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『ワン』ダフルで『ニャン』ダフル?
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休日のキャットロードは相も変わらず、行き交う人で込み合っていた。
「あぁもう、憂鬱だよ……」
滑らかに舗装された道筋に様々な店の立ち並ぶ、シーサイドタウンのほぼ中心にある商店街道、キャットロード。服や食べ物、娯楽にデートスポット。その他多くの目的に対応し、洒落た店の多いこの場所には滅多に通行人が尽きることはない。
休日ともなれば更に若者で賑わうその道中、首から懐中時計を提げ、ぶらりとやってきた
澪乃 澄佳
が不満げに唇を尖らせていた。
「は~ぁ、なしてあたしは、枕を買いなおさなきゃいけないんだべか……」
自然と自前の北海道弁が出てしまうほど、自分でもそれが納得できず、澄佳は悩ましげに髪をかく。そしてその頭には全ての元凶、くるりと巻きあがった羊の角と耳が生えていた。朝の目覚めの時に、鏡を向いて己の姿に驚愕したのはもちろんの事、その角が原因で、寝返りの際に愛用の枕の生地を裂いてしまったらしいのだ。
中綿のはみ出た枕をそのまま使い続けるなど出来ず、澄佳はやるせない気分でキャットロードへと赴いている。ここにくれば枕の一つや二つ直ぐ手に入るだろうから。
(でも……、他にもあたしみたいな人、けっこういるんだ……)
ここまで来る途中に、自分と同様に獣の耳を生やしたクラスメイトを見かけた。どうやら被害者は自分だけではないらしく、いつものことながら神魂の影響であろう。
まったく、人騒がせなことだと思う。澄佳は不機嫌そうにむくれながら道の真ん中を練り歩いていた。
のだが、ふと、澄佳は足を止めた。目的だった寝具店にたどり着く前に、通り過ぎる筈だった店の煌びやかなショーケースが目に飛び込んでくる。
まさに一瞬の出来事だった、エサに対して獰猛な羊のように血相を変えて向き直り、澄佳はショーケースへと飛び掛かった。
「これは! まさか新作スイーツ!?」
そのショーケースは洋菓子店のものだ。そして澄佳がガラスに張り付いてまで釘付けになっているのは、可愛らしい梱包に箱詰めされた、オレンジ色のカップケーキだった。
昨日の入浴後、多少下腹部の肉が気になるな、などとと思っていたことなどつい忘れ、羊の食欲に半場支配された澄佳の目は鋭く、夢と希望やらに類似した光でキラキラと輝いていた。
「キャロットケーキなんて美味しそうだべ! これは買うしか……」
「凄く美味しそうアル! これは絶対に買わなきゃっ!」
枕の事、そして肉体のコンプレックスの事などつい忘れ、澄佳が店に飛び込もうと決め込んだ、その時。
歓喜の声が重なった。
「……あれ? ……兎の耳?」
声にはっとして澄佳が隣を向く。すれば、自分と同じようにショーケースに張り付いている人影があった。
フードを被ってはいるが、その頭には自分と同じ症状。兎の耳を生やした
畑中 華菜子
もまた、心を奪われた目でショーケースにかじりついていた。
「澄佳ちゃんも海浜公園に行くの? 私もアルよ」
「なんだろねー、なんとなく広いとこに行きたくなるんだべさ~」
あれから迷うことなく洋菓子店でキャロットケーキを無数に購入した二人は、そのまま寝子ヶ浜海浜公園へと向かうべく、揃ってキャットロードを歩いていた。中身が一杯のビニール袋を片手に提げた華菜子に、澄佳は首を傾げて尋ねる。
「んでも、そんなに一杯のニンジンを買ってどうするの?」
「うん、公園で食べようと思って……この耳のせいか、無性にニンジンが食べたくて仕方がないアルよ」
自分でも呆れたように華菜子が肩をすくめて答える。兎の耳が生えるだけならともかく、どうやら味覚まで兎のものに変化してしまったようだった。普段は見向きもしないような生のニンジンに飛びつくような魅力を感じてしまうのは、自分でも微笑ましくもあり恐ろしくもある。やはりこの耳のせいなのだろう。
その人の性格や嗜好まで獣に似てしまう。考えるとこの状態は注意せねばならないと思った。羊や熊ならともかくとして、肉食動物……たとえば、ライオンや熊になってしまった人たちの気苦労を考えると、嘆息が漏れる一方で怖気が奔った。
「他にも、私たちみたいに動物の耳が生えてる人いるのかな? ちょっと気になるアル」
「うん、公園に行ったら……」
華菜子はここまで来る道中で見かけなかったのだろうか。先程買った菓子の詰まった紙袋を揺らしながら澄佳が答えようとすると、目前から迫ってくる人影が目に入った。
その頭には、頑健そうな体つきとは裏腹の、愛らしい熊の耳がぴょっこり生えている。さっそく現れた、此度の神魂の影響の被害者だ。
そして尚且つ、熊の毛皮まで被った青年など、そうはいないだろう。
「ったく、どいつもこいつも笑いやがって……」
全ては神魂の調査の為。だが不服なものは不服であり、
邪衣 士
が不機嫌そうに顔をしかめて歩いていた。不機嫌の理由はもちろんこの熊の耳にある。道行くやんちゃそうな子供には指を差されて笑われて、腹ごしらえの為に立ち寄ったコンビニの店員に「熊の耳を生やした人が買い物をして違和感ないのか?」と尋ねれば、「見慣れてる」と何とも淡白な言葉を投げられた。それらに対し士が声を荒げて人睨みすれば皆黙りこくったものの、立ち寄った場所全てで同じような扱いを受け続ければ、次第に堪忍袋も膨らんで気分がいいはずもなく。
きっと、ギャップが芳しくないのだろう。普段は見目の凛々しい青年でも、本物の熊の耳が生えてしまってはえらく可愛げのある姿に映ってしまう。熊の毛皮など被っていては尚更だ。
「おはよう、士さん!」
それでも、神魂の調査を止める気のない自分を呪った。俯き気味になって嘆息を吐いていると、前から快活な挨拶をかけられて士は顔を上げる。今までの嫌な経験から一瞬だけ警戒を覚えたものの、どうやら勝手が違うことに士は安堵した。
描鳴館にて自治会長となった士は有名だ。前にいる、穏やかな様子で声をかけた澄佳と、その隣にいる華菜子の頭には、それぞれ羊と兎の耳が生えている。
「やぁ、君らもしっぽ病か……」
言わずもがな、立派な獣の耳がすべてを物語っている。えらく疲れた声色で挨拶する士に、澄佳と華菜子は不思議そうにして顔を見合わせた。
「どうかしたんだべか? って、どうもこうも、動物の耳は生えてるけど……」
「あぁ。いや、神魂の調査でやってきたんだが、けっこう歩いて……。ここは、どこだ?」
神魂を追い、そして広い場所を求めて歩き回っていたのだが、いつからか辿り着いていたこの場所。見覚えはあるのだが正確な位置が掴めず、士が迷い子を自覚しているとは思えない真顔で尋ねると、二人は驚きで目を見開いた。
「えっ? ここはキャットロードアルよ?」
「? あれ、俺いつの間に……」
士の熊の耳がピクリと跳ねた。なんとなくの本能に従って我が道を進んでいたとはいえ、なかなかに遠出してしまったものだ。士は困惑した様子で辺りを見渡した。
「よかったら、公園まで案内するアル。私たちもこれから行くアルよ」
「公園? 寝子ヶ浜の公園か?」
「うっふっふー。そこで美味しいものでも食べてのんびりするんだー♪。それに、あたしたちの他にも、動物に変身しちゃった人たちがいるかもって」
「そうか……」
二人の言葉に、士は神妙な顔で唇に指を這わせながら考えた。
確かに士のなかにも、今朝から広い場所を動き回りたいという思いがあった。公園に行けば自ずとそれは叶うだろうし、同じことを考えている連中も相当数いる筈だ。ともすれば、公園に惹きつけられる何かがあるのかもしれない。広い場所を駆け回りたいという願望そのものは単なる動物の気性に過ぎないのかもしれないが、もしや別の要因が働き、しっぽ病の被害者が集まっているとも考えられなくはない。
(もしかしたら、神魂への手掛かりがあるかもな)
「よし、俺もついて行こう」
このまま、あてもなく寝子島を彷徨うよりはマシだろう、考えて士はこくりと頷いた。獣化はどんどん進んでいるようだし、街中を自由に動き回れる時間はそれほどないようにも感じられる。
「決まりアル。……私たちの事、食べないでね?」
「食べねぇよっ!!」
熊の耳が生えているとはいえ、熊の毛皮を被っているとはいえ……士が同じ寝子島高生であることはもちろん知っている。些末ながら浮かんだ畏怖の念を華菜子がぼそりと口にすると、そんなことあるかと士は歯を剥いて吠えかかった。並ぶその白い歯も、肉食獣のごとく尖り、ぎらついたものとなってしまっていた。言わずもがな、直後に華菜子と澄佳が草食獣の気持ちでか細い悲鳴を漏らすのも無理はなかった
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
tsuyosi
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
SF・ファンタジー
動物・自然
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2013年09月20日
参加申し込みの期限
2013年09月27日 11時00分
アクション投稿の期限
2013年09月27日 11時00分
参加キャラクター一覧
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