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唐突な使命
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そのとき見たのは夢だと思っていた。
奇妙な形をした黒いラインに取り囲まれた世界。
その線は、よく見ると魔方陣のようなものを形作っている。
地に描かれた精緻な魔方陣のただ中に、
逆巻 天野
は立っていた。
「……そんな奇妙な夢だと、そう、夢だと思っていたんだけど」
逆巻は、ベンチに腰掛けながら語りかける。
その隣にいるのは、彼に尻尾を掴まれた一匹の猫。
ぎゅっと握られているにも関わらず、目つきの悪いその猫は一向に気にした様子はない。
入学式の日、突然急ブレーキを踏むちょっとした鉄道トラブルに巻き込まれた逆巻は、頭をぶつけて一時的に意識を失った。おかげで入学式に出席しそびれた彼は、講堂での出来事にも遭遇していない。
その際に見た奇妙な夢――。
「今思えばあのとき僕はろっこん? に目覚めたんだね」
彼の言葉に、猫ではないその猫は、にゃあ、と猫じみた声を上げてみせた。
が、逆巻の耳にはそれがきちんと人間の言葉として届いている。
「そうかもしれないな。その内容も、お前の持つ能力とよく似ている」
「へえ、僕がどんな能力を持ってるかも、知ってるんだ」
教えてよ、とあくまで落ち着き払った声音のまま、尻尾を掴む手に力を込める。その様子に猫らしからぬため息を着くと、猫は面倒臭そうに一言告げた。
「お前の性格によく似た、捻くれた力だ」
最初は猫又かと思ってちょっかいをかけた猫は、どうやら神様だったらしい。しかし神様といえど今の体はただの猫。習性として、やはり尻尾に触られるのは落ち着かないように見える。
「発動条件は?」
「知らん」
「教えてくれないと、尻尾もぐよ」
込めた力に、にゃご、と猫の口から人間じみた溜息が漏れ出る。
「……地面に魔方陣でも描いてみな」
「魔方陣? それって僕が描かないといけないの?」
「当たり前だろ」
神様は短くそう告げると、話は終わりだと言わんばかりに猫の鳴き声であくびしてみせた。
「自分で……? うわ、めんどくさ」
夢の中で見た複雑な陣を思い出し、逆巻は思わず顔をしかめる。自分で描かないといけないとなれば、画材も必要になってくるだろう。
それにしても、と自身の能力はいったん置いて逆巻は考える。
なぜこの猫は自分だけ神様のままなのか。
ののこという名の少女が力をばらまいたのは、故意ではないのか。
逆巻がこの島を訪れたのは、この島についてより深く知りたかったためだ。しかし彼がかつて思い描いていた島が、今回の騒動のせいで大きく変わろうとしている。
頭に引っかかっていたそのことを問いかけてみるが、神様はもはや神様ではなくただの猫になってしまったようだ。彼の疑問に答えることなく、猫は猫の声で鳴くだけだ。
「……ちょーしのいいヤツ」
この問いかけに彼は答えるつもりはないのだろう。
逆巻はため息を一つ着くと、ぱ、と尻尾を掴む手を離した。
結局テオからは、自分の力以外のことは聞き出せなかった。
とある日の放課後。夕暮れに染まりつつある教室で、逆巻は友人の
真辺 伸幸
にそう話した。
「ぬーん。でもあまくんの力を知ってるってことは、ほんとに神さまなんだろうねぇ」
ふああ、とあくびをひとつしながら真辺は言う。
そんな真辺が初めてろっこんを発動させたのは、入学式が過ぎてしばらく経った日。
ゆるやかな昼休み。校舎裏でひとり春の日差しにのんびりと身を休ませていたときのことだった。
お弁当を食べた後ということもあり、ただでさえ寝るのが好きな彼の意識は、もはや陥落寸前だった。
「ぬー……お布団……」
こんな日はもう帰ってお布団で寝てしまいたい、が、入学早々授業をサボる訳にもいかない。
だめだめちゃんと起きてなきゃー、なのよー、と自分に言い聞かせる声もすでにおぼろげだ。
うっすらと太陽を覆っていた雲が、のんびりと流れていく。少しだけ強まった日差しは眠気と戦う真辺には少々眩しすぎた。ごろん、と寝返りを打つと、体を完全に校舎の影の中に移動させる。
「帰りたいー……ぬーん、でも授業が……ぬー……でももう眠くて……」
帰るー。
真辺が思わずその願望を口にしたときだった。
ふと、周囲の空気が変わった。その違和感にほとんど閉じかけていた瞳を開くと、そこは見慣れた部屋――そう、猫鳴館にある自室だった。
しかもなぜか、実家から持ってきた文机の上に座っている。
「……ぬ?」
寝ぼけ眼をこすりながら、真辺は周囲を見回した、が、やはりここは何の変哲もない自分の部屋。
「俺……いつの間に帰ったの?」
ついに寝ながら歩くようになってしまったのか、それともこれは夢なのか?
そう考えたのはしかし一瞬のこと。すぐに再び眠気に襲われた真辺は、結局自室でごろんと横になるのだった。
今思えば、あれも夢じゃなかったのよねえ。
逆巻の話を聞きながら、真辺も自らの体験を思い出していた。
あのあと自室にカバンがないことに気づいた真辺は、放課後学校まで取りに戻った。その際に先生に見つかって「お前はどこに行ってたんだ!」と怒られてしまったけれど、気が付いたら家で寝てました、だなんて言える訳もなく、適当にごまかしてその場を逃れた。
それからいろいろと試してみた結果、日蔭にいるときに「帰る」と言ったら本当に家に帰ってしまうことが分かった。ぼんやりと睡眠を読書を好む彼にはうってつけの力であったが、それだけでは済まされない。
「けれど、フツウの人からしたら、気味悪い力って思われても仕方ないのよねえ」
相変わらず間延びした声音で、けれど少しトーンを落としながら真辺は言う。
そんな友人に、逆巻も小さく頷いた。
「ああ。しかも、俺たちの他にもあらゆる力を得てしまったヤツがいるとしたら――」
「大変、なのよねぇ」
たとえ悪気がなくとも、無自覚でとんでもないトラブルを起こす出来事は今後十分に起こりうる。
この力で決して普通の人のフツウを脅かさないように。それは真辺が力を得てから悩み、やがてたどり着いた守るべき答えだった。
夕日がゆっくり傾いていく。そろそろ帰ろうかー、と真辺はカバンを持ってへらりと笑った。二人の寮は同じ猫鳴館だ。
真辺は決して『帰る』とは言わなかった。一緒に帰ろうと、逆巻を見ながらもう一度言う。
そんな友人の笑顔に応じるように、逆巻も立ち上がった。
放課後、友達と一緒に帰る。そんなごくフツウの日常すら一転してしまうかもしれないこの世界。
真辺と並んで歩きながら、彼は胸に決意を一つ秘めた。
――めちゃくちゃになる前に、この島を守らないとね
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
花村翠
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
神話・伝説
定員
30人
参加キャラクター数
30人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2013年09月16日
参加申し込みの期限
2013年09月23日 11時00分
アクション投稿の期限
2013年09月23日 11時00分
参加キャラクター一覧
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