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2月、春に向けて
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【バレンタイン】ホワイトチョコレート・アイランド
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◆そして街は眠り行く。
(でも、それでも)
様々な思いを胸に抱いたまま、
夢宮 瑠奈
は――未明 せれねは歌声を響かせた。会場の隅々まで届けと願い、声を張り上げた。
正しい事、間違ってる事、願い、欲望、失意、そんな総てのぐちゃぐちゃとした感情。そういったモノはきっと、自分の中からそうそう――もしかしたらずっと、無くなりはしないだろうけれど。
そんな私の声を聴きに来てくれる人がいるのなら、私はまだここに立っていられるし、あなたのために歌っていられる。
それはまぎれもなく私の愛で、あなたへの想い。
ずっと変わらないはずだから。
ずっと続けていくはずだから。
だから見守っていてほしいと、私は願っているのだから。
(いつか、忘れられたとしたって)
口に出さない独白は、せれねの胸の中にだけ。けれどもきっとこんな想いだって、この歌声に溶けて広がり皆の心に届いてしまうのだろう。
そう、想いながらも想いのままに歌い上げる、バレンタインの歌姫達の声に何かを思い起こしてしまいそうな気がして、バスルームから出て来た
志鷹 佑都
はローカルテレビを静かに消した。今朝、出かける前に姉が作っておいてくれた夕食を頂こうと、テーブルに着く。
そうしていつも通りに食事を終えた、今日のデザートはバレンタインデーらしく、姉の手作りのブラウニーだった。市販されているものとは違い、ブラウニー生地の中に、ブランデーに漬けたオレンジピールとラズベリーを混ぜた、大人の一品なのだという。
そんな事を、よく行くカフェのパティシエ・
木原 高明
さんからアドバイスを貰ったのだと、試作しながら嬉しそうに語っていた姉の姿を思い出した。
(ありがとう)
胸の中で彼女への感謝を呟いて、ついでに軽くウィスキーのグラスを掲げた。そのまま一口ウィスキーを含むと、しばし舌の上で転がしてから、ブラウニーへと手を伸ばす。
一見しただけではどちらがどちらか判らないブラウニーを、食めば口いっぱいに広がったのは、ビターで濃厚なカカオとフルーツの香り。これはオレンジピール、だろうか。
柑橘の爽やかな酸味が意外なほど、カカオの苦みに良く合った。ふ、と知らず顔が綻ぶ。
帰って来たら姉にお礼を言わないとな、そう考えながら次のブラウニーに手を伸ばした佑都の脳裏に、ふと申し訳なさそうに涙ぐんでいた彼女の姿が思い出された。――件の恋人の話を教えてくれた時の事だ。
『ずっと黙っててごめんね……』
そう言った、姉の涙声すら今でも容易に、この耳に蘇らせる事が出来た。――姉が謝る必要なんて、どう考えても、これっぽちもないのに。
謝らせたのは、自分。姉にずっと沈黙させていたのも、自分。
佑都の過去や最近の状態を間近で具に見ていた姉の事だ、恋人の存在を伝えたくても伝えられなかったのだろう事は、想像に難くなかった。そんな事をすればもしかしたら、佑都の心を壊してしまうかも知れないと――姉はきっと、そんな心配をしていた事だろう。
だから彼女はたった1人で、日々死と隣り合わせの場所にいる愛する人の無事を、ずっとずっと祈っていた。そんな大切なことを1人で抱えて、耐えたり苦しんだりする必要なんてないのに――佑都を案じるがゆえに、姉は優しく辛い沈黙を選んだのだ。
そんな姉が、佑都に恋人の存在を告げた。それがどんなに嬉しかったか――彼女は知っているだろうか?
姉が佑都を心配してくれているのと同じくらい、佑都だって姉を心配しているのだと自負していた。――彼女の悲しむ姿は、見たくなかった。
ゆっくりとブラウニーを食べ、ウィスキーを喉の奥に滑らせながら、佑都はそう考える。そうして居るうちに、身体中にこびり付いた疲労がゆっくりと眠気へと変わり、全身を支配し始めた。
後片付けをして寝間着に着替え、自室の灯を消せば一瞬の暗闇が訪れる。だがすぐにカーテンの隙間から、冴え冴えと静かな月の光が差し込んできた。
2人の幸せを祈った、あの月を想う。冷たく、美しく、誇り高く――優しい月。
(……こんな夜は少し、会いたくなる)
そのさやかな月影に、来月また亡き『彼女』の命日がやって来る事を思い出し、佑都は静かに目を閉じた。願わくばどうか、夢の中でだけでも『彼女』に逢えますように。
◆それから。
「若菜先生、バレンタインはどこか行かれたんですか?」
「……えっと」
診察の合間の休憩時間、看護師に聞かれた
志鷹 若菜
はつい『あの夜』を思い返し、笑みの形のまま表情を止めた。ほんのり色づいた頬を揶揄われ、どうかしら、と受け流して席を立つ。
けれども――思い出してしまったあの夜を抱き締めるように、若菜はぎゅっと己の身体を抱き締めた。目を閉じればすぐにだって、あの夜の事はまざまざと思い出せてしまう。
唇にそっと指先で触れた。あの夜、この唇で、この指先で、彼の傷を慈しむ様に触れ、誓った。その傷も痛みも全て受け止め、貴方を愛し、護ると。
――彼の匂いがするベッドの中で、左手小指の指輪と聖夜に彼から贈られた左足に煌くアンクレットのみを身に着けた自身を、同じくシャワーを浴びて身一つになった彼に委ねた。くらくらと酩酊したような心地を覚えたのは、重ねた唇の中、触れ合った舌先から伝わった仄かなウィスキーの香りが、咥内に広がったせいだけでは無かったはずだ。
『綺麗だ』
耳元で囁く彼の声は、甘く掠れていたように思う。己の全てを知った彼の指先を甘く口に含んだのを合図に、互いの存在を確かめ合う様に掌が輪郭をなぞり――
そうして離れていた時間をすべて埋め尽くすように、熱く激しく互いを互いで埋め合った。彼の全てが己の全てに触れ、魂の奥まで深く繋がり満たされた心と身体に刻まれた熱は、ともすれば今すぐにでも若菜の身の内を焦がしてしまいそう。
ほう、とその熱を逃がすように吐いた息は、だがあの夜のように甘さを帯びていた。彼の愛と熱をこれ以上なく感じて過ごした夜を想うだけで、瞳が恍惚としてしまう。
(駄目)
ぶる、と強く頭を振って、思い出してしまった熱を振り払った。さぁ、早く戻らないと、そろそろ診察開始の時間だ。
自分にそう言い聞かせて歩き出した、若菜の頬はだが、まだほんのり上気していたのだった。
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あとがき
担当マスター:
蓮華・水無月
ファンレターはマスターページから!
いつもお世話になっております、または初めまして、蓮華・水無月と申します。
この度はご参加頂きまして、本当にありがとうございました。
バレンタインの1日を巡る、悲喜こもごもの物語、いかがでしたでしょうか。
皆様の心のこもったアクションに、精一杯お応えさせて頂きたいと、頑張って執筆させて頂きました。
ちなみに水無月は執筆中、チョコの消費量が大変増えまして、それに伴いまして色々と大変増えましたことは、全力で秘密です(←
来年のバレンタインチョコは、自分用に色々と買い込みたく思います、はい。
お届けさせて頂きましたリアクションが、皆様に僅かなりとも楽しんで頂ける物であれば、心から嬉しく思います。
またのご縁がございましたら、どうぞ宜しくお願いいたします(深々と
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
蓮華・水無月
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
NPC交流
定員
1000人
参加キャラクター数
26人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2020年09月28日
参加申し込みの期限
2020年10月05日 11時00分
アクション投稿の期限
2020年10月05日 11時00分
参加キャラクター一覧
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