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【お正月】賑やかで華やかな一時を
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待ち合わせ場所に走って向かうと誰もいなかった。
「早かったかー」
志波 武道
は道の端に立ち、そわそわした笑顔で目をキョロキョロさせる。
数分刻みで人が増える。賑やかな声がそこかしこで挙がる。振袖を着た女性達は華やかで正月を強く意識させた。
「まだか、お? 彩葉ちゃん、こっちこっち!」
一方に向かって大きく手を振る。
高梨 彩葉
はコート姿で同じように手を振り返した。
「ブドー先輩! あけましておめでとうございます!」
「あけおめ! れんちゃんは一緒じゃないんだね」
武道は背伸びして周囲を見回す。
「しばっちも、まだなんだ」
「たー坊は来てると思ったんだけどねー。彩葉ちゃんまっしぐら、みたいな感じで♪」
「なんか想像すると照れちゃいますね!」
彩葉は八重歯を綻ばせた。
「少しのんびりし過ぎたか」
ジャケット姿の
高梨 煉
がゆっくりと歩を進める。その後ろから駆け込んできたのは
志波 拓郎
であった。
対照的な二人は並んで到着した。
彩葉は肩で息をしている拓郎に笑顔を向ける。
「あけましておめでとうで今年もよろしく! しばっち……大丈夫?」
「…少し……待って…息が、もう、少しで……」
いつも以上に言葉が途切れる。前屈みの状態でジャケットの前のボタンを全て外した。そこに小躍りするように武道が近づいてきた。
「あけおめー。たー坊は初夢の内容がよすぎて寝坊したのかな? あ、もしかして二度寝したんじゃないのー」
拓郎は黙っていた。ジャケットのポケットからハンカチを取り出して額や首筋に当てた。
武道は親指を噛むような姿で、無視つらぁい! と叫んで軽く仰け反った。
目にした煉は朗らかに笑った。
「いつも通りでいい感じだ。ただ、拓郎の慌てぶりは少し気になるな」
「それは…、少し、余裕を持ちすぎて…今日、人が多いことを、その、忘れていて……」
言い終わると軽く咳き込んだ。
彩葉は目に付いた自動販売機に走る。冷たい緑茶を買うと急いで戻ってきた。
「しばっち、これでも飲んで落ち着いてよ」
「彩葉さん、ありがとう…いただくよ……」
キャップを捻り、喉を鳴らして飲んだ。空になったペットボトルは速やかにゴミ箱に入れた。
拓郎は姿勢を正し、彩葉と煉に向かって言った。
「明けましておめでとうございます! 遅くなりました!」
「それを言ったら同時に来た俺も遅刻したことになるじゃないか」
「いや、そんなつもりは、なくて…」
「兄貴、しばっちを困らせないでよ。同着だから、どっちも遅刻じゃないって」
彩葉はぽんと拓郎の肩を叩いた。身を寄せて、ね、あそこ、と近くの和菓子店を指差した。
「走ったあとは甘い物が食べたくなるよね。みんなもおまんじゅう、どうかな?」
「俺は喉が渇いたから、コーヒーにするよ」
武道が自動販売機に向かうと煉が横に並んだ。
「甘い物は苦手だよな」
「れんちゃん、心の友よー」
武道は両腕を広げて抱擁を求める。
「いや、それくらいで抱き合うっておかしいだろ」
「れんちゃんも冷たぁい!」
拓郎の仰け反った姿に煉は自然な笑みを浮かべた。
「俺は無糖のコーヒーだな。れんちゃんは?」
「奢ってくれるなら何でもいいよ」
「え、俺が!?」
「そこだけは真面目に反応するんだな。俺はアイスティーにするよ」
煉は笑って小銭を取り出し、アイスティーを手にした。
武道は口にした通り、無糖のコーヒーを買って飲み始める。
「作ったばかりのおまんじゅうって、こんなに柔らかいんだね! 中の粒あんの甘さがすっきりとしていい感じ! たぶん、隠し味にお塩を入れているよ!」
彩葉はまんじゅうを齧った部分に顔を近づける。前髪に隠れていた青い瞳がちらりと見えた。料理研究家のような熱い眼差しを送っていた。
その隣で拓郎は同じようにまんじゅうを齧る。
「うん、いいね。甘い」
微かな笑みと朴訥な言葉に煉は自身の腹を摩った。
「朝食を抜いたのが響いてきたな」
「それなら境内の屋台がいいんじゃなーい? 甘い物が多いとは思うけど、ソース系ならなんとかなるんじゃないかな」
「そうだな。飲みながら行こうか」
煉の提案に、だねー、と武道は笑顔で横に付いた。
「私達はおまんじゅうを食べながら行こう!」
「そうだね」
四人は揃って寝子島神社を目指す。近づくに連れて人が多くなった。
彩葉は先を見ようとした。頭が大きく左右に揺れる。
「神社はすぐそこなんだけど、この人だからちょっと心配になるね」
「どういうこと?」
拓郎は小首を傾げるようにして視線を隣に向けた。
「実はね。今日の午後くらいに、兄貴と一緒に実家へ帰ることになっているんだよ」
「そう、なんだ。時間は、まだあるから、大丈夫だとは思うけど」
「なんかバタバタしてごめんね」
「気にしないで。俺は会えただけで、素直に嬉しいし」
拓郎は彩葉だけを見詰めて言った。
「なんか、今日は熱いよねー。もう、パタパタだーよ」
武道は手をヒラヒラさせて首筋に風を送る。拓郎の無言の視線を受けて徐々に表情が強張ってきた。
「たー坊、なんかこわぁい!」
「紅茶を飲んでいる時にするのは反則だ」
煉はハンカチで口元を拭う。
少し人の流れが改善された。飲食店や土産物屋で足を止める者が多く目に付いた。
四人は視線を交わし、少し足を速めた。
赤い鳥居を四人は揃って潜った。
「あー、このソースは」
武道は頻りに鼻を動かす。煉は方々を見て、あれか、と指差した。
「たこ焼きかー。辛いソースだといいなー」
「俺が買ってみる。少しくらいならわけてやるが」
「三個でお願いしマッスル!」
武道は両腕を曲げてポージングを決める。
彩葉は笑い声を上げた。
「ブドー先輩、ここで脱がないでね! でも、ブーメランパンツ姿を想像したら、ちょっと、おかしくて……」
笑いがぶり返す前に唇に指を押し当てた。
「いくら俺でもそこまでは、少し頭に過ったけどね!」
「兄貴……」
拓郎は武道に静かに詰め寄る。
「たー坊がちかぁい! あーんど、こわぁい!」
「たこ焼き、買ってきたぞ」
煉は舟に収められた、たこ焼きを武道に差し出す。一個分の空きがあった。
「試しに食べてみたが、ソースは甘くなかったな」
「わーい、ありがとう。じゃあ、四個だけ貰うね」
「三個だ」
「わーい♪」
武道は舌を出して笑った。
「私達も何か食べようよ。しばっちは何がいい?」
「俺は……」
拓郎は見える範囲に目を向けて、カステラかな、と答えた。
「うん、いいね! 私はクレープにしようかな。しばっちにも少し分けてあげるね」
「ありがとう。俺のも、よかったら食べて」
「ふぅぅ~」
「兄貴……」
「まだ、何も言ってないのに! 睨むなんて、ひっどぉい!」
「武道、酷いと言いながら四個目に手を出すな」
煉は静かな笑みで凄んだ。
四人は賑やかな時間を過ごした。腹が満たされると改めて表情を引き締める。
拓郎は戸惑いを見せた。
「確か、順番があったと思うんだけど…どうやるんだったか……」
「周りを見て真似すればいいんだよ」
「俺を頼ってよー。まずは手水舎で手を洗うんだよ」
「兄貴……どうも…」
「え、そう。こちらこそ」
予想していた展開と違うのか。武道は拓郎に頭を下げた。
「早く済ませた方がいいみたいだ」
煉は石段に横目をやる。団体客のような一団が談笑しながら現れた。
「ということでレッツゴーだよ」
彩葉の陽気な声で四人は動き出す。
手本として武道が柄杓を右手に握る。
「左手に柄杓の水を掛ける。持ち替えて右手。元に戻して左手に水を注いで口をゆすぐ。こんな感じでいいと思うよ。わかったよね?」
「左右にバシャバシャで、最後にくちゅくちゅぺーですよね」
「それ、なんか可愛い」
拓郎は彩葉の隣で頬を赤らめる。
「れんちゃんは、え、もしかして終わった?」
口をゆすいだ煉は柄杓を元に戻した。
「手水の作法は知っているからな」
涼しげな顔で歩き出そうとする。三人は一斉に柄杓を手に取った。常識を超えた速さで一連の動作をこなした。
「そんな競技がどこかにありそうだ」
くすりと笑う煉に三人は一様に顔を左右に振った。
「そうだ! 賽銭の作法はどう? みんな、わかる?」
武道は得意げな顔で三人に問い掛ける。
「二礼二拍一礼の基本なら」
「れんちゃん、知ってるじゃーん!」
転倒しそうな勢いで武道は仰け反った。側では彩葉が何度も頷く。
「ペコペコ、パンパン、ペコーって覚えればいいよね」
「それも、可愛い」
拓郎の言葉に彩葉は嬉しそうに身体をスイングさせた。
「じゃあ、並ぶか」
煉の一言で一同は人の流れの最後尾に付けた。順番が回ってくるまで少しの時間を要した。武道はそれとなく願い事の内容を聞いた。
拓郎は一言、教えない、と返した。
彩葉は、恥ずかしいのでパス、と笑って言った。
煉は特に表情を変えずに答えた。
「武道達の合格を祈るよ」
「れんちゃん、ありがとう」
武道は感謝を口にして、うん、がんばる、と小声で付け加えた。
「ブドー先輩の願い事はなんですか?」
「俺はなーいしょ☆」
「それはないっしょ、あ、ごめん……今のは無しで……」
拓郎は見る見る萎れて耳を赤くした。
一同が盛り上がる最中、賽銭の順番が回ってきた。
四人は神妙な顔で賽銭を投げ入れる。作法に則った行動を取る。
武道はちらりと煉を見た。手を合わせようとしていた。
――れんちゃんの応援の力を貰って受験がうまくいきますように。それと迷わず、前を向いて進めますように。
拓郎と彩葉は視線を交わし、同時に手を合わせた。
――今年も彩葉さんと共に楽しく過ごせますように。
――今年も拓郎と一緒に過ごせますように。
二人は手を元に戻した。お互いの手の甲が触れる。視線を合わせないで、そっと握ると共に幸せそうな笑みを浮かべた。
煉は手を合わせた。
――武道達の受験がうまくいきますように。
他を見ると願い事を終えた三人が横手に逃れようとしていた。
煉は合流して、どうする? と話を振った。
彩葉は飛び上がるようにして手を挙げる。
「おみくじを引こう!」
「おみくじか、いいな」
煉は提案をすんなりと受け入れた。
隣にいた武道は何度も手を挙げた。
「はいはーい、俺もやりたーい! 折角だからみんなでやろう!」
「おみくじ、いいかも」
拓郎も案に乗った。
四人は目に付いた社務所に向かう。
「今年の運勢はどうかなー」
彩葉は不安そうな声を漏らす。側にいた拓郎は笑みを見せた。
「悪かったら、枝に結べばいいよ」
「でも、どんな運勢でも、受け入れたいかなーなんてね!」
力強い笑みを返した。
各々が初穂料を払っておみくじを引いた。
喜びの第一声は武道であった。
「大吉じゃん! 学業は順調で、願いは叶うって! あ、まだ、書いてあるよ。油断大敵かー、そうだね。じゃあ、合格祈願のお守りも買っちゃうぞ☆」
「武道、幸先いいじゃないか。俺は末吉だ。書かれている内容は悪くないな」
煉は紙を折り畳んで財布に入れた。
「兄貴は末吉ねー。私は小吉だよ。これってどっちが上なのかな?」
「小吉だと、思うよ」
拓郎の一言に、そっかー、と彩葉は元気を取り戻す。
「しばっちはどうだったの?」
「……中吉、ごめん」
「なんでよー。よかったんだから、もっと中吉っぽくしないとー」
「こ、こうかな」
拓郎はやや胸を反らし、眉根に薄っすらと皺を寄せた。
目にした武道は口元に両拳を当てて身を縮める。
「その中吉、なんかこわぁい!」
「それが中吉の顔か。意外と危ないな」
煉は一歩、距離を空けた。
「ちょ、ちょっと、待って。そんな、つもりじゃ……」
「兄ーズは、しばっちをイジリ過ぎだよ!」
拓郎を庇うように彩葉が前に出た。
「あ、ごっめーん、ばれちゃった?」
「悪い、少し楽しくなって」
武道と煉は笑って頭を下げた。
「ここらで時間かな」
煉はスマートフォンの時間を見て言った。
「そうだねー」
「俺も、それで…」
「混んできたし、お守りを買ってくるね☆」
武道の購入を待ち、一同は元来た道を戻っていった。
再び参道商店街に足を踏み入れる。待ち合わせ場所の辺りで武道が三人に目を向けた。
「んじゃー、俺はここで離脱ナー」
「ここが、下宿先か…」
拓郎は傍らの米屋を目にした。シャッターには紙の門松が貼ってあった。
「……受験、頑張れよ」
「おう!」
武道は手を挙げる。拓郎はパチンと掌を合わせた。
「武道先輩、受験、頑張ってくださいね!」
「俺、がんばっちゃうー」
彩葉には少し砕けた調子で答えた。
後ろに控えていた煉が武道の肩を叩く。
「頑張れよ」
直後に耳に口を寄せた。
「……目が赤い。今は休め」
「……さすがに誤魔化せなかったか。ありがとう。そうするよ」
別れ際、武道は三人に向かって大きく手を振った。
「いやぁ、いい年の始まりだな!」
三人は笑って答えた。
別れた三人は桜花寮に戻ってきた。
男子寮に向かおうとする拓郎を引き留めるように彩葉が声を掛けた。
「しばっち、お土産は何がいい?」
「…お土産…お菓子系が、いいかな」
「お菓子系かー。うん、わかった。実家の近くにはおいしいお菓子屋さんが多いけれど、頑張って探してくるね!」
彩葉は笑顔で飛び出した。瞬く間に女子寮へと入っていった。
「別れが少し辛いのかもな」
「彩葉さんは、優しい人だと、思います…」
「これからも妹をよろしくな」
煉は先に歩き出す。目が空へと向かう。
――高校を卒業したら海外留学だ。正月はなるべく家族と一緒にいよう。
青い空に密かに誓うのだった。
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1000人
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シナリオガイド公開日
2020年06月14日
参加申し込みの期限
2020年06月21日 11時00分
アクション投稿の期限
2020年06月21日 11時00分
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