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白いハコニワ~ホワイトアウトな白昼夢~
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「最期って……どういうこと? いったい誰の最期……なの?」
羽生 碧南
は和室で女将の言葉に聞き返していた。もしこの温泉旅館に招待されたままこの夢が『最期の時』を迎えてしまったら、いったいどうなるのだろか。
「なら、さっさと元に戻してくれねぇか。巻き添えはゴメンだぜ」
先に
夜海霧 楓
が冷静に意見する。確かに、勝手に招待されて勝手に道連れにされるのは勘弁願いたいというのは当然だ。
「それはそうかもしれないが……女将をこのままにしていくわけにもいかないだろう」
八神 修
は気付いていた。最初は数十匹の白猫と共に現れた女将だが、その白猫が減ってきていることに。女将や白猫の様子を伺いながら、続ける。
「女将……その白猫はあなた自身……何らかの力の状態を意味しているのではないですか」
☆
「……」
ミコは立ち止まった。
「……どうしたの?」
綾辻 綾花
は訊ねた。先ほどまで混浴風呂を楽しんだふたりは旅館内を散歩していた。
「アヤカ。わたし……思い出しました……何をしに、ここに来たのか」
綾花を見つめるその視線は真剣そのものだ。対して綾花は、ここに来る直前の記憶を徐々に取り戻しつつあった。
「ミコ……っ」
激しい頭痛。何かが周囲で動いているのを感じる。この旅館の空間自体が、歪んでいくような感覚。
「はぁっ……!」
呼吸も整わないままに、
恵御納 夏朝
は廊下を走っていた。アテはない。アテはないが、ただ走るしかなかった。何となくわかっている――この夢の終わりが近いことを。
探している人物は、
天利 二十
だ。その娘であるフィリア・天利のことを思い出そうとすると激しい頭痛がした。つまりこの旅館の主はその記憶を隠したいのだ。とすれば、その父親である天利が無関係な筈はない。
「天利さん……!!」
「……よお、学生さん」
天利はそこにいた。小さな小箱を持ったまま、廊下に立つ綾花とミコに向かおうとしている。その表情を見る限りでは、天利もまた自分と同じような頭痛を抱えているのだろうと夏朝は思った。
つまりそれは、天利もまたフィリアのことを思い出しかけていることを意味している、とも。
☆
「いててて……せめて手で優しく追い払ってくれればいいのに」
タオルで弾かれたハチ――
彦生 名瑠
はボヤいた。高速のタオルで叩かれた衝撃で人間の姿に戻ってしまったが、幸い渦中の
御剣 刀
と
北条 冬華
はこちらのことを気にしている暇もなさそうだ。
「も、もう……刀さんは相変わらずですね……」
赤面しつつ柔らかく抗議する冬華に、刀はタオルを渡しながら謝罪する。
「す、すまん。咄嗟のことでつい……とにかくタオルでなんとか隠して……」
刀が差し出したタオルを何とか受け取って身体に巻き始める冬華。ふたりの様子を眺めた名瑠はふと、周囲の様子がおかしいことに気付く。
「まあ、比較的近距離で観察できたからいいか、退散退散……ん、何だいこれは?」
ここは混浴の露天風呂だが、徐々に視界が白く染まってきている。確かに外は猛吹雪だったが、急に温泉にまで吹き込んできたのだろうか。
「いや……違う、これは……」
雪や自然のモヤではない。白いヴェールがすべてを覆い隠すかのように、周囲を白く不明瞭にしていく。
しかも、眠い。猛烈な眠さに抗うことができず、名瑠のまぶたがゆっくりと閉じていく。
☆
「その通りです。この白猫は、あたくしの分身のようなもの……あたくしに残された力を示しています……そして、そろそろ、それが尽きようとしているのです」
女将は修の疑問に答えた。少しずつ古い和室の壁が白い煙のように消え去っていくのがわかる。
そのあとは、ただの白い空間だ。そこには天利や夏朝、綾花とミコもいた。
「他のお客様方は、元の所へお戻ししておきますので、ご心配なく……」
女将の声が消え入りそうに小さい。
「ねえ、どういうことなの? この旅館と女将さんは、いったい何だったの?」
羽生 碧南
が当然の疑問を口にする。女将はすっとミコの姿を指差した。
「あたくしも、かつて彼女のように『月』から来たのでございます……」
その場で崩れ落ちる女将。碧南が駆け寄ると、女将は一匹の白猫に姿を変えた。おそらく、こちらが本当の姿なのだろう。
「あ、あの白猫……」
綾花が声を上げる。それは、いつかの夜更けに見かけた白猫ではないか。
女将……いや、その白猫は話を続けた。
「あたくしは……そこにいるミコ、『月』の先代のミコなのでございます」
「!?」
「そもそも、あたくしは『月』からこの寝子島に来て、事故により記憶と力を失い、この島の人々に助けられました。そして、いずれ来るであろう次のミコと金色うさぎ達に対抗するために、夢を通じて皆さんから少しずつ力を分けて貰っていたのでございます……」
白猫は震えながら、懸命に語った。
「皆さんからフィリア。天利の記憶を一時的に奪ったのはあたくし……このハコニワで、ミコの中の『黒』を抑えるために時間が必要だった……ですが、それも、ここまでのようです……」
その光景を見つめながら、綾花の隣に立つミコは、ぽつりと呟いた。その表情は、綾花から見ることはできなかった、けれど。
「はい……ワタシは、フィリア・天利を捕まえに、来たんです……次の『ミコ』として」
白い風景が明ける。気が付くとそこは、寝子島駅の前だった。
空から降り注ぐ無数の金色の光。駅の改札をくぐって立ち尽くすフィリア。
横たわる一匹の白猫。
それを囲むように立っている数人の男女。
それが、一匹の白猫が必死に守ろうとした、守れなかった、白い箱庭の――
最期だった。
<END>
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あとがき
担当マスター:
まるよし
ファンレターはマスターページから!
皆さんこんばんは。まるよしです。
今回は前回の続きという感じで始まった温泉シナリオでしたが、いかがでしたでしょうか。
いよいよ天利の娘フィリアと『月』からのミコ、そして温泉の女将と白猫など、書きたい事柄が多すぎて詰め込みきれなくなってきた感じです。
その分、面白くなっていればいいのですが……まだまだ修行不足です。
今後の展開でもう一転二転するかもませんので、もうしばらくお待ちいただければ幸いです。
では、またご縁がありましたなら。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
まるよし
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
コメディ
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2020年07月13日
参加申し込みの期限
2020年07月20日 11時00分
アクション投稿の期限
2020年07月20日 11時00分
参加キャラクター一覧
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