょっとしたフィードバックであるかもしれません。
「なるほど、映画喫茶ですか」
ふむ、と看板につられて店先を見れば、ちょうど中学生くらいの女の子が入店するところです。
と、アルバイトらしき店員さんがくるりとこちらを向いて、
「おにーさんもいかがですか? 美味しいコーヒーに軽食をいただきながらの映画鑑賞!」
「おや、僕ですか」
にっこり顔で声をかけられてしまいました。なんともこう、小動物的とでも言いましょうか、これが愛嬌ある笑顔でして。なんだか断りにくくもあり、店先のボードに書きつけられている上映ラインナップが気になったのもあり。
それに……ぐぅ~。
「そうですね。小腹も空きましたし、お邪魔するとしましょうか」
「わー、一名さまご案内~! それではこちらへどうぞ!」
腹が減っては戦はできぬ。創作活動もまた然り! というわけでして。
イースターエッグ。それこそが『ゴー・プレイニャー1』の根幹を作り、ストーリーにおいても重要な役割を果たす最大の核です。
「もとはキリスト教の復活祭にちなむ。のだったよね」
グラスをきゅきゅっと拭いながら、カウンター席の甲斐斗へ声をかけたのは嬉野 七海。彼の淹れてくれたコーヒーの味はなかなかで、いっしょに注文したサンドイッチには特筆すべきところはないものの、ゆるい映画のおともとしては上等です。
「ゲームや……創作作品に隠された、製作者のメッセージのことでしたか」
「そう、イースターエッグ。舞台となるVR世界『ユートピア』の開発者が隠したイースターエッグを探す、というのがこの映画のストーリーだ。加えて登場するメジャー・マイナー問わず無数のキャラクターやアイテムたちそのものがイースターエッグとも言えるね」
ふむふむ。と耳を傾ける甲斐斗は実のところ、この映画を鑑賞するのは二度目だったりします。
なにしろがっつり登場する有名どころから見切れるのみのマニアックなキャラクターまで、両手で数え切れないほどのイースターエッグが全編に渡って仕込まれているもので、一度見ただけでは物足りないと思っていたところだったのです。『クランク・イン』を見つけたのは絶好のタイミングでした。
「僕はゲームなどには疎いんですが、それでも分かるものがあったり……懐かしい映画のネタもあって、楽しめますね」
「マニアックに見えて、意外と間口は広い映画だね」
うむうむっとうなずきながら、七海はパンケーキの皿を甲斐斗の前へことり。バターのとろける香ばしくやわらかい香りに、思わず頬が緩みました。
少し離れた窓際の席では、翠響が卓に並んだアイスティーとキャラメルポップコーンをゆったりいただきながら、スクリーンを眺めています。紅茶はガムシロップ抜き、アスリートたるものどんな時にも体重管理には気を配らなければならないのです……でもまあ、たまにはポップコーンくらい良いですよね?
(いきなりすごいアクションの連続ね。それに映像もすごい……)
クラブの子が話していた以上の、スピード感あふれるレースに銃撃戦。CG全盛のこの時代を象徴するような、圧倒的な映像美。ゴキゲンなサウンド。脳を揺さぶるかのようなビジュアルの奔流に、ともすれば翠響は飲みこまれてしまいそう。
向こうの寝子高生たちが「あ、キャットマンだ!」「スーパーニャンもいるよ」と喜ぶたび、親子連れの男の子が「きょうりゅうだー! ネコチックパークだ!」と叫ぶたび、そんな知識を逐一共有できてしまうのがなんだか楽しくなってしまいます。これもまたシネマカフェならではのゆるい映画の楽しみ方のひとつかもしれません。
(うーん、圧巻。でも謎解きパートはちょっとだけ、雑かなぁ?)
隠されたイースターエッグの行方を追って、主人公たちは『ユートピア』を東西奔走します。アクションシーンのかたわら、開発者の仕掛ける謎を解いてゆくシーンも見どころです。古典映画にヒントを得て迷宮を突破したり、レトロゲームのタイトルにちなんだパスワードを入力したり……そんなシーンはファン垂涎だったりもするのですけれど、リアリストな翠響には細かな粗がちょっぴり気になったりもしたりして。
(まあそれも含めて、映画を楽しんでるってことかも……?)
なんだかんだと次の展開にわくわく、スクリーンから目が離せない翠響でした。
エンドロールが流れると映画も終わり、カーテンを開いた店内には外の明かりが飛び込んできます。
「お疲れさまでした! お楽しみいただけました?」
翠響が振り返ると、先ほどの金髪碧眼なアルバイト店員、エマがぴっかりこんと微笑んでおります。
練習が無くなってちょっとだけがっくりな今日でしたけれど……こうしてシネマカフェにて映画と、普段はあまり口にしないキャラメルポップコーンも楽しんで、気づけば気分はけっこう晴れやかです。
「うん、おかげさまで。機会があれば、また寄らせてもらうわね」
「はいーぜひぜひ! お待ちしてますわー!」
お店を出た翠響は足取り軽く、シーサイドタウンの街並みへ弾むように歩いていきました。きっと次の練習では、彼女の華やかでキレの良い演技を見ることができるでしょう。
一方甲斐斗も映画を堪能し、パンケーキもぺろりと平らげて、創作への活力がみなぎっている自分に気づきました。
「いやあ……名作は何度見てもいいものです。それに、ほかのお客さんの感想を聞きながらというのも、このお店ならではで面白いですね」
「気に入ってもらえたようで良かった。またのお越しを」
「ええ、ぜひ」
インスピレーションをびしばし受けて、モチベーションもばっちり! 陶芸家たる彼の感性とは一見かけ離れた映画に思えて、これが案外、刺激というのはあらゆるところから受けることができるもの。娯楽の極みのようなSF映画なら、言わずもがなでありましょう。
甲斐斗もまた、内に溜めこんだこの熱が冷めないうちにと、足早に立ち去っていきました。はてさて、一体どんな作品が出来上がるでしょうか?
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
コメディ
定員
10人
参加キャラクター数
9人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2020年10月14日
参加申し込みの期限
2020年10月21日 11時00分
アクション投稿の期限
2020年10月21日 11時00分
参加キャラクター一覧
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