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朧冬の蜃気楼/a hazy mirage of winter
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ふさふさに長い灰色の眉毛で目が隠れてしまいそうだ。髪の毛も灰色、この両者があいまって、なんだか長毛種の大型犬のように見える。
「はいはい、みなさんお集まりいただいて……臨時休業というときに申し訳ありませんよ」
妙にふがふがと間延びした口調である。差し出した名刺には『
吐前 亀二郎
』とあった。苗字にはわざわざ手書きで『はんざき』とルビがふってある。たぶんよく読みまちがわれるのだろう。
クラブ『プロムナード』に事情聴取に訪れたのはこの老刑事だった。
好々爺風のしわだらけの顔、何歳かはわからないが定年間近ないし定年後の延長雇用なのは確実だろう。物腰はやわらかいがいささかやわらかすぎるように見えるし、口調を含め動作は緩慢だ。
刑事というから切れ者が来るのかと思っていたので、真遠はいささか拍子抜けした。
「はいはい、そちらさまは、はい、顧問の司法書士さんね。はい、どうもどうも。はいはい……」
いつもは客で賑わう店内も、今日は閑散としていた。音楽も流れていない。
珍しく私服姿で集まったキャバ嬢たちを含む一同は、不安げに視線をかわしあっている。
「はいはい、じゃあバックヤードをお借りして、そこでお一人ないし数人ずつでお話をうかがっていきますよ。はい、弁護士さんはもちろん同席していただいて結構です。まずは店長さんからこちらへ。はい……」
のたのたと歩いて行く吐前(はんざき)刑事にアーナンドが続いた。
「ああ……じゃあいてきますー」
普段は夏の太陽みたいに明るいアーナンドがすっかりしょげかえっている。
その後順当に泰葉や
紗央莉
(さおり)も呼ばれていった。
「やっぱり信じられない……まみ子が銃で撃たれたなんて……ありえないよ……」
こらえきれなくなったのか、行く途中で紗央莉が泣き出した。
「紗央莉さん、しっかり」
泰葉が紗央莉の肩に手を置く。その手を紗央莉は反射的に払いのけるのではないかと真遠は思った。紗央莉のキャラならありえる。
ところが拒まず、それどころか「ありがとう」と返して紗央莉は涙を拭いたのだった。
紗央莉は普段から言動に問題があり、大半の嬢とは仲が悪いというのが真遠の印象だった。とりわけ泰葉に対しては、極端なまでに敵意を向けていたはずだ。まみ子とも、まともに口をきいているところを見たことがない。
そんな紗央莉がまみ子の身を案じて涙し、泰葉のなぐさめを受け入れている。
知らぬ間に関係が良くなったのだろうか。それともこうした『フツウ』の対極のような事態が状況を動かしたのだろうか。
そういえば今夜の泰葉は、どことなく強い印象だ。もともとの芯の強さが出ているだけかもしれないが。
そんな紗央莉と泰葉の様子を見ながら、なぜかあんなが涙をこらえている。
一通り聞き取りが終わると刑事は「はいはい、どうもどうも」などとモソモソ言って去って行った。
「やれやれ……」
自分は特にかかわっていないため聴取はあっと間に終わったものの、真遠は疲れて店のソファに腰を沈めた。やはり緊張した。普段はここに座ると隣に
恋々
(レンレン)なり
夕顔
なりが座ってくれたものだが、いま同席しているのは弁護士とアーナンドだけだ。
アーナンドがポツリと漏らした。
「……あの刑事さん、すごい人よ」
「ええ、吐前刑事は怖い人です」
弁護士も言う。刑事事件でかかわった関係上よく知っているらしい。
思わず真遠は聞き返した。
「あのおじいさん刑事が?」
「そうです。脅したり怖がらせたりは絶対しません。立て板に水の調子でテキパキ話すわけでもない。ですがあの感じでソフトにじっくり、こちらから得たい情報をするすると聞き出してしまう。さすが数々の難事件を解決した人ですね」
「そういうものなのか……」
「だから私、店では私しか知らないまみ子ちゃんの事情も明かしてしまったですよ。まみ子ちゃんに申し訳ないーです。伏せてほしかったはずなんですけど」
先生にも言っておきます、とアーナンドは語った。
まみ子こと
姫木じゅん
のことを。
彼女が中学生だった雪の日、義理の父親を刺して補導されたこと。地元にいられなくなり、逃げ出すようにして東京へ移ったのち流れて寝子島にたどり着いたということ。この道に進んだのも望んだからではなく、この日本で学歴も手に職もない女性ができる仕事といえば夜の仕事しかないと考えたからだということも。
「そうか……」
真遠は視線を落とさずにはいられなかった。
まみ子、いや姫木じゅんが義理の父親を刺すに至った事情はわからない。けれどもおおよそ、まともな状態ではなかったとは想像がつく。
「みんな聞いて」
夕顔が暗い面持ちで告げた。
「救命医に問い合わせたけど、まだまみ子ちゃんの意識は戻らないらしいわ」
重傷ではあるが致命傷ではない、そう聞いていた。
けれどそれからもう半日以上経つというのに。いまだこの状態なのだ。倒れたときに頭でも打ったのか……。
無力だ、俺は――真遠は思った。
祈ることしかできない。
大学受験の時、惰性で法学部受けるんじゃなく医学部受ければよかったか。
そんな考えまで頭をよぎった。
その頃。
夜も遅くなり自宅に帰り着くと、脇坂香住は捨て鉢な気持ちでもう一度、自分のこめかみに銃を当てていた。
(世界は枝分かれした)
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
オールジャンル
定員
5人
参加キャラクター数
5人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2020年07月22日
参加申し込みの期限
2020年07月29日 11時00分
アクション投稿の期限
2020年07月29日 11時00分
参加キャラクター一覧
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