ファンタジーDay★｜リアクション

ファンタジーDay★

～シーサイドタウン寝子島小学校～

「にゃ～出来たのにゃ～」
　小学校の家庭科室を借りてお菓子を作った翡翠。
　スライムジェリービーンズ、青スライムのソーダゼリー、赤スライムのイチゴグミ、黒スライムのコーヒーゼリー、灰色スライムの黒ごまプリン、等々。
毒のないスライムを厳選し、材料としたのだ。

「はーい、ならんで～～、いっぱい有るからね」
　近所の子供達にも振る舞う美咲紀。
　子猫獣人の子供達が、にゃむにゃむ言いながらむしゃぶりついている。
「うぉ～～～うまいのだぁ！　あまいのだぁ！」
　両手にお菓子をもってむしゃぶりつく真央。
　そんな真央をみて月も微笑んでいた。
―しかし……依然として元の世界には戻れていない……奴がラスボスでは無かったのか？―
　一人考える修に、声が掛けられた。

「あ～～八神くんだぁ～～～ねね、なにしてんの？　わわ、美味しそうだよ～」
「ん？　ああ、維都月じゃないか……って……どうしたんだ？」
　後ろ手に縛られた瓢を連れてあるいている茉菜。
　すでに通常モードに戻っているようだ。
「骨削くん、ちょっと悪いことしちゃったからね～えへへ」
「ひっひっひ、あっしもやきがまわったよぃ」
　悪びれることもなく笑う瓢。

「ああ～～瓢ちゃんだぁ～～～ねね、なんでつかまってるのだ？　そだ、お腹空いたのだ？　真央ちゃんが食べさせてあげるのだ！」
　ピンク色のお菓子を瓢の口に無理矢理捻り込む。

「え、えんりょす……んぐんぐ…………んがあ！？　あ、あばばばばばばばっばばぁ～～～」
「きゃぁ～～～！　ひ、瓢くんが、まるで陸に揚げられた魚のように、びっちびっちしてるぅ」
「あ、これ、スライム退治用に作ったお菓子だったのだ！　どういう訳か、混じっていたのだ～～～～」
「…………ピンク色のスライムは、痺れるんだよな……」―これは、味見しない方が無難かな？―
　額に脂汗を浮かべる修だった。。