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携帯戦記カプセルギア 愛光島日記
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【何気ない日常】
鷹司 玖音は嘆息した。
「さっきの授業、またタブレットをいじっていただろう、凛。例え興味が無くとも、先生の授業には真摯に耳を傾けるべきだ。失礼だろう」
「だってつまらないから」
対して御津星 凛はけろりとして、弁当箱のウィンナーをひょいと口へ放り込む。
昼休み、幼なじみのふたりが中庭で昼食を取るのはいつもの光景だ。玖音のお説教が始まり、それをさらりと受け流す凛のすまし顔も。
「それに。髪飾りの『目』が授業を見て聞いてるし。何か問題でも?」
「授業態度の話をしてるんだ……」
凛のツインテールを飾るアクセサリはただの装飾品ではなく、カメラも収音マイクも仕込まれている精密機器だ。こうした機材のロジックを自作のプログラミングで制御するのが凛の特技であり、どちらかといえばアナクロな玖音の理解はどうにも及ばないのだった。
玖音の特技はといえば、馬術。弓術。礼節を尊び、誠実な紳士たらんと気を張っているが、まるで小学生めいた童顔や小柄な体躯にはコンプレックスを持っていたりする。
デコボココンビと呼ばれることもあるが、不思議とふたりが共に過ごす様ははた目にも違和感なく、自然に見えた。
「凛、聞いているのか」
「使わない授業の話よりも。使える知識と技術を身に着けるほうが。有意義だと思うけど。……もらい」
「学生は先生の言うことを深く受け止めるべきで、あっ! わ、私のからあげを……! 勝手に人のからあげを食べるな、凛!」
「クオンのお弁当。美味しいから好き。そうやってツッコむクオンも。かわいいし」
「むうっ……またそうやって、私を子ども扱いして!」
幼なじみだ、自然にも見えよう。
けれど。
(……また、か。凛を呼ぶと、なぜだか……)
(また。なんかヘン。クオンを呼ぶと……)
違和感は互いの胸の内にこそあった。
決して居心地が悪いわけではない。どこかあたたかい、この既視感。
覚えのない、懐かしい感覚。
玖音が
鷹司 凜太郎
の名を呼び起こすことはない。
凛が
スピカ・フォーツ
の名を偲ぶことはない。
記憶は水底のごとき深い領域へと秘されている。
それだからこそ、ふたりの関係はまるで睦み合うように自然体であったのだ。
放課後も帰途もまた何事も無く、緩やかに過ぎゆく。どちらも違和感をあえて追究し掘り下げようと思うことはなかった。
満ち足りていたから。
「まったく。授業態度の悪さも、私の弁当を勝手に食べる意地汚さも、学校へ私物を持ち込み放題なのも、凛の姉妹たちにしっかり報告しなければな」
「別にいいけど。クオンは知ってるはず。あのふたりに話しても意味ないって」
「……それもそうだが」
凛の姉の亜理紗も、妹の迦楼羅も、あまり二女に厳しいほうではない。よって彼女を適度に締め付ける役割は玖音に任されていたが、その成果は実に牛に経文、馬の耳に念仏というやつである。
玖音ははあとため息をつき、
「まったく。凛だけじゃない、この頃は学生もすっかりたるんでいる。嘆かわしいことだ。知っているか? クラスの連中などは、学校に玩具を持ち込んで遊んでいたんだぞ」
「玩具?」
「あれだ、最近少し話題になっている……カプセルギア、だったか」
「ああ。知ってる。私も気になってる」
「えっ? り、凛もやっているのか?」
「まだちょっと……手は出せてない。クオン。いっしょにやる?」
凛のなにげない言葉に、玖音はきょとんとして目を見開き、直後に顔を赤くして慌てた様子で両手を振った。
「な、なにを……! 私がそんな、玩具など! そんな年齢ではない!」
「でも。やりたそうだったから」
「べ、別に! なんとなく、気になっただけだ! ちょっとだけだ!」
どうやらやりたいようだ。
それに凛が気になっていると言ったのも、本当のことだ。
「カプセルギア……か。そう、なにか……どこか、気になって。それだけなんだ、ただそれだけ」
「ん……」
知る由も無かった。それこそが自身にもっとも縁深く、彼らに封じられた『マスター』たちとの記憶の架け橋であることを。
やがて邂逅を果たすカプセルギアこそが、玖音の、凛の真なる姿を呼び覚ますことを。
「では、また明日な」
「うん」
凛とふたりの姉妹が住む家へ彼女を送り届け、玖音は踵を返す。
さらりと別れ、また明日、いっしょに登校する。長くそうしてきたように。
少なくとも、ふたりの記憶はそれを良しとしていた。心地良くも思っていただろう。
「……凛」
「なに?」
気が付けば玖音は、扉へ手をかけた凛を呼び止めていた。
「なにか、感じていないか。こう……日常の中で、なにかを」
空色の瞳がかすかにまたたき、玖音を見つめる。
髪飾りは彼女の『目』だ。他人にはない『目』を通じて、凛は世の中を見つめてきた。
あるいは。もしかしたら。玖音には予感があったのかもしれない。彼女がなにかを教えてくれるのではないか。気づかせてくれるのではないか。
「クオン」
「う」
凛はおもむろに人さし指を伸ばし、ぴ、と玖音の唇をふさいだ。ほのかに灯るような青い瞳で、玖音の金の瞳を覗き込む。
「もう少し。まだ少し。クオンと、こうしていたいから」
青と金が絡み合い、揺れた。
そうして玖音は、彼女の紡いだとりとめない答えにどこか安堵している自分に気が付いた。
「そうだな。もう少し」
「うん。クオン」
「ああ、そうだな、凛」
日々は続いてゆく。色褪せず、きらめくままに。
偽りとて、甘い幸福ではあった。記憶の中の真実にも劣るところなく、手放しがたい日々だった。
いつか終わりは訪れよう……けれど、もう少し。まだ少し。
ふたりの日々は、続いてゆく。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
学校生活
SF・ファンタジー
バトル
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2020年07月24日
参加申し込みの期限
2020年07月31日 11時00分
アクション投稿の期限
2020年07月31日 11時00分
参加キャラクター一覧
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