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【青の誘い】
目に飛び込んできたのは、鮮烈なまでの青。
手に取ったパッケージの話ではありません。
青山 絢
が中学3年生の頃に見た、記憶の中の青です。劇場の大スクリーンではなくテレビの画面での鑑賞ではありましたけれど、多感な時期に触れたこの映画の映像美には衝撃と、そしてある種の救いを絢にもたらしたと言っても良いかもしれません。
「あら、それ、けっこう有名な映画よね?」
水谷 真優理
が、ひょいっ。肩口から覗き込みます。
「ええ。実話がモデルになってるんだって。私も昔見たの」
「そうなんだ。面白い? 絢ちゃんのおすすめなら、私も見てみたいかも」
いつも明るく屈託ない従兄弟の笑顔に、絢はちょっぴり不器用に微笑みました。
母を失くして二年が経った頃の絢は、千々と千切れそうな心をどうにか繋ぎ止めながら、泥濘のような都会をもがいていました。
父がひた隠しにしていた裏切りも、東京に感じた冷たさも、中学生の絢が受け止めるにはあまりに重く、刺々しく、幼い胸に突き刺さったまま。
そばにいてくれた真優理の存在には助けられながら、それでも胸の奥にわだかまった黒い感情は消えてはくれませんでした。
そんな時。
「……これは」
たまたま触れる機会があったのが、『マジェスティック・ブルー』でした。
フリーダイビングの最長潜行記録を競い合う、ふたりのダイバー。けれど彼らを突き動かすものは、意地でも、報酬のためでも、恋愛のためでもありません。
ただひたすらに、海に在りたかったから。
周りを顧みず潜り続ける男たちは自分のわがままを通しただけだったのかもしれません、けれど海の持つ万有引力がごとき魅力に囚われ、抗えなかったとしても、誰が彼らを責められましょうか……。
とはいえ、絢がこの映画に惹かれたのはひとえに、その圧倒的な映像美。ことに鮮烈な青色、ではありましたけれど。
母を亡くし、父という存在を失い惑う絢を救ったのは、真優理でした。
そして彼女の誘いに応じ、東京から海に囲まれた寝子島へ移り住むことを決意したのは、この映画の青がきっと、絢を後押ししてくれたからなのでしょう。
「あれれ? どうかされたのです?」
「え? あ、ううん、なんでも……」
しばし、物思いに耽っていたようです。絢が気づくとお茶の差し入れを持った嬉野 エマが、ついと覗き込んでおりました。
そう、今はお仕事中。この地下倉庫に並ぶ映画たちの中から、これだ! という一本を選ぶのです。
(というか、そもそもこの子に引っ張り込まれたのよね。したたかというかなんというか)
店先で出会ったうるうる瞳にちょっと同情した瞬間、けろりとした彼女とその兄によって、絢と真優理はアルバイトを承諾することとなってしまいました。
「さっ、にーさん特製のコーヒーですわよ! これを飲んでもうひとがんばり、よろしくお願いいたしますね♪」
(……まあ、楽しいからいいけれどね。これはこれで)
絢がそうして楽しそうにしているのを眺めているのが(あるいは写真に収めて悦に浸ったりするのが)、今の真優理の生きがいのひとつと言えるかもしれません。
(完全に立ち直ってくれたわけじゃない……でも私、上手くやれてるわよね?)
成熟した年上の女性として、まだ高校生の絢に教えてあげたいことは尽きません。傷ついた心の癒し方も、豊かな心の育み方も。
どこか引っ込み思案なところがありながらも芯が強く、だからこそ時として強情なまでの意思を見せることもある彼女を、真っすぐな道へと導きたい……それこそが、彼女を受け止めた真優理の務め。
「私は、『マジェスティック・ブルー』に決めようかな。真優理さんは? なにか良いのが見つかった?」
「えっ? あー、そうねえ」
おっと、いけない。今はそんな絢といっしょに、お仕事タイムです。まあお仕事といっても、普段の真優理の職場での仕事ぶりに比べればずいぶんとユルユルですけれど。
「映画かー。社会人になってからは、あまり見なくなったなあ。忙しくて……」
「今日だって、貴重なお休みだものね。私と外出で良かったの?」
「もーっちろん、それが私の癒しなのよね♪」
というやりとりはさておき、確かにステッラ・デッラ・コリーナのコンシェルジュという仕事はなかなかに、過酷です。単純な忙しさもありつつ、時にはタチの悪い客の相手をして疲弊することもあります。無論、胸中に渦巻く殺意……とまではいかなくともけっこー黒い感情を、表に出すことは一切ありません。淡々とクレーム処理をこなし、気持ち良くホテルを利用していただいて、後で心象風景の中でそいつを思うままにやっつけるのです!
……荒みもするというものです。
同居する絢の存在などはつまり、一服の清涼剤でもあるのでした。
「そんなわけで、最近の映画には詳しくないのよね~……あ、これちょっと面白そう?」
「どれ?」
なんとはなしに真優理が拾い上げたパッケージ。タイトルは、『エルマ&ルーシーズ』とありました。
「見たことないかも。ホールで見てもいいって言ってたから、見てみよっか? コーヒーもいただけるそうだし」
「うん、いいわね」
アルバイト店員の兄、七海の淹れるコーヒーの香りを楽しみながら、ホールに掲げられた大スクリーンにて、さっそく上映開始です。
『エルマ&ルーシーズ』は、あの名作SFホラー『ネコリアン』で名を馳せた巨匠の監督作。数々の受賞やノミネート歴を誇る、映画史に残る傑作のひとつです。
ウェイトレスとして働くエルマと、主婦として夫の暴力に耐えるルーシー。退屈で鬱屈した毎日から逃れるため、ふたりは当てのないドライブへと出かけます。女同士、気の置けない親友同士で楽しむ束の間の旅……けれど予期せず放たれた弾丸によって彼女たちは殺人犯となり、単なる小旅行は過酷な逃避行へ変わってゆくのでした。
「っていうわりには、彼女たちはタフで明るいわね」
感想を述べつつちらと絢を見ると、彼女は一心に画面に見入っています。くすり、真優理は微笑みました。
殺人を犯してしまったふたりの道行きは決して、安楽なものではありません。そのはずなのに……彼女たちの破天荒な行いやまぶしい笑顔がなぜだか、こんなにも輝いて見えるのは、
「どこか、自分に重ね合わせちゃうのかも?」
「えっ? 真優理さん、なにか言った?」
「ううん、なーんでも♪」
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
コメディ
定員
10人
参加キャラクター数
9人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2020年07月06日
参加申し込みの期限
2020年07月13日 11時00分
アクション投稿の期限
2020年07月13日 11時00分
参加キャラクター一覧
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