新雪とともに日が昇る｜リアクション

新雪とともに日が昇る

☆生徒会室の掃除

（久しぶりの教室だけど、ここで過ごすのもあと2ヵ月と少し）
　１年５組の教室で桜は考える。
　今年の春からは後輩たちが自分たちの机に座ってるのだろう。
　そんなことを思っているうちに、四十九院鸞先生がやって来た。
「おはようございますぅ、それじゃ連絡事項からいきますねぇ。新春恒例の行事として百人一首のかるた大会が行われますぅ。三人一組で自由にチームを作るので、相談しておいてください～」
　連絡事項の伝達の後、宿題を提出した。

　生徒会の会計を務める桜は、放課後寝子高生徒会室へ向かった。
（新年だし今日は生徒会を優先かな）
　水泳部と家庭科同好会にも所属しているので、今年も忙しい日々が続きそうだ。
「こんにちはー……誰もいないか」
　とりあえず箒を出して軽く掃除をしながら他の人が来るのを待つことにする。

「久しぶりの学校ですね……数週間でもかなり懐かしい気がします」
　巫部紫苑は始業式をのんびりと過ごした。
　ホームルームを終え、教室を出たが。
「そういえば、生徒会室は掃除しましたっけ？」
　紫苑は生徒会の書記である。
　年末に掃除したはずだから散らかっては居ないだろうけれど、埃は溜ってるかもしれない、と思う。
「帰る前にちょっと寄って軽く掃除していきましょうか」
　本格的な掃除は後で皆とするつもりだったが、先客がいた。

「あ、先輩明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします」
「明けましておめでとうございます、水上さん。同じことを考えていたみたいですね」　
　挨拶を交わし、紫苑は窓を開けた。
「床はお願いしますね。それじゃ私は机や椅子の埃を拭きますね」
「はい、お願いします」
　紫苑は雑巾を絞って机を拭き始める。
「おっと、これもちょっと埃積もってますね……」
　生徒会室に飾ってある役員の肖像画も、汚さない様に軽く埃を払っておく。

「戸棚の中身は……年末に片づけたから空っぽですねぇ……とりあえず、今日のおやつ用に持ってきたお煎餅とクッキーを置いておきましょう」
　お煎餅とクッキーを二袋ずつ戸棚に入れる。
「さすが先輩」
「ふふ……ひとまず休憩しましょう。そこそこ残ってますけど、茶葉も補充ですね」
「あ、先輩私が淹れます」
　桜の淹れたお茶を飲み、紫苑は微笑んだ。
「ふぅ、お茶が美味しいです……それにしても、私が生徒会ですか……我ながら不思議な物ですねぇ」
「そうですね、私も自分でそう思います」
　桜も頷いた。
「まあ、皆さんが楽しく学校で過ごせる様に私なりに頑張りましょうか……私も楽しく過ごしたいですし♪」
「そうですね♪」
　お茶を飲み終えた二人は、後片付けをして軽くあたりを整理して帰ることにした。
「今年も学校が楽しくなるといいですね♪」
　そう言って紫苑と桜は生徒会室を後にするのだった。