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雪に願いを。/This bird has flown
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映画館から出たとき、雪はすでに本降りだった。
スクリーンのような銀色の空より、とめどなく綿雪が降りつづける。
羽ほどに軽いというのに、なぜだか重みを感じる雪だ。道路の脇にバス停の屋根に、あとからあとから積もりゆく。
「参ったな」
左腕で頭をかばうようにしながら、
七夜 あおい
に右手をさしのべた。
平気だよと言うかわりに首を振り、あおいは
八神 修
に続く。
「あそこで雨宿り、いや、雪宿りでもしていかないか」
見慣れたカフェの看板を眼で示した。
その日の授業は午前中で終わっていた。明日のイベント準備のためという話だが、そのことは本編には無関係なので詳しくは触れない。
コートの雪を落としてテーブルにつく。黒い木目調のスクウェアテーブル。向かい合って座って、セルフサービスのトレーを置いた。
小さなケーキセットだ。修はコーヒー、あおいはココアを選んでいた。テーブルの黒のおかげで、立ちのぼる湯気の白さが際立っている。
「パンフレット見ていい?」
「ああ、どうぞ」
復刻で出たものだよねと言いながらあおいは、今日観た映画のパンフレットをめくった。修が購入したものだ。
あおいと連れだって映画に行くのはこれがはじめてではない。だから修にとって映画は、あおいを誘うときの心のハードルがいくらか低い。観終わったあと喫茶店に立ち寄って、ああだこうだ感想を言い合うのも何度か経験したことだ。
だから気楽、ではあるんだけどな映画は――。
パンフレットごしにあおいを眺める。
彼女はリラックスしていて、どぎまぎしている風はまるでなかった。
――それはそれで、もう少し意識してほしいかも。
いくぶん複雑な気持にもなってしまう。
もどかしい。ゼムクリップをまっすぐに伸ばしてならして、針金の棒を作ろうとしている気分だ。どうやっても完全にストレートにはならない。
あおいの読んでいるパンフレット、その表紙に猫の写真が掲載されていた。
かわいらしい茶虎の子猫だ。透明度の高い水色の瞳が、なんとなくあおいを思わせる。
彼らが生まれるより前の映画だった。そのリバイバル上映に行ったのだ。当時流行したという動物映画、といっても動物のリアルな生態を描くドキュメンタリーではなく、むしろ作り物感たっぷりのフィクションである。
迷子になった子猫が、雄大な自然のなかたくさんの動物と出会い成長していくという物語だった。動物がそんな行動はしないだろう、という場面も多く現実味は限りなく薄いとはいえ、近年ならCGで表現しそうなところを、すべて実写で撮影しきったところには感銘を受けた。主演の猫が半端なくかわいかったことは言うまでもなく、修は大いに堪能したのだった。
あらためてあおいを観る。
少しうつむき加減の角度に、あおいの長い睫毛はよく映える。均一に生えそろっていて、尖端が軽く上向きで。
黙って見つめつづけていても一向に構わないしむしろそうしていたいくらいだったが、あまり沈黙していると不審に思われやしないか、そう思った。
「どうだった? 映画」
修が語りかけると、あおいはパンフレットから顔を上げた。
「映像がきれいだった。フィルムの質感、って言うの? ざらざらした光と影のつけかたとか。あと音楽ね。エンドロールにあの巨匠の名前があってびっくりしたよ」
「目の付けどころがいいね。俺は漫然と『猫かわいい』って観てただけだから」
「猫ちゃんはもちろんかわいいよ」
ふふっとあおいは微笑した。
よかった、今日は気分がいいみたいだ。
もうじき俺たちも三年生か、唐突にそんなことを考えた。来年は受験生だ。進路について将来について、いよいよ本当に選択しなければならない。もっといえば、正面から人生と向き合うときがくるのだ。
不安がないとは言えない。迷うことだってあるだろう。
でも修は決めている。誰がなんと言おうとも、将来の自分のかたわらには、七夜あおいの姿があると。万が一進学先がゆらぐことがあろうとも、この意思だけは絶対にゆるがない。
しばらく映画の感想を交わして、どちらからということもなく窓の外に目をやった。
修は目元を緩めた。
「街に降る雪も綺麗だね。すべてを包んでくれるから。汚れも傷も隠してくれる」
つぶやいてすぐに、我ながらセンチメンタルかもと思った。
「ロマンチストなんだね」
同じような表情であおいが言った。
「でも私ならこう思う。隠す、ってことは、雪が溶けたらまた出てきちゃうんだね……って」
これには修も苦笑してしまう。
「現実的なんだな」
「だって私、『冬の白』って言われて最初に想像するものは、雪じゃなくて大根だもん」
「大根か」
修は声に出して笑った。なるほどあおいらしい、地に足の付いた発想だ。
「ところで雨と雪、どちらが綺麗だとあおいは思う?」
と言ってから照れ隠しのように付けたす。
「俺はどうも、すぐこういう発想になってしまうようだ。どうやら頭のなかにロマンチスト回路ができているらしい」
「修君らしくていいと思うよ」
しばらく考えてからあおいは答えた。
「そうね、私は雪かな。砂糖っぽいから」
「シュガーか……そうだ知ってた? タッパーでガトーショコラとかできちゃうんだってな。混ぜてレンチンでいいみたい」
料理好きだからこういう回路もあるのさ、と修はおどけてみせた。
いいなあ、とあおいは言った。
「ガトーショコラかぁ。雪のようなシュガーかけたいなあ」
「作り方は今度知らせるよ」
一口したコーヒーがまだ熱い。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
オールジャンル
定員
5人
参加キャラクター数
5人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2020年06月27日
参加申し込みの期限
2020年07月04日 11時00分
アクション投稿の期限
2020年07月04日 11時00分
参加キャラクター一覧
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