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【バレンタイン】ホワイトチョコレート・アイランド
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◆惑い、惑われ。
鷹取 洋二
を探して放課後の校内を歩き回りながら、
羽生 碧南
は『さてどうしたものか』ともう何回も――否、今日に限らず今までにもう何十回も考えた問いに頭を巡らせていた。お題を強いて乙女ゲーム風に付けるなら、『碧南のトキメキ☆ラブミッション~ver.鷹取先輩』と言ったところか。
もちろんこれは乙女ゲームではなくて、これ以上ない現実だ。けれども、もしこれが乙女ゲームだったら話はもっと簡単だったのになぁ……なんて、愚痴にも似た想いを抱いてしまうのは、仕方のない事だろう。
だって、乙女ゲームの中でなら彼女は、百戦錬磨の恋の達人。それが例えどんなシチュエーションであったとしても、攻略対象を確実に攻略する自信があった。
――だが、それはあくまでも『乙女ゲームの中でなら』の話。現実は――そう甘くはない。
乙女ゲーで培ったスキルだのノウハウだのは、現実の状況に当てはめようとしても無理があり過ぎたり、似ていると思ってもやっぱりどこか違っていて、全く通用しなかった。そもそも洋二は洋二であって、ゲームの中の登場人物ではないのだから、比べられるはずもない。
――というか、
(……どうすればいいのかわからない。ってのが正しいんだけど)
だから『いつかは告白をする!』と誓いながら、結局はままならないままずるずると、時間だけが過ぎて行く。これじゃいけないと焦る気持ちだけはあるけれど、じゃあ一体どうすれば良いっていうのか、誰か教えて欲しい。
はぁ、とため息を吐きながら洋二が居そうな所を順番に探して回っていた碧南は、校舎の裏へと回りかけてピタ、と足を止めた。先客の人影に気付いたのだ。
念の為、洋二ではない事を確認してから、お邪魔しちゃ悪いよね、と気付かれないようそっとUターンする。そうして、鷹取先輩どこに居るんだろ……とため息を吐きながら去って行った碧南には、もちろん少しも気付かず
万条 幸次
は、そこに待っていた
愛猫 萌々子
へと話しかけた。
「愛猫さん、おまたせ」
「先輩、来て下さってありがとうございます」
そんな幸次に萌々子はまず、ペコ、と礼儀正しく深々と頭を下げる。それからカバンをおもむろに開けると、中から『somnium』でラッピングしてもらったチョコを取り出した。
あの……と幸次を見上げながら、そっと差し出す。
「……猫が好きだって聞いたので、チョコレートです」
お詫びです、と言い添えて渡された、可愛い猫型のチョコを受け取り幸次は目を瞬かせた。確かに猫は好きだぞうん知ってたんだ愛猫さん、と脳内でこくこく頷いてから、お詫び、という言葉にようやく気付く。
お詫び――と、いう事は。
「えっとこれは……合宿の時の?」
確かめるように尋ねた幸次に、こく、と萌々子が頷いた。この前はすみませんでした、ともう1度、後悔を滲ませた顔で目を伏せながら頭を下げる。
それは前述の通りのスキー・スノボ合宿で起きた、お互いにとって不幸な事故だった。合宿で行われた宝探しの答えの茶色猫を探していた萌々子が、幸次がろっこんで変身した猫をそれと気付かず目的の猫だと思って膝に乗せて撫でまわしていた所、突然変身が解けて膝枕状態になってしまったのだ。
突然膝の上に男が現れれば、そりゃあパニックにもなるというもの。ゆえに萌々子は「変態!」と大騒ぎして風紀委員や先生を呼んでしまい、幸次が連行される騒ぎへと発展したのだった。
その時の事を思い出すと、萌々子の胸にはいまだに申し訳なさが募る。自分が勘違いしたのに、勝手に変態呼ばわりして大騒ぎして……迷惑をかけて……
「本当に、ごめんなさい!」
「そっか、あれ気にしてたんだね……そんないいのに」
がばっ! と大きく頭を下げた萌々子に、幸次は戸惑ったようにそう声をかけた。「先輩……」と見ようによっては潤んだようにも見える瞳で、縋るように見上げながら呟いた萌々子に、本当に気にしなくて良いからね、と優しく声をかける。
だがしかし、そんな幸次の内心はと言えば、
(告白とか関係なかったー!)
めちゃくちゃ動揺していた。何なら変な汗が全身から噴き出すくらい、この上なく動揺していた。
誰だ最初に『告白じゃないか』なんて言ったヤツ、と胸の中でクラスメイト達に八つ当たりするが、幸次の居た堪れない恥ずかしさを払拭するのに、少しの役にも立たなかった。あんなに期待して、告白の返事はどうしようかなぁ云々と妄そ――思い悩んでいた、少し前の自分を殴りたいくらい恥ずかしい。
けれど――
(愛猫さんも真剣に謝ろうとしてくれてたんだし、がっかりするのは失礼だよね……とにかく平静を装わなきゃ)
自身にそう言い聞かせ、幸次はごほん、と咳払いをした。意識して気持ちを切り替えて、あの時は仕方なかったよ、と改めて優しく語りかける。
何しろあの時は幸次も猫の姿になっていたのだから、説明したくても説明のしようが無かったのだ。その状態で『実は人間が猫の姿になっているのかも……』なんて想像がつく方がおかしいと、幸次自身でも思うのだから、何も知らない萌々子が間違うのも仕方ない――と言うより当たり前だ。
それに、風紀委員に連れていかれたあとも、たまたま寝転んだら先に愛猫さんが座ってて膝枕状態になった、と誤魔化して何とかなった。否、何ともなってなかった気もするけど、最終的には無事に解放してもらえたのだ。
だからそんなに気にしないで、と叶う限り優しげに聞こえるだろう響きで告げる。
「一瞬だったけどあの太ももは凄く暖かくて柔らかくて寝心地よかったし……」
(……太ももが柔らかくて寝心地よかった?)
そうして告げられた幸次の言葉を聞いた瞬間、萌々子の頭の中は真っ白になった。ゆえにしばし、言われた言葉を脳内で反芻し――理解した瞬間、かぁぁぁぁっ!! と頬を朱に染める。
ぐっ、と手にしたカバンを握る手に力が籠った。
「や、やっぱり変態じゃないですかー!?」
そうして、絶叫と共に手に持っていたカバンを全力で振り上げた萌々子の声が、聞こえたはずはもちろんなかったが、ふ、と何かに気を取られたように五十嵐 直樹先生が窓の外へと視線を向けた。それにきょとん、と小さく首を傾げた
御巫 時子
が「どうかされましたか?」と尋ねてみるも、何でもない、と首を振られる。
自分自身でも窓の外へと視線を向けて、そこに何もない事を確かめてから、時子は改めて尚輝先生へと向き直った。先生の手元が落ち着いていそうなのを確認してから――実験の邪魔をしたくはない――そっと声をかける。
「尚輝先生、少しよろしいですか?」
「……大丈夫です」
そんな時子の声掛けに、早くもブレンストーミングに入っていたのだろうか、何やら考え込んでいる風情ながらも尚輝先生が返事した。それにほっと微笑んで、時子は可愛くラッピングした箱を出す。
これは先日、シーサイドアウトレットで行われたチョコ作り教室にて、講師だったパティシエの
木原 高明
さんに教えてもらったチョコテリーヌだった。その後も何回か作って練習したから、美味しく出来ているはずなのだが――尚輝先生の口に合うか、こればかりは本人の嗜好によるので祈るしかない。
だから祈り案じながら、時子はそっと尚輝先生へその箱を差し出した。
「あの、尚輝先生……受け取ってもらえますか?」
そんな時子とチョコテリーヌの箱を、尚輝先生は暫し、沈黙して見つめていた。もしかしたら実際にはそれほどの時間は経っていなかったのかも知れないけれど、その沈黙が何だか居た堪れなくて、「今日はバレンタインですから……」と言い訳のように呟く。
「あぁ」と尚輝先生の吐息のような頷きが返り、そしてまた静かな、静かな沈黙が理科室に降り積もった。ちら、と尚輝先生の顔を窺ってみれば、どことなしに困っているようにも――照れて、いるようにも見える。
そう――気付いたらほっと肩から力が抜けた。必死だった気持ちに少し余裕が出来たせいだろう、時子も何だか恥ずかしいような気持ちになって来て、やっぱり照れますね、と胸の中で独り言ちる。
机にチョコの箱を置いて、そわそわと尚輝先生に背を向けた。
「あ、あの、コーヒーを淹れますね」
そう、断って時子は勝手知ったる理科室の中、コーヒーを入れる準備に動き始めた。チョコテリーヌを切り分けるナイフとお皿も用意しなければ――やはり、せっかくだから感想を聞きたいし、食べてもらいたい。
そんな風にむず痒くも甘い時間が静かに積もる理科室から、遠く離れた校内のベンチに
八神 修
と
七夜 あおい
は、ちょっと休憩しようと腰かけた。
「お疲れさま」
「疲れたねー」
そう、労う言葉を交わしながら、やり切った満足の息を吐く。もっとも、先ほどまでのチョコ配りの中心人物、
野々 ののこ
はこれから友人と約束があるとかで、後片付け――と言っても友チョコを入れていたカバンを畳むくらい――が終わるとすぐにどこかへ元気よく走って行ってしまったので、ここには居ないのだけれど。
その様子を思い出したのだろう、あおいが「ののちゃん元気だったね」とくすくす笑った。まったくだ、とそれに頷く。
あの勢いで、雪でどこかで滑って転んでいなければ良いが――そう考えてから、意識して気持ちと雰囲気を切り替えるべく、あおい、と彼女の名前を呼んだ。その、声色に込められた何かに気付いたあおいが、「どうしたの?」と振り返った顔の中にほんの少し、違う色を滲ませる。
それが、修と同じ種類の緊張であると思いたかった。彼女にとって自分がどういう存在なのか、まだ不確かだけれど――そうであって欲しい、と。
そう、願いながら修はカバンの中から、大切に仕舞っておいた包みを取り出した。その中に入っているのはもちろん、コツコツと長い時間をかけて下準備を重ねていた、彼女へのバレンタイン・チョコレート。
特別な想いを込めて、それをあおいに差し出した。
「これ。俺からあおいへの、バレンタイン・チョコレート」
「わぁ、ありがとう! 開けてみても良い?」
「もちろん」
あおいのその申し出に、修は喜んで頷く。準備に準備を重ねた傑作を、ぜひ早くて見て欲しい、と言う気持ちもあった。
だから、あおいがにこにこと微笑んで修の渡した上品な箱を開けるのを、穏やかに微笑みながらも固唾を飲んで見守る。その中には、以前にシーサイドアウトレットでのチョコ作り教室で試作した、チョコ掛けココアサブレの完成版が詰まっているはずだった。
その、ココアサブレで出来たひよこの真中に据えたのは、大きなチョコで作った卵。少し前にあおいに「内緒」と言っていたその卵の中には、緩衝材も兼ねたキスチョコが入っていて、さらにその中には『somnium』の小物作り教室で作った猫の顔モチーフの髪留めの入った、透明な袋があるはず。
マトリョシカの様に幾重にも、幾重にも重ねたプレゼント。それはそのまま、修があおいの為にと工夫を凝らした時間の積み重ねでもあった。
(あおいには、嬉しい驚きと幸せをいつでもプレゼントしたいんだ)
だから修は、あおいの顔をじっと見つめる。彼女の表情が驚きと喜びに彩られるのを、固唾を飲んで見守っている。
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1000人
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26人
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シナリオガイド公開日
2020年09月28日
参加申し込みの期限
2020年10月05日 11時00分
アクション投稿の期限
2020年10月05日 11時00分
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