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『ワン』ダフルで『ニャン』ダフル?
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図書館
館内は本の貸借、または勉強は読書のために訪れる人々であふれていたが、図書館独特の互いが互いに遠慮し合うような空気が流れ、大声や携帯の着信音などは言語道断、いたって静かであった。
(一体、なんなんだ……?)
その図書館の奥にある机にて、本棚から持ち出してきた寝子島の歴史書に目を落としながら、
御剣 刀
が心の底で人知れず独白した。
不可解さは自身の体に生じたものだ。ここにきて歴史書を読んでいるのは友人との約束あってのことだが、この現象の原因をひも解くためにやっていることでもある。今朝は神社で友人と剣の稽古をして、その後は友人と共に図書館で調べ物をするはずだった。その予定に狂いはないが、しかし刀は暗鬱な吐息を漏らす。
「ライオン……の耳だよな……これ」
帽子の上から頭を撫で、それでも感じる突起物の感触を再認識する。結果、刀は気の遠くなるような思いで額を押さえた。
まさか、予定のびっしりと詰まったこんな休日に限って、このような異変が我が身に降りかかるとは思いもよらなかった。だが友人との剣の稽古の最中、悲しくも異変は起こった。ふとした拍子に、まるでひょこりと芽でも出たかのように、ライオンの耳、そして尻尾が刀の身に現れ出たのだ。それに気付いて動揺しないはずがなく、すぐにこれは神魂の影響だと悟った。寝子島にいる以上神魂の不可思議な現象に不慣れな者は少ないが、それでも驚かないわけではないし、何より獣の耳をつけた自身の姿を衆目に晒すなど、他に類を見ない屈辱であり、恥ずかしすぎてとても我慢ならなかった。
愛らしい女子ならまだいい、だが……。刀は結局、ジャケットを羽織り、ジーンズを履き、帽子を深く被ってそれらを全て覆い隠してしまった。そしてそこにいることが誰にも悟られぬように、気配を殺して静かに図書館の奥に座っている。
トン、トン。
「?」
『おまたせ』
そうした苦悩から、気を紛らわすように本を読みつつ、しかし本棚の間を行き交う人々の視線に息を呑んでいれば、ふと、背後から肩を叩かれた。
振り返ると、見慣れた顔がそこにいて、思わず刀はほっと安堵する。共に調べ物をしようと図書館で待ち合わせをしていた友人、筆談の為のスケッチブックを開いている
小山内 海
がそこにいる。
細い指でスケッチブックを握っていた海はそれを刀に見せつけると、机の上に置き、笑みを浮かべて刀の隣の椅子に腰を下ろした。
椅子を引き、座る。そして茶色い髪と同時に、海の頭から垂れているそれが、ぶらりと揺れた。
「あっ……!」
目をやって、やっと刀はその存在に気が付いた。最初は愛らしい髪飾りの類かと思ったが、よく見るとまるで違っている。
自分と種類は違うようだが、刀と同様、海の頭に生えているのは間違いなく、垂れた兎の耳であった。
「小山内も……、その……生えてるのか」
聞いてしまってもいいものだろうか? 刀が手で頭を示して気まずそうに尋ねると、海は少し驚いたように口を丸くして、スケッチブックにペンを走らせた。
『かたなくんも?』
海が不思議そうにして首を傾げるのに刀を頷くと、刀は被っていた帽子を脱いで見せつけた。収まっていた髪と共に、ライオンの小さな耳が姿を現す。
獣の耳だ。この不可解な事件の被害者が自分だけではなかったことを知るや海が表情を変え、またスケッチブックにペンを走らせ始める。
突如巻き起こった不可思議さには不安もあるだろう。周りの目だって気になるはずだ。刀は目を細めて海の心中を察したが、しかしスケッチブックに書かれた言葉は、刀の想像とは全く異なるものであった。
『さわってもいい?』
「え?」
その表情はまるで楽しんでいるようで……海が目を輝かせて、そう書かれたスケッチブックをかざす。自分の兎の耳に恥じらいも何もなく、寧ろそんな事を嬉々として言う海に刀は唖然と声を漏らしてしまった。いや、帽子を手に握っているあたり、少なくとも途中までは隠してはいたのだろう。兎の垂れ耳……似合っている……とは思うのだが……。
「……あぁ、いいよ」
恥はある。だが自分ばかりがいつまでも気にしていては仕方がないのかもしれない。どこか力の抜けた笑みで刀は頷くと、海が触りやすいように少し頭を下げた。
嬉々とした海がスケッチブックを置き、早速手を伸ばす。刀の頭に生えたライオンの耳をつまむ。絶妙な力加減の海の指にいじられて生じた得も言えぬ感覚を、刀はそっと海の興味深そうな顔を眺めながらこらえていた。
(少し、くすぐったいな……)
ライオンの剛毛では兎の毛の心地よさには叶わないだろうに、しかし海の指使いはその感触を味わうようなものだった。首を下げて大人しくされるがままになっているうち、ふと刀は、海の頭にも自分と同様にある獣の耳、垂れた兎のそれに着目した。
自分のものより柔そうな毛で覆われ、思いのほか肉厚だ。それが海の動作に合わせて揺れて、時折ピクリと動いている。
「……なぁ、俺も触っていいか?」
眺めているうち、その感触をどうしても確かめたくなってしまい、刀は低い声色で尋ねてみた。聞いた海は刀のライオンの耳から手を離し、少しの間の後にこくりと頷いた。
刀は手にしていた本を置き、身体ごと海を向いて息を呑む。心構えを整えた後、いざその兎の耳に手を伸ばした。毛に覆われたそれに触れると、想像通りの感触が指先から伝わってくる。暖かく、柔らかで、痛みを与えない程度に少し力を加えると、垂れた耳の先がぴくりと震えた。
『やっぱり、くすぐったいね』
「そ、そうだな……」
刀に耳を撫でられる中、海がペンを持ち、呟いたスケッチブックを見せる。そう答えつつも刀は手を止めない。兎の毛皮独特の感触の良さとは別に、何か内側から来る感情に逆らえず、止められなかったのだ。
感触の良さや愛らしさとは別の、何か、内なる衝動が胸の奥でのたうつような感情。海が愛らしいのもそうだが、何故だかそれ以上の気持ちを、兎の耳を触っていると感じてしまう。これは気のせいか? どこか我慢を強いられているような気分になる。刀はじっとこちらを見つめる海からそっと目をそむけ、顔を見られないようにして唾をごくりと飲み込んだ。
一片の曇りもなく満面の笑みを浮かべている海とは裏腹に、刀の指の中で兎の耳はか弱く震えている。まるで耳だけが何かに怯えているようで、ただの飾りでなくしっかりと血が通っているようだった。
誘うように揺れるその耳を見て、刀は口の中が妙に乾き、歯が疼くのを感じた。
その首筋に、思い切り歯を立てたら、きっと……。
「いやいやいや!」
これ以上の妄想は危険だ。刀は慌てて首を振り、颯爽と腰をひねって海に背を向けた。ささやかな欲のその先を無理やりにかき消し、冷静さを取り戻そうと自分の目を覆う。
つい、魔がさしてしまった。自分は心までライオンになってしまったのか? 火照った頬で自問したが、即座にバカな話だと切って捨てた。耳や尻尾が生えるだけならばともかく、ぎらついた野性にまで目覚めてしまうなどと……。
『もういい? そろそろ、しらべものをはじめよう』
「えっ? ……あ、あぁ、そうだな」
ふと、肩を叩かれ、刀を振り返る。そう書かれたスケッチブックを海に向けられて、はっとしてように刀は首筋の汗をぬぐって答えた。
そういえば、寝子島の歴史について調べに来たんだったっけか。刀は笑みをつくろって頷き、机の上に置いてあった本に再び手を伸ばした。落神やもれいびについて調べれば、この謎めいた神魂の影響についてもなにか分かるかもしれないし。
『じゃあ、わたしもほんをさがしてくる』
「あぁ、歴史書とかは向こうの本棚にあるから……」
本棚へ向かう海の、その兎の耳が揺れるたび、刀は手元の本に目をやりつつも、そわそわと落ち着かないでいた。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
tsuyosi
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
SF・ファンタジー
動物・自然
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2013年09月20日
参加申し込みの期限
2013年09月27日 11時00分
アクション投稿の期限
2013年09月27日 11時00分
参加キャラクター一覧
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