新雪とともに日が昇る｜リアクション

新雪とともに日が昇る

☆ホームルームと部活始め

　どうにか始業式も終わり、碧南は２年９組の教室に帰ってきた。
　先生が来るまでの間はテキトーに駄弁ったりする。
「あー、良く寝た」
　クラスメイトの言葉に呆れる。
「校長先生の話、子守歌にしてたの？」
　そのうちに浅井幸太先生が来た。
「明けましておめでとう。みんな、元気だったか？　さて、早速だが連絡事項だ。今年もかるた大会があるんで、三人一組のチームを考えておいてくれ」
　各種連絡事項を伝えられ、簡単なホームルームが早々と終わる。
　最後は宿題を提出して、その日の授業は終了した。

　碧南の放課後はそのまま部活始めとなった。
　女子バスケ部レギュラーの碧南は久しぶりに体育館に入る。
「寒いときは体が動かないから特に念入りにやらないとね」
　ウォーミングをしっかりと行った後、みっちりと練習。
　キュ、キュ、とシューズに踏み鳴らされる床の音が耳に心地よい。
「思い切って攻めて！」
　後輩たちの面倒を見つつ、自分もロングシュートやレイアップを決めた。
　正月は積んでいた乙女ゲーを存分に満喫したので、多少は身体がなまってるんじゃないかと思ったけでど、そんなこともなかった。
　最初は動きが遅かった後輩たちも、碧南の動きに刺激されたかどんどんスピードが上がってきた。
（いい感じに身体が動く。今どこかの学校と試合すれば勝てるんじゃない）
　ふと目を上げると、顧問の高野有紀先生と目が合った。
（あれ、注目されてる……？　気のせいかな）
　そう思ったとき、先生が満足そうに頷いてくれた。
「いいよ、その調子！」
　こうして初練習は終わった。
（新年早々、いい感じで身体が動かせた）
　練習後のシャワーがいつもより心地よく感じた。