this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
『ワン』ダフルで『ニャン』ダフル?
<< もどる
1
…
6
7
8
9
10
つぎへ >>
「もう、お昼過ぎだねぇ」
正午を過ぎ、各々のペースで神魂の影響……動物化が進む中、頭に猫の耳を生やした
鴇波 羽衣
が、芝生の上に足をたたんで座り込んでいた。すぐそばには同じように腰を下ろした華菜子と澄佳がいる。周りの者たちが次々と完全な動物と化してゆく中、三人はまだかろうじて人の姿を保っており、澄佳たちの持ち寄ってきた洋菓子を食べながらのんびりと会話をしていた。
菓子を一かじりすると、香ばしいバターの風味と共にニンジンのほのかな甘味が口に広がる。空腹にうなだれていた羽衣の表情も自然とほころんだ。
「そうだ! せっかくだし、キャットフードとか食べてみたいかも~!」
「羽衣ちゃんたら、ネコになりきりすぎアルよ~」
「あはは、華菜子ちゃんも生のニンジン食べてるのにー」
頭に生えた猫の耳を動かす羽衣を見て、華菜子と澄佳が菓子を片手に楽しげに笑う。華菜子の背にもニンジンの詰まったビニールが置かれており、味覚の変化に関しては羽衣とさして変わらない様子だった。
菓子を食べながらも談笑する。女子同士の会話の折り、耳を傾ければ、すぐそばでボールの跳ねる音が聞こえてきた。すでに完全な動物と化してしまった動物たちがその駆動能力を試すように遊んでいるのだ。つい先ほどまで羽衣もその輪の中にいた。
「みんな元気だなぁ、あたしははしゃぎすぎてちょっと疲れちゃった」
欠伸交じりに伸びをしながら羽衣が言う。猫の耳が付いたからか、多少公園を走り回っても息が上がるということはなく、いつもなら届かないような場所や距離まで跳躍することもできたが、だからと言って体力は無限ではないらしい。身体能力に身をゆだねていればいつからか疲れを覚え、今はこうして華菜子たちと休息を取っていた。
「でも、不思議だよね~。いつまで続くのかな?」
「あたしたちはまだだけど、もうカンペキな動物になってる人もいるし。ちょっと不安だよね……」
くるりと巻いた羊の角を撫でて、澄佳が細い声で呟く。今までに寝子島で起こった事件と同様の単なる神魂の影響であるなら、いつかは解けるとみて間違いはないだろう。だが、そのいつかが分からない上、時間が進むにつれて寧ろ動物化は進行している。身近な場所に動物が溢れかえっていることなど早々ないので楽しげではあるが、その裏にある不安の要素はどうしても否めなかった。
現に、今の澄佳の体は、当初にはなかった白い羊毛で覆われつつある。綿のような毛を生やしていればどうしても身体に熱がこもってしまい、着ていた上着はとっくの前に脱いでしまっていた。
「え……? まさか、ずっとこのままなんてこと、ないアルよね……?」
咄嗟に兎の耳を抑え、華菜子が口を丸めて呟いた。
動物に変身するという未知の体験に心は躍るが、それが永久に続くとなると話は別だ。ずっとこのような不可解を身に抱えて生きていくなど冗談ではない。
「ま、まさか! 今までの神魂の事件だって、ちゃんと最後には元に戻ったもん! もう少ししたらきっと元に戻るよ!」
「だと、いいんだけど……」
羽衣の言葉に、しかし不安げに澄佳が呟く。自分でも確信を得ない言葉だと分かっているので、羽衣は瞳を横に転がしつつ、指をもじつかせていた。
「しっかし、兎の足は速いっちゃ」
公園の周りを周回するように、完全に兎となってしまった海斗がひたすらに走り回る。あれから昼寝をして、まどろみの中で目が覚めたらすっかりこのような姿に変わっていた。だが、海斗はいつもの調子を崩さないままで派手に驚くことはせず、今度は兎の四肢を使って快活にジョギングを続けていた。
いつもとは違う目線は新鮮さを生み、当たり前のジョギングも全く真新しいものとなる。気ままに野を駆け回る兎はいつもこんな気分でいるのだろうか。唐突にして変身してしまったとはいえ、決して悪い感覚ではなかった。
「ふぅ、ちょっと休もう……」
何十周も公園を走り切り、流石に少し息を荒らして、海斗は芝生の上に寝転がる。
「ふぅ……、ん?」
青々とした芝生に毛皮をこすりつけるのは気持ちがよく、普段では決して味わえない感触を堪能していると、近くから草を踏む音が聞こえてきて、海斗はそっと長い耳をそばだてた。
足音は勢い良くこちらに迫ってくる。誰だろうかと疑問符を浮かべながら、海斗はのそりと起き上がった。
ガサッ!
「捕まえたっ!!」
「ふえっ?」
ぶつかってきた何かの衝撃に、それともみ合いになりながらも海斗は芝生の上を転がり、逆さまになって短い呻きを漏らす。
一体何事かと思い、海斗は少し目を回しながらも、自身の押し倒してきた相手をそっと見上げた。
ボールでも転がってきたのかと思ったが、目に映ったのは、自分と同じ兎であった。
「へっ……、捕まえた……」
「……?」
きょとんとしている海斗を前足で押さえつけ、兎の姿をした
行梨 謡
が低い声で呟く。謡の可愛い耳とは裏腹の不良然とした物言いに、伸し掛かられた海斗はごくりと唾を呑んだ。
「な……」
何事かと海斗が尋ねようとする、しかし、それより先に謡が口を開いた。
「頼む! 触らせてくれっ!」
「……え?」
続いた謡の言葉は、どういうわけか、海斗が警戒したような野蛮なものではなかった。寧ろ頼み込むように兎の前足をすりあわせ、そんなことを頼んでくる。
「いや、他の奴らはなかなか触らせてもらえなくてさ。悪いけど、遠くからずっと兎になった鈴野の事狙ってた」
「……別にかまわんけど、そんなに兎が好きか?」
伝わってくる執念を前にして断りの文句などとても言い出せず、海斗は戸惑いを覚えつつも首を縦に振った。
すれば、待ってましたと言わんばかりに、謡が頬を摺り寄せてくる。そのまま海斗の体に遠慮なく自身をこすり付け、兎の毛並を思いのままに堪能する。兎になれることなど、不可思議に溢れた寝子島でも滅多にある事ではなく、この機を逃さんとした謡の目つきは兎のそれとは思えないほどに鋭く、興奮と達成感に満ちていた。
あぁ、目と鼻の先に兎がいる。綿のようにモフモフして気持ちいい上に、触っても顔をうずめても逃げようとしない。どころか自分の姿も今は兎だ。周りの目を気にすることもなければ、遠慮を覚えることも必要ない。
「あ~やべぇ、ホンモノだー。気持ちい~……」
だから、このひと時を決して無駄にしてはならない。覚悟を据えた謡はますます海斗へと頬を摺り寄せ、兎の体毛を肌身で感じ取った。
「……くすぐったいっちゃ、もうおしまいだべ」
「いや、もう少し」
困ったように海斗は言うが、謡は目をあわせることもなくそれを蹴った。遠慮がちに食い下がるならともかく、断定するように真顔でそう返してきた謡に、海斗はあんぐりと口を開け、言葉を失ってしまった。
しばらくの沈黙の後、それでも抱き着いてくる謡にささやかな鬱陶しさを覚え、海斗はいよいよ目を細める。
「……じゃっ、オラいくべ」
「ぐへっ」
言って、海斗は後ろ脚を曲げると、そのまま突き出して謡からの脱出を試みた。伸し掛かられているのを無理やりに這い出ようとしたため、謡を蹴りとばす形になってしまう。突然にして腹を突き飛ばされ、ころころと転がって行った謡から短い呻き声が漏れる。
少し、やりすぎたか……? 力の加減はしたものの、大丈夫だろうかと海斗は気まずそうに首だけで振り返った。
それが、致命的な油断となる。間髪置かず、また兎の突進が目に飛び込んできたのだ。
「コラ待てっ、逃がすかっ!」
「うわっ! わっ!」
一度蹴飛ばされたくらいで諦めきれるわけはなかった。声を荒げて追いかけてくる謡を目の当たりに、海斗は速攻で回れ右、謡から逃れるべくそのまま突き走る。
脱兎を追う兎。二頭の兎による追いかけっこは、暫くの間続いた。
<< もどる
1
…
6
7
8
9
10
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
『ワン』ダフルで『ニャン』ダフル?
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
tsuyosi
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
SF・ファンタジー
動物・自然
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2013年09月20日
参加申し込みの期限
2013年09月27日 11時00分
アクション投稿の期限
2013年09月27日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!