そこは、巨大な壁に周囲を囲まれた、猥雑な街だった。
六番街スラム――通称、ニャールマーケット。
無数の飲食店が並ぶ大通りのその奥にあるひときわ大きな屋敷に、その夜、一人の銀髪の少年が訪れていた。
「なあ、ニャルネオってやつの屋敷はここか?」
銀髪の少年は大きな門の前に立ちはだかる小柄な若い男にぶっきらぼうに聞いた。
「何だおまえは?」
若い男は少年の質問に質問で返す。
その反応で、少年はここがニャルネオの屋敷に違いないと察する。
「別に誰でもいいだろ。それよりここにフジコっていうねーちゃん(?)は来ているか」
「……フジコ? ああ、オーディションの参加者か」
オーディションというのは、この屋敷の主であり、ニャールマーケットを統べるドンであるニャルネオの妻を決定するオーディションのことである。
「オーディションの参加希望者は多い。いちいち名前なんて憶えてないな」
若い男は吐き捨てるようにそう言った。
しかし、少年はまだ引き下がらない。
「身長がこんくらいあって、腕の太さがこんくらいのねーちゃん(?)なんだが」
*イメージ画像*
「……いや、知らないな……」
一瞬、何かマズいものを思い出してしまったような顔をした若い男がすぐに頭を振った。
どう見ても知ってる顔だった。
「そうか。じゃあ、ちょっと中を確かめさせてもらおうか」
銀髪の少年が無理やり中に入ろうとすると、若い男がその肩を掴んだ。
「よせ。その女(?)とどういう関係かは知らんが、ニャルネオさまを怒らせるな」
「痛ぇな。放せよ。さもないと――」
少年が瞳に狼のような光を宿らせる。
しかし、若い男はまるで動じずに応じる。
「お前が今ここで暴れれば、今夜はその女(?)を取り戻せるかもしれない。だが、力づくで女を横取りされたニャルネオさまはどうすると思う? 必ずお前とその女に報復をしにいく。それも、とてもひどいやり方で、だ」
「……」
男の言い方は淡々としていたが、それだけに妙な真実味があった。
「その女(?)をニャルネオさまに奪われたくないなら、代わりにオーディションに参加させる女を見つけてこい。オーディションに優勝し、ニャルネオさまに選ばれるようなとびきりの女をな。それがもっとも平和的で現実的な解決策だ」
* * *
「……やれやれ。『何でも屋』ってのもラクじゃねーな」
ニャルネオの屋敷を出た少年――レオンは小さく呟くと銀髪の髪をかきまぜた。
個人・企業を問わず、様々な依頼を引き受けて報酬を受け取り生計を立てる『何でも屋』の一人である彼は今ある依頼の遂行中だった。
依頼人は、5番街で娘とひっそりと暮らす老人――ソウタロウ・マッスルアーム。
そのソウタロウ氏の言うことには――
『ほっほっほ。なにやらうちの娘のフジコがニャルネオ氏を気に入ってしまったようでしてな』
『嫁オーディションに参加すると言って、勝手に家を飛び出して言ってしまったのですよ』
ということらしい。
なるほど。ニャールマーケットには良くない噂も多く、愛娘(?)を心配する気持ちはよくわかる。
だが、結婚は本人の自由意志ではないか、とレオンは思わなくもない。
しかし、ソウタロウ氏が心配しているのはそういうことではなかった。
『いえ。ほら、うちのフジコの愛情表現はいくぶんアグレッシヴというか、少々激しすぎるところかありまして……。万が一、ニャルネオさんの身に何かあると、相手が相手だけに後々面倒かと』
まさかの心配しているのはニャルネオの身の安全の方だった。身の危険、といった方が適切かもしれない。
「……それにしたって、普通逆だろ。色々と」
呆れたようにため息を吐きつつ、さてレオンはどうしたものかと考える。
まさか依頼のために関係のない女性を突き出すわけにはいかないし――。
と、そのときだった。
「ねぇ、そこのキミ。ぼくと契約して女体(にょたい)男子になってよ」
「は……?」
次の瞬間、
レオンの姿は見目麗しい少女の姿に変身していた。【注:服装はイメージです】
何故か胸も出ていた。
「なんでだよ!」
かくして、一人の何でも屋と目つきの悪い灰色猫が出会ったとき、ろくでもない新たな物語が幕を開ける。
というわけで、皆さん。お待たせしました(?)。
『FINYALFANTASY7 REMAKE Ep.2』、待望(水月がやりたかっただけ)の女装回です。
今回はニャルネオさんのオーディションに参加することになったフジコ(に襲われるかもしれないニャルネオ)を助けるために、皆さんに大変な目(=女装)に遭ってもらいます。
あ、もちろん女性のPCさんも普通にご参加できます。むしろニャルネオさんもその方が喜ぶと思います。
あと、女装なんて「興味ないね」なPCさんも歓迎です。強引にそういう展開になります(悪しからずご了承の上ご参加ください)。
なお、ガイドには滝原レオンさんにご登場いただきました。
ご出演頂き、まことにありがとうございました。
さて、例の如く、某RPGの面白さを自分なりに表現するために書いたガイドでしたが
そんなわけで、欲望の街で、新たなる物語が始まります。
シナリオの目的
ニャルネオがフジコさんに襲われないように、(男性は灰色猫と契約して女体男子になって)オーディションに参加して嫁の座を勝ち取ってください。
ニャルネオさんはむっつりスケベなので、エロいアピールをしまくれば勝てます。たぶん。
なお、優勝した人はニャルネオさんの寝室に連れて行かれてしまいますが、
・男性の場合は「にょたいか」が解けて衝撃のあまりにニャルネオさんがショックで昏倒します
・女性の場合はらっ倫に触れそうになった段階でニャルネオさんが鼻血を噴いて倒れます
という結果に多分なりますので、そこはご安心ください(ナニ
アクションで書いてほしいこと
●オーディションに参加する理由・しない理由
オーディションに参加することになった経緯をお書きください。
・何でも屋さんなら依頼を受けて
・フジコが気になる神猫社員なら仕事あるいは個人的な理由で
・ニャルネオのお嫁さんになってセレブになる
・「にょたいか」されてしまったのでノリで
・数合わせのためスタッフに強引に引っ張り込まれて
などなど参加者は何でも屋に限りませんし、参加理由もフジコ(というかニャルネオ)救出以外でも構いません。
また必ずオーディションに参加する必要もありません。
たとえば
・フジコを助けるため(or拉致するため)に屋敷に潜入する
・尊敬するニャルネオのためにオーディションを無事に成功させる
・フジコを探していたら路地裏でニャルネオの部下やチンピラ・神猫兵に絡まれる
などのアクションでもOKです。
●どんな女性になるか(男性PCのみ)
男性PCの方は、灰色猫と「にょたいか」マテリニャの売買契約を結んで、女体化して頂けます。
女体化した場合、どんな女性になるかをアクションにお書きください。
ちなみに、胸やお尻が膨らんだり、ウェストが細くなったりして場合、服が合わなくなる(「にょたいか」は服はそのままです)可能性があります。
要素としては、可愛い系か綺麗系か、胸は大きいか、髪の色や髪形・喋り方などをお書き頂けると幸いです。
ちなみに、女体化せずに女装だけして頂いても一向に構いません(難易度は上がります)。
もっと言うと、男性のまま、女装すらしなくてもまったく問題ありません(熱意があれば参加できます)。
●どんな服を着るか
オーディションで勝つためには服装も大事です。
ニャールマーケットのブティックに行って、素敵にセクシーにドレスアップしてしまいましょう。
なお、衣装代は前払いで依頼主または雇い主から支払われた報酬でまかなえます(何でも屋・神猫社員などの場合のみ【個人的な理由で参加する場合は自腹です】)。
値段はリーズナブルなので、「浪費癖がある」「給料が安い」などの特段の事情がなければ、好きなものを一式揃えられるはずです。
ニャルネオさんはむっつりスケベなので、セクシーな衣装に身を包めば、
オーディションの勝率はうなぎのぼりです。
服装にこだわりがあれば具体的に、よくわからなければセクシー度だけ1~5の範囲でご指定ください。
ちなみにセクシー度1は普通のドレスレベル、5は葉っぱ1枚レベルです。
お着換えのシーンもリアクションのうちなので、どんなふうに着替えるのかもお書きください。
(例:嬉々としてエロい格好に着替える、店員さんに無理やりエロい格好に着替えさせられるなど)
●どんなアピールをするか
オーディションは自己アピール審査とドレス審査で行われます。
・生い立ち
・お嫁さんになったら何をしてあげたいか
・何か自慢できる特技はあるか(30秒の実演時間あり)
の3点について、ハートキャッチニャルネオなアピールをしてみてください。
舞台
・ニャルネオの屋敷
ニャルネオが住む豪華な邸。
無駄に広く、現在はオーディション会場が特設され、
スポットライトやマイクなどアイドルオーディションさながらの設備がある。
・ブティックシラサワ
ふくよかで上品なマダム・シラサワが取り仕切るブティック。
可愛い系からセクシー系までどんな衣装でも揃う、夜の街の女性のご用達の店。
世話好きのマダムシラサワにお願いすれば、あれよあれよというまに素敵にドレスアップすることができるでしょう。
人物
●ニャルネオ
マーケットを統べるドン。
むっつりスケベ。
おっぱいマウスパッドで巨万の富を稼ぐ。
パンツは水玉。
「そう。私がニャールマーケットを統べる王。ドン・ニャルネオだ」
●フジコ
5番街で育った筋骨逞しい少女。
ニャルネオが気に入ったようで、オーディションに殴り込む。
「私はフジコ。それ以上でもそれ以下でもないわ。趣味は筋トレ。特技はダンスよ」
●ブティックシラサワ
ふくよかで上品なマダム。
服装のセンスは抜群で、ニャルネオの好みも知り尽くしている。
若い頃はもっと痩せていたらしい。
「ふふふ。素敵。とってもよく似合ってるわよ」
●影の薄い女性
オーディションに参加する女性(?)の一人。
どこかで見たことがあるような、ないような……?
「私の名前は……シュンスケ子。趣味は裁縫ですのよ、と」
●ミギー
ニャルネオの部下。モヒカン。テンション高い。
オーディションの司会担当。
謎の施設、地下闘技場の司会もやっているらしい。
「さあ、ついに始まりました! ニャルネオさんのお嫁さんを決定するニャルネオッオォォディション!!!」
●ヒダリー
ニャルネオの部下。スキンヘッド。テンション高い。
オーディションの司会その2。
謎の施設、地下闘技場の司会もやっているらしい。
「今回のオーディション! 参加するのはッ、12人の選ばれた美しい花嫁候……ん??(会場に並ぶフジコを見つつ)」
●若い男(コータ)
ニャルネオの部下。門番。名前はコータ。
屋敷に殴り込みをかけようとする「何でも屋」達にオーディションの参加を促す。
「ニャルネオさまに会いたいなら、ニャルネオさまのルールに従え。ここはそういう街だ」
●目つきの悪い猫
あやしい光を放つ謎のマテリニャ「にょたいか」を売ってくれる謎のねこ。
神猫カンパニーのマスコットに非常によく似ているが……?
(……ちっ。俺が何でこんなふざけた役を……【超小声】)
おわりに
最後までお読みいただきありがとうございます。
我ながらヒドいガイドですが、とてもとても楽しんで書きました(元ネタをガイドに落とし込むのにちょっとだけ苦労したのはナイショ)。
それでは、皆さんの参加をお待ちしております。