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あの子……たまにお店に来る……香住ちゃんだっけ?
覚えている。
店員として華露蘿は、文具店に来る顔を覚えていた。とりわけ彼女
脇坂 香住
(わきさか・かすみ)は、海外製のノートなんかを注文で取り寄せたりしていたから名前も含めよく記憶していた。
廊下の突き当たりにあるその部屋に、わざわざ『取調室』という表札がさがっているわけではない。
でも顔見知りの警官が以前、こっそりと教えてくれたのである。
「なかは映画で出てくるような感じなんですか? マジックミラーがあったり!?」
華露蘿が勢いこんで尋ねたものの「実際はそんなことないよ」と笑われただけだった。
ともかく、香住がその部屋から出てきたことだけはまちがいない。
うつむき加減で歩いているから、香住は華露蘿には気がついていないだろう。それに、すぐ角を曲がって姿を消してしまった。
なんで取調室から出てきたんだろ。
あの位の年頃の子なら、深夜徘徊とか……万引き?
いやいや、と華露蘿は首を振る。あの子はそんな手癖の悪い子じゃない。
「無駄なことが嫌いなんです」
いつか忘れたが、香住が言っていたことを思い出す。
海外製のノートを買うのも、
「このノートには無駄なところがないから」
ということだった。
深夜徘徊だの万引きだのは無駄の最たるものではないか。ちょっと連想できない。
まさか……被害に遭ったほう!?
などと思考をさまよわせていた華露蘿であるが、突然現実に引き戻された。
さきほど香住が消えた角から、彼女に付き添っていた警官のひとりが戻ってきたのだ。
……う。
ただしくは私服警官、よれよれのスーツを着た老刑事だ。室内なのにすりきれたコートを着ている。
にこにこと好々爺風の笑みを浮かべている。髪はほぼ白、やたらふさふさしている眉毛もやはり白に近い灰色だ。人なつっこい大型犬のような印象を受ける。
え? なんで?
華露蘿はたじろいだ。
吐前 亀二郎
(はんざき・かめじろう)が近づいてくるのだ。歳のせいかなんだか薬くさい。
「はいはい、文具屋さん。お疲れ様です」
あの刑事さん苦手、ボク苦手なんだよなあ。
笑顔でズンズン外堀埋めて来るから……。
以前、ただ道を訊いただけなのに、逆に根掘り葉掘り訊かれたことを思い出す。
「文具屋さん、少しいいですか?」
ソフトながら吐前の口ぶりには、「ダメです」とは言い返せない圧があった。
「えっと、私は納品と照会で滑山さん待ってて……」
「あ、いいんですよ。それはね、はい。私がうかがいたいのはですね、脇坂香住さんのことでして」
「えっ?」
「どうやら文具屋さんは彼女のことをご存じだった様子、『あれ?』っておっしゃってましたね? はい、私たしかに聞いてしまいました」
ふがふがした口調なのだが断定している。
「香住ちゃんのことですか? たまにお店に来るお客さんですけど」
華露蘿は正直に明かした。
「でもここ最近は見かけなかったかも……」
「ああ、はい、それはですね」
吐前は簡単ながら香住の置かれていた状況について明かした。
「不登校だったんですか。お店に来るときは、いつもひとりでしたよ」
「どんなお客さんでした?」
「キャラものとかかわいいものには目もくれず、実用性重視の地味だけど長く使えるいいものを好んで買ってたと思うけど……」
いけない。華露蘿の心のなかでアラームがなった。
いつの間にか刑事さんのペースに乗せられている。
「って、お客さんの個人情報なんでこれ以上は言えませんよ」
「はいはい、それはもちろんですよ」
じゃ、いつまでも立ち話というのもなんですから、と吐前は言った。
「お茶、飲みません? 羊羹まではお出しできませんが」
老刑事は廊下の突き当たりを指したのである。
「あそこの部屋で」
華露蘿の背筋が、ひゃっと音がするほど急激に寒くなった。
刑事さんきっと、わかってるよね。
ボクがあの部屋を『取調室』だと知ってること――!
「任意同行願います、ってところ、ですか……」
コチコチの表情で華露蘿が問うも、吐前はにこにこするだけだった。
「まさか、ほんの世間話と思って下さいよ」
断ることはできるだろう。できるはずだ。
でも断れない!
蛇ににらまれたカエルというのはこういう状態なのだろうか。
「ザキさん」
思わぬ方向から第三の声が現れた。
きらっと頭部が光ったように見えたのは錯覚か、それとも華露蘿がそこに救いを見出したからか。
スキンヘッド、引き締まった体、長身、尖った目つき、縦ストライプのスーツがやけに似合う男。
警察署を歩いているせいかマル暴の刑事に見えて仕方がないがその実は、事務長の
滑山
であった。
「その子は本当にただの文房具屋さんですよ。そろそろ帰してあげないと。まだ配達先があるでしょうし」
実はこれがラストの配達先、署を出たらその足でスーパーに直行し、ビールと見切り品のお総菜を買い家呑みする予定の華露蘿である。しかしここはコクコクとうなずいてみせた。
ザキさんと呼ばれた吐前はとたん、邪鬼のない笑顔を見せて後頭部に手を当てた。
「いやあ、ナメちゃんに言われるとオレもごり押しできないなぁ」
「さすがに洗うにしても幅が広すぎますよ。チャカの件だけに熱心になるのはわかりますが」
「オレもじき定年だから、この件だけは挙げて終わらせたいんさ。優秀の美だよう」
「なにをおっしゃいます。どうせ再雇用でつづける気でしょうに」
ナメちゃんこと滑山がニヤりと笑うと、コワモテフェイスがますます悪役っぽくなった。
「じゃあ今日はこの辺にしとうこうかな。はい、豊田さん、ごめんなさいね、もう帰っていいですよ。はい」
にこやかに吐前は言うのだが、華露蘿は内心すくみ上がっている。
ボクのこと『豊田さん』って読んだ。ずっと『文具屋さん』だったのに!
知っていてあえてトボけた呼び方を選んでいたのか。逆に『名前はちゃんと覚えてますよ』と最後にプレッシャーをかけたのか。
どっちにしろ怖いな……。
「ナメちゃんまた飲みに行こうよ。『プロムナード』とか」
「ああいうとこ俺は苦手ですよ。どうせなら『Hollander』がいいですね」
にこやかに会話を交わして吐前はゆっくりと立ち去っていった。
助かったぁー。
深く深くため息をつくと、そうだ、と我に返って華露蘿は仕事に戻る。
「では納品の確認をお願いします」
「いいよ。星下君にも手伝ってもらおう」
あえて声には出さないけれど、華露蘿の心は滑山への感謝で一杯なのである。
それにしても、『チャカの件』ってなんだろう。
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担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
NPC交流
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2020年08月22日
参加申し込みの期限
2020年08月29日 11時00分
アクション投稿の期限
2020年08月29日 11時00分
参加キャラクター一覧
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