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Real Thing Shakes
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ドアがトコトン、トコトン、コココトココトココン、とモールス信号みたいにノックされた。
なにかの暗号ではない。
でも、こんなノックをしてくる人は、
佐藤 英二
の知る限りただのひとりだ。
「やあ」
待ってたよ、とドアを開ける。
「やっほー」
野々 ののこ
が入ってくる。声はゴムまりみたいに弾んでいて、表情もすみからすみまで喜びに満ちている。
「スーパーでお菓子買ってきたよ」
猫のアップリケのついたエコバッグをさしだした。
「気をつかわなくていいのに」
「いいのいいの、だって英二くんがわざわざ私のために用意してたんだもんね」
と前置きしてののこは笑った。真冬の太陽より温かく、毛布よりやわらかなあの笑顔だ。
「総天然色特撮大作『ゴアラ対メニャロ』を!」
「ネット配信のレンタルだよ、そんなたいしたことはないよ」
「でも嬉しいじゃん? 骨折って探してくれてさあ」
話の経緯はこうだ。
先日ののこが、シネコンでリバイバル上映されていた昔の快獣映画『ゴアラ対メニャロ』を観たいと言ったところ、実は単身でもう観てきてしまったと英二は明かした。私も行きたかった、誘ってくれたらよかったのに、と頬をふくらませる彼女に、だったら僕ももう一回観たいし一緒に行こう、と英二は申し出たのだった。
ところが短期間の限定上映だったため、ともに劇場に行くというプランは成就しなかった。
だったら、と英二が提示したプランB、それが『配信サービスで観ない?』というものだった。
なにしろ英二が生まれる前くらいの古い映画だ。すぐには見つからなかったものの、複数の動画配信サービスを検索してなんとか見つけることができた。
ののこは諸手をあげてこの案に応じ、かくしてこの日を迎えることになったのだ。
冷静に考えると――英二は思う。
女の子を寮の自室に誘ったりしているわけだよね。ごく当たり前に。
このところこういう機会が何度かあったからつい意識していなかったが、意識しはじめると胸の奥にじわりとカイロみたいな熱を感じる。
この前自室に彼女をまねいたとき、いささかよこしまなことを考えかけた自分を思い出して、恥ずかしさで頬も熱を帯びはじめていた。
いけない。
そういうことはあえて考えるまい。
野々さんは友達、それも、映画の趣味が近い友達。
それでいいじゃないか。うん。
英二のそんな気持を吹き消すように、
「楽しみだなあ~」
ののこは屈託なく、英二が用意した座布団に座った。慣れたものだ。体育座りして腰に重心をおき、ロッキングチェアみたいに体をぷらぷら前後させている。
「そうだね」
スカート履きのののこを意識し、正面に回らないようにして英二はエコバッグを開けた。
「ポテトチップス、買ってきたんだね」
「うん、ポテチと小さいポテチとえーと、ノンフライポテチ!」
全部ポテチやないかーい! と自分で言ってののこはケタケタと声を上げた。
「だってやってみたかったんだもん、このシチュエーション。ほら、カウチポテトって言うんでしょ、こういうの?」
「まあこの部屋はカウチじゃなくて座布団だけど」
「そうそう」
なにがそうなのかわからないがののこは満足気だ。
なおこの『カウチポテト』という言葉、別にポテトチップスを食べるからではなく、寝そべってだらだらとすごす姿勢がジャガイモに似ているというのが語源らしい。もっとも最近ではあまり使われない言葉だから、気にする必要もないのだが。
「珈琲いれるよ」
英二は水場に立った。例によって紙パック、お湯を注ぐだけのドリップ式珈琲、でも今日は、ののこのためにちょっと高級なものを買ってある。白いカップにふたつつくった。
すぐに部屋が豊潤な香りに満たされる。
「ありがと~」
砂糖二杯をしっかり入れて、ミルクまで足したというのにののこは、一口してすぐに気づいた。
「珈琲変えた?」
「わかる?」
「うん、なんか受験生の味、って感じ」
「受験生の味?」
また妙な表現をつかうものだ。
「なんていうかー、ほら、勉強するときに眠くならないよう飲む雰囲気?」
「ああ、深煎りってことかな」
「そうそれ! もしくは大人っぽい味かな。知らないけど、ヨーロッパのホテルの朝食で出そう。それも、すごく歴史の古い町の」
「なるほど、そう言われてみれば」
ヨーロッパのホテル――ののこの不思議な言い回しから英二は連想する。
野々さんとヨーロッパのホテルにいるとしたら、どんな状況になるだろう。
修学旅行はちがうし、卒業旅行? 高校で?
そうするとやはり、ハネムーンだろうか。
オープンカフェ、初夏の淡い日差し。つばの広い白い帽子をかぶった野々さんが、すこし眠たげな目でベニスだかベルリンだかの街並みを眺めている。今日はどこに行こうか、と言いながら僕は観光マップをひろげて……。
どうしてこんな想像してるんだろう、僕は。
英二は首を振るかわりにカップに唇をつけた。
もちろん、ののこのことは気になっている。
でもそれは薄い色鉛筆で描いたような気持で、恋だとかましてや結婚したいとか、そんな深いものではないような気がするのだ。
少なくと今は。たぶん。
……。
「じゃあはじめよう」
もやもやを振り切るように告げて、英二はリモコンを手にした。
上映開始。
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担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
NPC交流
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2020年08月22日
参加申し込みの期限
2020年08月29日 11時00分
アクション投稿の期限
2020年08月29日 11時00分
参加キャラクター一覧
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