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『ワン』ダフルで『ニャン』ダフル?
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「ふっ、ふっ……」
海浜公園の周辺の歩道を、深々と帽子をかぶった
鈴野 海斗
が姿勢よく走る。茶の前髪が揺れ、一定のリズムで乱れることなく刻まれる呼吸。海斗にとって身体を動かすのは不得手ではないが、いつもよりは心が落ち着かず、ジョギングにもいまいち集中できなかった。
(頭にこんな耳付いてるから、集中できないっちゃ……)
悩みの種は、我が身に一体何が起こったのか、頭に生えてきた兎の耳であった。帽子で隠してはいるが、それで無くなってくれたわけではなく、血が通っているらしき感覚もあるので帽子の中では少しむず痒く、どうにも気になって仕方がなかった。
「あ~だめだ……、それに、さっきから眠くって……やってられんちゃ」
それに足して、先程から心当たりのない激しい睡魔に見舞われて、足取りも重たい。走れば走るほど間の長い欠伸が増えて行った。天気が良いせいだろうか。だからといってこれほどに体が昼寝を求めてしまうなど、これではまるで本物の動物のようだ。
純朴そうな見目には似合わない持ち前の忍耐力でジョギングはしばらく続けたのだが、ついに走っていられなくなり、海斗は公園前のベンチにふらふらと歩み寄り、倒れかかるように腰を下ろした。背もたれに体を預け、そっと息を整える。途端に、尋常でない眠気が目蓋に重くのしかかってきたが、海斗は首を振ってそれを振り払おうと尽力した。
「うぅ、いかん、いかん……」
ただでさえ、普段から眠そうに垂れた目をしている海斗である。何かの衝撃でもなければ目を見開くのに慣れてはいない。じとりと夢心地にうつつをぬかしている表情で帽子を脱ぎ、髪をかいてほぐすと、首を何度も傾けながらも必死に睡魔と格闘した。
「……あっ! 私とおんなじ症状のヒト発見っ!」
「……?」
そんな時、快活な声が耳に飛び込んできた。海斗が気怠そうな細い眼でふと振り向くと、そこには海斗と同じように帽子を深くかぶった女性。目は長い前髪で隠れ、耳元からはこれまた海斗と同じく、兎の耳が少しはみ出ていた。
「あーよかった……私の他にもいたんだ~」
ほっと安堵して、
高梨 彩葉
はほっと胸をなでおろした。公園には自分と同じように動物化してしまった人たちが自然に集まると踏んでいたのだが、やはり正解であったらしい。
「兎の耳……オラだけじゃなかったべか……」
ぼやけた目で彩葉の顔を見たが、それについて何かを述べるような気力までは残っていなかった。意識のはっきりしている彩葉とは逆に、海斗は指で目をくすり、大きな欠伸を繰り返す。だが、自分の他に獣の耳を生やした者がいたのには少しばかり驚かされた。
「ふわぁ。……兎って、夜行性だったっけ……?」
「あ、あら? だ、大丈夫?」
「ちょっと、いや、ものすごく眠くって……」
俯く海斗の顔を、彩葉が心配そうに覗き込む。長い耳をややへ垂らせ、強烈な眠気に目蓋を細めている様は、あたかも本物の兎のようであった。
「うぅ、ダメだべ、ちょっと……そこの木陰で、横になるっちゃ……」
「あらら……気を付けてね」
もう我慢の限界であったらしく、せめて日陰にいようと、海斗はふらついた足取りで公園へと向かうべく立ち上がった。あまりの寝ぼけ眼を前にして止めることは出来ず、彩葉は困ったように自身の頬を撫でながらもそれを見送ることにした。
「よっし、じゃ私も公園へ……。
って、あれ?」
海斗の背が公園への段差を千鳥足で登っていくのを見て、彩葉もまた、当初の目的であった公園へと向かおうとした時だった。ふと、自身の兎の耳が妙に疼くのを感じて、彩葉は立ち止まってしまった。
心当たりといえば……彩葉は目を上げて帽子越しに兎の耳を撫でるが、それ以上の違和感は見つけられない。気のせいか、体も火照っているような感じがする。こんな時に風邪でもこじらせたのだろうか。
だが、目まいや立ちくらみの類は何もなく、咳やのどの痛みも全くない。ただ、身体が少し熱っぽいだけなのだ。気にするまでもないと思えばそれまでなのだが……。
(うーん、まぁでも、ここまできて帰ってもアホらしいしー)
「ん……ん?」
公園の前で腕を組んで呻いていると、ふと、こちらに歩み寄ってきた人影に気が付いた。
ふとして彩葉が振り返ると、彩葉は肩をびくつかせた。別に後ろめたさがあるわけではない。ただ、そこには随分と見慣れた、だが向き合うには少し気まずい顔があった。
「し……しばっち!」
「あ、彩葉……さん……」
公園を訪れようとやってきた、パーカーのフードを深くかぶった
志波 拓郎
が、公園に入るまでもないこの場所での予期せぬ偶然に少したじろいでしまった。
帽子をかぶっていても見間違えなどしない。彩葉を前に息を呑み、拓郎は肩を震わせてフードが少しずれる。その隙間には、柴犬の耳がちらりと垣間見えていた。
そして、彩葉も自分と同様に獣の耳を生やしていた。自分と同じ犬ではなく兎であり、帽子からはみ出たそれが耳元で揺れている。
(……ウサミミ!? か、可愛い……)
そんな桃色の考えが口からこぼれようとして、拓郎は慌てて自身の口を塞ぐ。そんな拓郎の動揺に気づかぬまま、彩葉は驚きで口を丸めていた。
「その耳、やっぱりしばっちも……って、キャッ!」
「あ、わ……彩葉さんっ!」
暫しの間、その珍しくも愛らしい彩葉の容姿を赤らんだ頬で見つめていると、それを知らない彩葉がこちらへ駆け寄ろうとした。そして何かにつまずいたのか、短い悲鳴と共に前のめりになってバランスを崩す。
こけそうになった彩葉を前に、慌てて拓郎は咄嗟に手を伸ばしたが、どういうわけか、それは彩葉まで届かずに、そっと地面についた。
自身の目線がえらく低くなってしまったのに気が付いた時、大丈夫かと声をかけようとしても、目の前に彩葉の姿はなかった。
「……へ?」
だが、彩葉の短い声が確かに聞こえた。
「きゃ、きゃあっ! しっ、しばっちが柴犬になったーっ!!?」
「……えっ!?」
焦燥する彩葉の声とは逆に、あくまで冷静に拓郎は目を配って彩葉の姿を探す。声はするのに姿が見えない。自身の目線が唐突に低くなってしまったことも相まって、拓郎は自身に起きた異変はともかく、一目散に彩葉の姿を探そうと努めた。キョロキョロと首を振って辺りを見渡し、いつもとは違う目線に不可解さを覚えながらもその影を探す。
「こっち! こっちだよっ!!」
「え……。えっ!?」
声の方へと目をやれば、自分の足元でぴょんぴょんと跳ねる小さな兎を見つける。そして自分の手が……何故だろう、毛の生えた前足に肉球……犬のそれになっていることに気が付いた。
何より驚かされたのが、その子兎が彩葉の声で喋ったことだった。
「あ、彩葉さん……なの?」
「ど、ど、どうしよっ! 私たち動物になっちゃったの!? 一体どういうことなの~!!?」
「お、落ち着いて……」
すっかり動転した様子の小さな兎が自分の足元を目一杯に転がり、跳ねまわる様はやはり愛らしく、普段の彩葉の調子を思わせた。それをなだめつつ、ふと拓郎は先程の彩葉の言動を思い出した。ガードレールのそばに立っていたミラーに、恐る恐る自身の姿を映してみる。
鏡を疑ってかかる要素もなく、そこに映っていたのは、少し目の垂れて大人しい雰囲気を放つ、尻尾の丸まった柴犬であった。先程まで生えていた耳や尻尾はそのままに、ついに全身まで獣と化してしまったということか。
クゥーン……。むせび泣くように拓郎は喉を鳴らすと、その場に座り込むように地面に張りついた。それを見て、子兎と化した彩葉がやっと跳ねまわるのをやめる。
「と、とにかく……歩道は危ないし……公園まで行こう?」
柴犬はともかく、小さな体躯の彩葉では通行人に気付かれぬまま踏まれてしまうだろう。拓郎が首を垂れて言うと、彩葉はやっとその意味を理解した。
「え? あ、頭の上に乗っちゃってもいいの? 私を乗せて重くない?」
「ううん……、これくらい、大丈夫……」
小さな瞳を見開いた彩葉が遠慮がちに尋ねるが、拓郎は首を振り、もう一度喉を鳴らした。
彩葉は少し手をこまねいた後、地面に張り付いたままでじっとしている柴犬の目を見つめ、意を決したようにその頭の上へと飛び込んだ。
跳躍し、ふわりとした感触が頭の上に乗りかかる。それでも犬の首の負担になるような重量は殆どなく、綿の詰まったぬいぐるみ程度のものだった。
「……じゃあ、行くね……」
「う、うん……。ありがとうね、しばっち!」
彩葉に衝撃を与えぬようそっと立ち上がり、拓郎は歩き出した。丸くなって拓郎の獣の耳に捕まっている彩葉を思うと、こんな姿もまんざらでもないと、拓郎は心の中ではにかんでおいた。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
tsuyosi
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
SF・ファンタジー
動物・自然
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2013年09月20日
参加申し込みの期限
2013年09月27日 11時00分
アクション投稿の期限
2013年09月27日 11時00分
参加キャラクター一覧
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