FINYALFANTASY7 RE Ep.2 「骨太のお嫁」｜リアクション

FINYALFANTASY7 RE Ep.2 「骨太のお嫁」

【「にょたいか」する者達】
　その夜、ニャールマーケットでは、人知れずいくつかの『事件』が起きることになる。
　一つ目の事件は、マーケットの各所で、目つきの悪い灰色の「同時多発ネコ」によって男性が「にょたいか」されるという事件である。

　第一の被害者は、もちろん何でも屋の少年レオン（滝原レオン）だった。
「って、マジでどーなってんだコレー！！！？？」
　まったくわけがわからなかった。
　気がつけば腰はゆるゆるなのに、胸まわりがキツく、ボタンなど今にも弾け飛びそうなほどだ。おまけに少年らしい短さだった銀の髪も今では腰に届くほどの長さになっている。
　さらに、よく見れば彼の装備品には新しいマテリニャが一つ埋め込まれていた。
「終わったな。じゃ、金。「にょたいか」のマテリニャはタダじゃねーんだ」
　と、そこで急に馴れ馴れしい口調になったネコが、そのマテリニャの代金を要求してくる。
「いやいや！　こんなの押し売りじゃ……ん、待てよ、この姿ならオーディションに参加できるんじゃね？」
　気がついたときには、レオンは代金分のニャル札をネコに押しつけて、近場の服屋に駆けだしていた。
　そんなレオンの背中を見送りつつ――
「……さて、次に行くか。ったく、なんで、俺がこんな真似を……」
　目つきの悪いネコはぶつくさと毒づくと、その場を後にした。

　数分後、何でも屋のタケミチ（志波武道）は、レオンと同じように、気がつけば「にょたいか」させられてしまっていた。
　胸はそれほど大きくならなかったものの、黒い髪は腰まで届く長さとなり、もともと整っていた容姿のあって完全な美少女になっていた。
「こうなったら仕方がないわね！　フジコさんの被害者を産み出さないためにもタケミがんばるっ☆」
　言うが早いか、タケミチもまたネコに代金を押しつけ、ブティックに走っていた。
　彼は仕方なくと嘯いていたが――。
「……ノリノリじゃねーか」
　目つきの悪いネコがそう呟かずにはいられないほどには、確かに彼はノリノリのように見えた。

　さらに数分後、そしてまたその数分後、事件の被害者はひっきりなしに現れた。
　神猫の命令でフジコを追っていたマサト（星山真遠）は何の因果か「にょたいか」させられ、その自身の美貌に驚いていた。
　緩くウェーブがかった黒髪にふちどられた顔もそうだが、何よりも体つきが素晴らしい。
　スリーサイズにして、Ｂ９０・Ｗ５６・Ｈ９２といったところだろうか。
「……自分に惚れてしまいそうよ」
「あー、その反応は予想外だわ」
　ネコは真顔のまま呆れていた。
「なんで私が女になっているんですか！？」
　ニャークスの一員としてフジコを追っていたセイヤ（高瀬誠也）は、自らの姿に衝撃を受けた。
「ふーん。これはこれで悪くないよ、と」
　他方、一緒にいたシュンスケはまんざらでもなさそうだった。
「やれやれ。どいつもこいつも素質があって助かるぜ」
　ネコは投げやりに言うと、代金を回収し、ブティックに向かうように促した。
　三人は素直にそれに従うことにした。
　ひとまずフジコに近づくためにはそれが一番手っ取り早いと思われたからだ。
「……され、これで5人か。あと1人ぐらいヤっとくか……ん？」
　と、そこでネコは、ふらふらとその場にやってきた一人の少年に目を向けた。
「ほう。てめー、わけありって感じだな」
　そこで、ネコはその少年を「にょたいか」した。
「これは……」
　少年は色白の銀の髪の中性的な容姿の持ち主であったため、女体化は大成功といえた。
　特に大きく揺れる二つの膨らみはダイナマイトと呼んで差支えのないものだった。
「追われてるんだろ？」
　その少年――ヤミ（冬樹闇）は、諸々の事情から神猫に追われる身であったために、これ幸いとブティックに駆けこんだ。
　かくして、その日のブティックフジサワはかつてない大賑わいを見せることになり、それは「にょたいか」＋ドレスアップした男達がニャルネオの嫁オーディションに押し寄せるという二つ目の事件に繋がることになる。

このページにイラストを設定する