新雪とともに日が昇る｜リアクション

新雪とともに日が昇る

☆食堂にて

　ＨＲも終わり、遠海はいい感じで空腹になってきた。
（もう我慢できない）
　食堂へ向かった。
　昼食時で満席になりそうだったが、何とか席を確保すると、注文に向かった。
「A定食は豚の生姜焼き、Bは白身魚のフライね」
　ふと視線を感じて目を上げると、学食のおばちゃんが（え、あの子が帰ってきた？）というような表情をしていた。
（え、なんでそんな表情をするの？）
　首をかしげながら遠海はいつも通り注文する。
「お願いします。日替わり定食ＡとＢ、寝子島丼、サンマ丼、サンマの蒲焼き丼、寝子まんま、サンマさんランチ、スタミナ丼、それから……」
　その他定番メニューを片っ端から注文した。
　最初にできた分を席に運び食べ始める。
（新年の食堂開き、食べ初めね）
　久しぶりの学食のご飯は美味しかった。
　次から次へと料理を平らげ、残すことなど考えもしない。
　周囲はあっけに取られてそれを見守るのだった。
「なあ、あの子……」
「……なんだお前初めて見るの？　まあ見るたびに驚くけどな」
　ひそひそと囁かれたりするが遠海は食事に集中していて気づかない。
　清楚な美形である遠海に見とれ、そして食べっぷりのギャップに目を離せなくなる男子は結構多かった。