「なんだか今夜の
ズベン・エル・ゲヌヒはヤケに輝いているぜ」
九夜山の頂上展望台で、
寝子 サンマは夜空を見上げながらつぶやいた。
そのアヴァンギャルドな外見に反して、サンマは天体観測を趣味としていた。
「
天秤座で一番明るいはずの、
ズベン・エス・カマリの色までおかしいし……あんなに緑色が濃いなんて……初めて見たぜ」
既に季節は夏。7月だというのに、冷気を含んだ風が木々を揺らす。
展望台に置かれた
時計の針が、真上を指し示す。
空に輝いていた月に、雲がかかる。
暗くなった夜空に、より一層星々が映えた。
「嫌な予感がするぜ。背びれにびんびん来やがる……こういうときは、大体ろくな事が起こらないぜ」
サンマのつぶやきは、吹いてきた風に乗って、ちりぢりと成って消えていった。
~翌朝~
昨晩の冷え込みなど嘘のように、むわっとした熱気が寝子島を包んでいた。
太陽は輝き、蝉の声が鳴り響く……今日も暑い日になりそうだ。
いつもと変わらない、いつもの日常。
の筈だった……
「…………確かに……寝子島自体は変わってねえな…………住んでる奴らは……変になっちまったけど」
つながれている犬がけたたましく吠え、いつもだったらサンマを咥えようとする猫が尻尾の毛を逆立てている。
「なんだ、あれは……なんで耳が尖ってるんだ? あっちの奴は、ヤケにヒゲぼーぼーだしよ」
サンマの目の前を、変になっちまったのが歩いていく。
華奢な体に、金色の髪……そして長い耳。
がっしりとした体に濃いヒゲ。
中には普通の人間も居るようだが……
犬や
猫や
鳥のような
動物(サンマさんも動物に近いから?)は
変化が無いようだ。
「……いつからここは、
ファンタジーな世界になっちまったんだ!」
軽やかな衣装を纏った
エルフが、ごついバトルアックスを担いだ
ドワーフが、街を闊歩している。
「ふざけるな、俺より目立ってるじゃねえか! いったいどういう事だ…………ん、なんか柔らかいものが…………なんだ、これ?」
サンマの足元に、ブニャブニャしたゲル状の物体がまとわりついていた。
鮮やかな水色をしたそれは……
「
スライム? って……うぉお、足、ヒリヒリするぅ! やめろぉ~~~」
あわててスライムをふりほどくと、走り出すサンマ。
「くっそぉ~~~イヤな予感があたっちまったぁ~~~」
と言うわけで、スライムが現れました!
スライム討伐に向かって貰います!
皆さんこんにちは! 小学校の頃、落ち着きが無いと6年間通信簿に書かれた甲二です!
・状況の説明
なんらかの力により、住人達はファンタジーな世界に飛ばされました。
記憶や人間関係などは以前のままとなっています。
なお、すべての電化製品は使用不可能となっており、寝子島以外との連絡も取れません。
街には青、赤、黒、そしてやけにすばしっこい灰色のスライムがあちらこちらにはびこっています。
今のところ、それほど大きな被害は出ていませんが、人々に危害を与える危険性があります。
街のどこかに、巨大なスライムが居るようです。それは他の個体とは明らかに違っているようで、もしかするとファンタジーな世界に飛ばされた事と関係が有るかも知れません。
基本的にパーティで行動することを推奨します。GAでも、野良パーティでもOKです。
また、どーしても一人で行動したい言う方は単独行動も一応可能です。
なお、舞台は寝子島の地上部、行動時間は朝7:00位から夜12:00までとなります。
・プレイヤーの状態
最初に種族を選んでいただきます。
すると、その種族に変化した状態でストーリーが始まります。
心の奥に潜む願望がなんらかの力によって、具現化するようです。
人間のままでも構いませんし、エルフになってもらってもOKです。
人間の場合は、元々のキャラクターの能力を引き継ぎます。
それ以外の場合、選んだ種族の特性が強く出ます。
(例:ドワーフを選ぶと力が強く、指先が器用になるなど)
武具、防具は一般的な物を装備しているとします。
伝説の宝剣とか、何でも防ぐ防具とかでも無い限り、好きな物をお選び下さい。
キャラクターの強さなどは、常識の範囲内とさせて貰います。
(世紀末覇者とか、無敵超人だとちょっと困ります^^;)
・種族
以下種族の説明となります。
人間以外の種族になった場合、外見上もその種族特有の物に変化します。
(例:ダークエルフを選ぶと、耳が長く、肌が漆黒となる。女性がドワーフを選ぶと、ヒゲはないが背が低く、格闘系アスリート体型な感じになる等)
なお、能力、特性などは甲二自身の解釈に寄りますので、一般的な物とは必ずしも一致しません。
またろっこん使用可能な種族の場合でも、元々ろっこんが使用できないPCの場合、使用が出来ません。
(例:ひとはエルフになってもろっこんは使えない。勿論、なることは可能です)
人間……能力的には標準です。どんな職業にもなれますが、他の種族に比べ、特別秀でた点もありません。
ろっこん使用可能。
エルフ……敏捷性、ろっこんに優れます。体格は人より華奢な為、武術などはそれほど得意としていません。妖精のような美しい外見をしています。また最大の特徴として、先のとがった長い耳を持ちます。感覚、感性も鋭い物を持っています。
ろっこん使用可能。
ダークエルフ……基本能力はエルフとほとんど同じです。ですが、エルフとの最大の違いは、その漆黒の肌です。その肌色故か、若干、隠蔽の能力はエルフより優れています。(あと少し艶やかになったりとかあるかも)
ろっこん使用可能。
ドワーフ……背の低い頑健な種族であり、豊かなヒゲを生やしています。
(ちなみに女性には生えていません)
筋力が強く、攻撃力、防御力に優れます。戦闘の主役になれるでしょう。またその外見からは想像付きにくいですが、手先も器用です。
ろっこん使用不可能。
猫獣人(ねこじゅうじん)……猫科(猫、虎、ヒョウなど)の顔と尻尾、鋭い手足の爪を持つ種族。
衣服は身につけていますが、手足の形状上、武器は使用不可能です。
直立して二本足で歩きますが、戦闘時は四つ足になることも。瞬発力に優れています。
ろっこん使用不可能。
・まとめ
長々と書かせて貰いましたが、基本的にはスライムを倒し、元の世界に戻ることが目的となります。
難しいことを考えず、暴れちゃってもらってOKです。
ですが、ファンタジーな世界にきているので、この不思議な世界で学校(なお、寝子島高校は自主登校となっています)や仕事を体験してみることも可能です。
猫獣人の姿で、部活動をしたり、エルフがお勉強をする、なんていうのも面白いかも知れません。
皆様には、種族、装備、パーティを組むか否かを決めていただき、アクションの1行目に記入していただければと思います。
(サンプルの方、ご参照下さい)
それではよろしくお願いします!