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『ワン』ダフルで『ニャン』ダフル?
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昼過ぎともなれば、海浜公園には獣の耳を生やした人は少なくなり、とってかわって動物そのものが溢れかえる風景が広がりつつあった。あちらこちらで種々様々な鳴き声が飛び交っている。そろって獣の耳を立て、大小さまざまな体躯を活かし、人の姿では叶わなかった体験を楽しんでいる。公園の隅でそっと昼寝をしているものもいれば、通行人と人の言葉で会話をしたり、動物同士で仲睦まじくじゃれあうものもいた。
「♪~、♪~♪~」
そして、朝から時間の経過した今では少し珍しくなってしまった、獣の耳と尻尾で留まっている存在……
夢宮 瑠奈
が、公園の片隅でマイクを握り、歌の練習をしていた。練習とはいえそれは本格的である。公園を通り過ぎる筈だった通行人が思わず向き直り、瑠奈の元に集まってしまうほどの歌唱力を持ち、併せて公園中まで広がるような透き通った魅力的な声だった。
(ちょっと……はずかしいけど、まぁ、大丈夫かなぁ)
リズムを取ってツーピースの服の裾を揺らし、微笑みを振りまいて高らかに声を張る。朝起きた時はどうなることかと肝を冷やしたが、瑠奈の周りに集まった者の目には嘲笑するような気配は感じられなかった。
瑠奈は歌い続けながらも、そっと胸をなでおろす。おろした髪の隙間から生えた羊の耳は、緑のリボンを巻いて隠しておく。人の群集を前にしてはとんだ邪魔者である一方、羊の聴力はすさまじいらしく、いつもより声がのびやかに響いた気がした。
(朝、起きた時は……耳だけだったのにな)
耳だけなら隠しようがあった。しかし、今は羊の角まで生えてしまっている。愛らしく丸まった角。一種のアクセサリーだと思って我慢はしてきたが、よく言えば野性的、悪く言えばリアルすぎて不気味である。これが本物だといえるはずもなく、かといってこれを自前のファッションだと思われるのは違う意味で恥じらいを覚えたが、これをけなすような言葉は聞こえてこなくて、全て歓声に変わってくれた。
何より、自分を取り囲む者の中にも獣の耳や角をつけたものがいた。少なくともこの状況では、思っていたより珍妙な事ではないようだ。
(でも、この現象も、あたしは悪いものじゃないって思うの)
他の動物に変身してしまった皆がどう思っているかはわからないが、少なくとも瑠奈は、歌いながらそう思った。こんな事もあっちゃいけない事? 望まないことは潰しちゃえって?
いいや、そんなことはないだろう。何がどう狂って、神魂が自分たちに影響を及ぼしたのかはわからないが、だからといってこの現象に憤りを覚え、憤慨している者はおそらくこの寝子島には少ない。少しの混乱はあるだろうが、各々で詮無きことと受け止める筈だ。少なくとも自分は、らっかみであり、この神魂を振りまいた野々ののこを責めるなどは出来ない。
だからこそ、このような体になっても、こうして衆目の前に立ち、自慢の歌を歌うことが出来る。
「えへへ。皆さん、聞いていただきありがとうございます」
一曲が終わり、瑠奈がそっと息を整える。すると、間髪置かずに周囲から轟いてきたアンコールの拍手に、瑠奈は恐縮して頭を下げた。
「うーん、上手だねぇ~」
「う、うん……」
瑠奈の歌う公園の片隅の反対側。大きな木の木陰にて、柴犬の拓郎に寄り添うようにして子兎の彩葉が、そんな子兎の彩葉の枕代わりになっている柴犬の拓郎が、風通りの良い木陰を共有して横になっていた。柔らかな木漏れ日が差し込んできて、遠くから流れてくる瑠奈の歌声もあり、油断してしまえば今にも寝てしまいそうだった。
何もせず、ただこうやって一日を過ごすのも悪くないものだ。人間の姿をしていれば、片さねばならない用事など家にも学校にもありふれているが、動物にそんなものはない。ただこうして、ふわふわで温かい毛並み同士で寄り添いあい、木漏れ日を浴びているだけの状態がこんなに心地の良いものとは、新たな発見であった。
二頭でのんびりとまどろんでいた時、ふと、真新しい木の葉が数枚か、ひらひらと落ちてくる。
その一枚が彩葉の眉間に舞い降りて、彩葉がとろけたような笑みで上を見上げた、その時。
「ニャッ!!」
「!」
何をするでもなく、二人は心地の良い時間を過ごしていると、ふと、拓郎の背中に何かが落下してきた。
短い猫の悲鳴。それから柴犬の背で一度跳ね上がり、そしてその足元へところころ転がって行く。突然のことに慌てて首を上げた拓郎は、咄嗟に猫の鳴き声のした方へと向いた。
「いたたっ、落ちちゃったわ……」
「……ネコ……」
拓郎が思いのままに呟く。といっても口を聞いたのだからただのネコである筈がない。木の上から拓郎へと落下し、立ち直った
岡野 丸美
が照れくさそうに頭をかいていた。
「ご、ごめん? 痛くなかった?」
「う、うん……」
「あり? なんでまた木の上から?」
申し訳なさそうに喉を鳴らす丸美に、彩葉が不思議そうに首を傾げた。
「うーん何で?、何だか高いとこに上りたくなっちゃうのよねー、この体」
「あぁ~あなたも同じかぁ。朝起きたら動物化しちゃってたよ~っ!?、ってことでしょ?」
「そうなの……って、うわぁモフモフだらけ! ねぇ触りたい、触らせて!」
二人の返事を待つなんて悠長なことはせず、丸美がすかさず、手始めに子兎である彩葉へと前足を伸ばした。肉球で撫でまわされ彩葉は「くすぐったい」と笑いながら、手繰られる毛糸玉のようにその場を転げまわっていた。
「朝起きたらこんなネコ耳なんて生えてきちゃって……。でも、こんなモフモフの中にいられるなら、ずっとこんな姿でもいいかも~」
子兎の感触を堪能すると、今度は柴犬にも手を伸ばした。胸に頬を擦り付け、兎とはまた違ったふさふさの毛を堪能する。猫がすり寄ってきているだけと考えれば気に病むこともないだろうが、それでも拓郎は堪えに堪えた緊張の末に、一度だけクゥーンと鳴いた。
「ホント……吃驚だよな」
漏れ出した嘆息が聞こえてきて、ふと丸美は振り返った。丸美より幾分か野性的な猫の瞳がこちらを向いているのに気が付く。
ヒョウ柄の毛とアーモンド形の瞳をした猫……
篠崎 響也
が、呆れた様子でそっと声をかけた。
「朝、耳が生えたと思ったら、あっという間に猫になったし」
「ホントびっくりしたよね~、こんな姿じゃ踏みつぶされちゃうって感じ」
「そ、そうなんだ……みんな、大変なん……だね」
歩み寄ってくる響也の言葉に、彩葉と拓郎がそれはそうだと頷いた。
「おまけにネコは……!」「つっかまえたっ!!」
だが、言葉の最中、猫の顎で紡がれる言葉が、猫の前足によりさえぎられた。
丸美の肉球が響也の顎の下を丁寧に撫でる。その感触はお互いに得も言えぬ心地よさがあったが、恍惚に浸っている丸美とは違い、あたかも本物の猫であるかの如くされるがままになっている自分を思うと、響也は自分を叱咤し、激しく首を横に振った。
「あ~やっぱネコの感触も捨てがたいなぁ、あたし自身がそうだけど~」
「って、おい! やめろ!」
言ったとて、丸美は手を止めない。だが一方で、愛らしい猫に頬を摺り寄せられたりするのに悪い気はしておらず、響也は猫の本能らしき何かに自我を支配されているような気がして、それに必死に抵抗した。
だが、身体はその葛藤に反して、ごろごろと喉を鳴らす。猫が心地よい時にする仕草だ、それを思うと背に怖気が奔る。神魂の影響に自我が乗っ取られているような感覚、そしてそんな姿を誰かに見られていると思えば、もう恥ずかしすぎて穴にでも潜りたくなった。
「ぐっ!」
「あっ! 待って!」
このまま身を委ねれば、大事な何かを失う気がした。だから逃げた。しかし丸美が後を追ってくる。
もっとこのモフモフした感触を味わいたい。決め込んだ丸美の足は無遠慮に機敏だった。
「お願い待って! もっと触らせてよっ!」
逃げ惑いつつ、迂闊にも気持ち良さなど感じてしまった自分を徹底的に否定し、公園を必死に駆け抜けるが、何故触らせてくれないのかと言わんばかりの顔で丸美が後を追ってくる。追いついてくる気配はないが、されど振り払える余裕もない。完全ないたちごっこだった。
暫くそれを続けた後、響也は機転を利かせて目の前の木を登った。枝に爪を引っ掻け、猫の跳躍力を活かして登り切り、一番高い枝から地面にいる丸美を見下ろす。
「はぁ、はぁ……。俺は昼寝する! だからもう触るのとかはダメだ」
「え……? でも、そんな高いところに登って、大丈夫なの?」
息を整え、しかし安堵と勝ち誇った笑みで響也が言うと、丸美は不安そうに尋ねた。猫の身体とはいえ、この木は登るには高すぎる。だから自分は追おうとしなかったのだ。
「…………あ」
図らずも、短い声が漏れた。木の根元で心配そうな顔をしている丸美との高低差を今になって自覚し、響也はそれ以上何も言えなくなってしまった。
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担当ゲームマスター
tsuyosi
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
SF・ファンタジー
動物・自然
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2013年09月20日
参加申し込みの期限
2013年09月27日 11時00分
アクション投稿の期限
2013年09月27日 11時00分
参加キャラクター一覧
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