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携帯戦記カプセルギア 愛光島日記
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【再会】
モノクロームのような空だった。日の光は淡く、分厚く雲が垂れこめ霧にけぶっていた。
岸崎 竜と月上 蘭の出会いはおよそ安穏とは遠い戦いのさなかではあったが、なればこそ互いの絆を確信するのに時はいくらもかからなかった。
「……月上さん、今だ!」
「よしっ! いけぇぇぇ!!」
白黒の垂れ幕めいた空へ、声は二重に響いた。
「まったく、喜屋武め。朝から余計な体力を使わせおって」
これも風紀委員としての務めと言えたものか、今朝も風紀を乱す不埒な輩と追いかけっこなど演じてしまった。
いささか入れ込みすぎにも映ったが、自分の負った責務に相対する蘭の態度は常から真摯であったし、さりとて厳しすぎるということもなく、時には一介の乙女として愛嬌ある顔も見せ、生徒らからは概ね慕われているようだった。
そんな自分も変わらぬまま、日々過ごしてゆくのだろうと蘭もまた漠然と思っていた。
心のどこか、打ち込まれた楔の存在を感じながら。
「ん? なんだ、これは?」
廊下の真ん中に、見慣れぬ物が落ちていた。
10センチ程度の小さな、おもちゃの人形だった。
「確か、そう。カプセルギアといったか」
近頃話題であるらしい。なかなかにのめり込み甲斐のある遊戯だと、クラスの男子たちが盛り上がっていた。
無論のこと玩具を校内へ持ち込むなどけしからぬことであり、風紀委員としては憂慮すべきだ。しかし、どこか……なぜだか、
「……?」
気にかかった。
思わず手に取り、触れた。大鎌を携えた、黒い花嫁衣裳に身を包むカプセルギア、そのなだらかな胸へ指を這わせたところで、衝撃と怒涛の奔流が蘭の内を駆け抜けた。
雷光がごときそれは、記憶。思い出。そういったものだ。頭頂から足先までを貫かれ、押し寄せる波濤にひとしきり翻弄された後、蘭は己を取り戻した。偽りの世を悟った。
蘭はちっぽけで儚い、風紀を乱す玩具をそろりと取り上げ、こぼれそうに涙を瞳に溜めながらに想いを吐き出した。
「嗚呼。主様……! このようなお姿になられて……!」
彼の手のひらに乗り、見上げた顔を思い浮かべた。
滝原 レオン
。
「……はっ!?」
自身も思いもよらぬ身のこなしで飛び退くと、蘭は再会を乱す不埒者を睨む。
全てが合致していた。手に握りこんだこのカプセルギアへ、主が身を変じたことも。
まるでモノクローム。色の無い学校制服を着込み、色の無いカプセルギアを構えた、この襲撃者の正体も。
全てが、蘭の取り戻した記憶と合致した。
「主様……」
スマートフォンを取り出す。
「しばしのご無礼をお許しください」
眉目秀麗。成績優秀。加えて人柄も誠実、おまけに剣道部で鍛えた健やかな精神と優雅な立ち居振る舞いをあわせ持つに至れば、竜が王子などと呼ばれ羨望に満ちた眼差しを向けられるも自然な流れと言えた。
「おはよう、竜くん!」
「きゃあ、岸崎王子! お、おはようございま~す!」
「岸崎、おはよう。今日も早いな、感心感心」
「おはよう、みんな。先生もおはようございます」
竜の登校風景は一大イベントだ。人が惹かれ、集まり、華やいだ。端正かつ品行方正でありながら自分を飾らず、気配りが行き届き好感に満ちた彼を誰もが慕ったし、陰で揶揄するような噂もついぞ聞くことはなかった。
「岸崎くん、竹刀を持ってるってことは今日も剣道部? 頑張ってね!」
「うん? ああ……そうだね。ありがとう、嬉しいよ。けれど残念ながら、今日の部活は休みなのだった。君に言われて思い出したよ」
などと、凛としているのに時おりさらす隙がまた可愛らしいのだと、ことに女子たちは黄色い声を上げるのだった。
けれど……それも今、この瞬間までのことだ。
「おや? これは、誰かの落し物かな?」
ふと拾い上げた人形に触れた時、竜を取り巻くことごとくは変容を遂げた。
「あっ、私知ってる。カプセルギアっていうんだよ、このオモチャ。今愛光島中で流行ってるんだって……竜くん? どうしたの?」
「カプセルギア……」
流れ込む記憶の奔流は止め処なく竜を打ち、否応なく彼は全てを取り戻した。
「……マスター」
自身がカプセルギアであったこと、主の名は
滝原 カノン
といったこと、私立愛光島高等学校とはそれらを隠す霧のヴェールに等しいこと。
全て思い出して、己の成すべきことが定まってゆくのを自覚した。
竜の胸に、これまで過ごしてきた学生生活への未練が無いこともない。今や親しい者もあったし、友人もできた。こうして竜を囲む人々を好ましくも思っているし、それらを捨て去ることには寂寥も禁じ得ない、しかし。
「少しだけ待っていてくれ。僕は必ず、君を救うと誓おう」
「りゅ、竜くん? 急になにを……」
己を取り戻すことを躊躇いはしなかった。
世界は偽りだ。そこで得た全てが価値なきまやかしとも思わないが、それでも自身が在るべきはここではないという思いは、ことのほか強く竜を急き立てた。
かつて主がそうしたように、カプセルギアは今、竜の手のひらの上にある。
彼は全てを置き去りに、弾かれたように駆け出した。
「『BB』(ブラックブライド)!」
ギアバトルとなれば、ギアネームを呼ぶべきだろう。蘭に呼応し、黒い花嫁は大鎌を振るう。
敵はライフルを構えた白黒のカプセルギア。動きは鈍いようだがその狙いは正確無比であり、BBは回避を重視しながら接近を試みる。
「そこだ!」
狙いすました一射を大鎌で弾き一気に肉薄するも、相手とてただ者ではない。銃身で受け止め、勢いを殺さぬまま回転しつつのリロード、二射目でBBを退けて見せた。
「く……」
蘭は歯噛みした。主が自分を操るときは、どのように指を滑らせていただろうか。自身もまたバトルを熟知したカプセルギアであり操縦の腕前もそう主に劣るものではなかったが、何かが欠けているように感じる。
それを埋めるものはなにか。
ちらと敵ギアマスターの様子を覗き見る。背筋に冷たいものが走った。まるで感情が見えない、虚ろな瞳がこちらを見据えていた。
ライフルは雨あられと銃弾を吐き、防戦一方の欄とBBは次第に追い込まれていく。
「このままでは……」
「危ない!」
致命の一撃を受け止めたのは、飛び込んだ騎士型カプギアの大盾だった。
「お前は、確か……主様の弟君の」
「やっぱり、あなたはマスターの兄上の……!」
岸崎 竜。そして月上 蘭。
主と主。絆は再び結ばれた。
「ここは共闘を……僕が敵の攻撃を引き付ける!」
「っ、心得た!」
すぐにも作戦は定まった。
竜の操る『ベディヴィエール』が盾を構えて前進し、その陰からBBが隙を伺う。
ライフルがマズルフラッシュを二度閃かせ、盾が重く鳴る。それでも退かず、じわりじわりと距離を詰めた。
やがて間合いが迫り、ベディヴィエールの盾が至近での一射ごとライフルを弾くと、
「……月上さん、今だ!」
「よしっ! いけぇぇぇ!!」
そこはもう、BBの振るう大鎌の射程内。必殺の間合いを逃さず、刃は閃いた。
「やった! ……っ、これは!?」
「まさか……」
モノクロームのカプギアは吹き飛び、動くのを止めた。
直後、それを操っていたはずの白黒制服の人物が、まるで霧が晴れるかのように散り、消えてしまった。
「カプセルギアが本体だったのか……」
「そう。これはきっと、僕らをこの世界に押し込めた、あいつが差し向けてきた敵だよ」
互いにうなずき合う。
ふたりへ飛び込んだ記憶の濁流は今や清い流れのように静かな定着を見せ、彼らはそこから敵の正体を推察することもできた。
この世界の、『始まりのカプセルギア』。夢幻の主。
打ち果たすべき敵は、この偽りの島のどこかにいる。
「月上さん」
「ああ、分かっている。我らがマスターのため、手を組むべきだな。岸崎」
「そのとおり。僕らは行かなくては」
高校生活も悪くはない。しかし一時の夢だ、留まり続けることはできない。
記憶が叫ぶのだ。かつて抱いた想いを繰り返し、繰り返し。
『マスター』と。
「必ず、取り戻そう」
「無論だ」
並び立つふたりは慈しむようにカプセルギアを握り、やがて歩き始めた。
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墨谷幽
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シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
学校生活
SF・ファンタジー
バトル
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2020年07月24日
参加申し込みの期限
2020年07月31日 11時00分
アクション投稿の期限
2020年07月31日 11時00分
参加キャラクター一覧
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