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心層深淵劇場
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無限であり永遠不変の深きブルーに魅入られる者は多いと聞く。
滝原 レオン
もまたその一人であったろうか。
押し潰されそうな海中に手足をかく。思いのほか軽い。そも海中にあってレオンの呼吸は変わらぬリズムを刻んでいる。
(夢の中……か? そうなのか?)
そうだろう。現実であるものか。
大洋に息づくあらゆる美が目の前へあふれた。絵具めいて多様な彩りを見せる珊瑚。鱗に滑らかな虹色を宿した小魚の群れ。歌い踊るイルカたち、身をくねらせる大鯨の威容。鮮烈な青を貫いて届く陽光のあたたかさ。こぽりと立ち昇る泡の音さえレオンの感性を楽しませた。
海中にあらねば彼の頬には雫が伝っていただろう。やはりこの青は人を虜にする。レオンは包み込む海に抱き抱かれ、やがてその身は深きへ潜っていった。
青は深度によって顔を変えた。
空色、緑がかった薄水色を過ぎると深みは増し、紺碧となった。イルカたちはレオンを気に入ったか一時のつれあいとなってくれた。遠くぼやけた影は先の鯨だろうか。まだここへも届く日の光が行き交う魚たちの鱗模様を鮮明に浮かび上がらせた。海亀がヒレをかいてすり寄ってきたので、レオンは甲羅に触れその感触に表情を溶かした。
海亀とイルカたちに別れを告げ、さらなる深みへ潜ってゆく。碧緑は青を濃くしやがて鉄紺を成してゆく。
(どうして……潜るんだ)
明るい光が遠ざかってゆく。何故? レオンは手足をかいたが思うように浮かび上がってはくれなかった。
沈みゆく。
目の前を宇宙船が泳いでいる。透明なほおずきに虹色のラインを幾筋も走らせたようなクラゲたちがレオンを出迎えた。櫛板は自ら発光しないが、あたりに林立する特異な海草類が放つ光を返して七色に輝くのだ。ここはクラゲたちの楽園で、まごうことなき銀河だった。
長大な身をくねらせ近づく何かが脇をかすめ、レオンは泡を吐いた。鋭い歯列でクラゲをかみ砕き、銀河は破壊されてゆく。見たことの無い魚だった。頭だけがずんぐりとして大きく身体は貧弱なまでに細長い。トサカのようなヒレを持ち、瞳は海草類の光を受け輝いていた。
奇怪ではあったが、深海魚など得てして不気味なものだろう。未知の生命に触れる驚きもまたこの旅の醍醐味なのかもしれない。かすかに粟立つ肌をレオンはそう思い込み納得させた。
深きへ。
青は失われ黒へと近づくにつれ、レオンは沈みゆく自分を止められないことに気が付いた。必死に手足をかくも抵抗空しく沈んでゆく。何かに吸い寄せられているかのようだ。
やがて深海にあってなお不自然なまでの漆黒が眼下に渦巻き始めた。
(あそこはいやだ)
寒い。海水から急激に温度が奪われてゆく。漆黒が全てを呑みこむのを想像しレオンは震えた。
(いやだ。近づきたくない)
ちりちりと背中がざわめく。危険を知らせるこの声は誰のものだ。闇は光を吸収し、巨大な何かが身動ぎをする気配だけがレオンの肌に伝わった。
抗えない引力に手足を縮めて身を丸くしたのは、せめてもの抵抗か。レオンはただただ震え、それが低下する水温によるものか、はたまた恐怖の賜物か、やがて分からなくなった。
闇が見えない触手を伸ばし、レオンを絡め取る。沈みゆく。
不意に腕を掴まれた。
漆黒は鉄紺へ変わり再び紺碧へ。クラゲたちの二度目の歓待を受けながら、レオンは救い主を見上げた。
(……ヤス?)
レオンの手を離すと尾を翻し、人魚は柔らかく微笑んだ。まるで物語に住まう人魚姫だ。レオンの知る
宮部 安奈
の印象とはおよそ結び付きがたい、淑として玲瓏かつ匂い立つような女性美を湛える姫君がそこにはいた。
彼女と同じ顔をしている別人か。それともレオンの意識も及ばない心核において、彼女は確たる女性として居ついていたのだろうか。
(俺、最近まであいつのこと男だと思ってたのに。ただの幼なじみのはずなのに)
滑らかにきらめく鱗は桃色。魚尾を持ち、宝石をあしらった胸あてがなだらかな双丘を隠す。額にも宝石のティアラが輝き光の粒子を纏っていた。
時には彼女もそのような装いで我が身を飾るのだろうか。それともレオン自身が、彼女を飾りたいのだろうか。
レオンのとりとめない葛藤を知ってか知らずか、人魚姫は無垢な微笑で彼を誘う。
珊瑚はイルカと歌い、小魚は海亀の周りをめぐるダンスの練習に余念がない。彼女は手を引きレオンを終わりなき舞踏会へ導く。両手を胸に組み、イルカたちと共に歌声を響かせ始める。
永遠なる青は彩りを増しながら揺れ続ける。しかしそこへスポイトで垂らした墨のように、漆黒もまたわだかまる。潮流によって薄まることもあれば、ぽとりと黒い雫が足し落とされることもある。
そんな海を、レオンは泳いでゆく。
誰もがそうだ。自らの海を渡り切るまで泳ぎを止めることはできない。
(そうか。俺……)
だからこそ漆黒を払い碧緑を帯びた青を取り戻してくれる彼女の存在は、まぎれもなくレオンの枢要たる心の一片に他ならない。
(思ってた以上に、あいつに救われてたんだな……)
視界は遠く澄み渡っている。迷うことはない。ただ彼女の歌を追い、泳いでいけばいい。
そこには例えようもなく鮮やかなブルーが、どこまでも広がっているはずだから。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
網 透介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
オールジャンル
定員
5人
参加キャラクター数
5人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2020年06月29日
参加申し込みの期限
2020年07月06日 11時00分
アクション投稿の期限
2020年07月06日 11時00分
参加キャラクター一覧
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