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COLORFUL CHRONICLE
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●幼き日、台所、割烹着の人
気づけば靄の中にいた。
ごく当たり前の気象的な靄とは違う、ということは肌感覚でわかった。
冷たくなく、温かくもなく、鈍い虹色を映している。
まるで夢の中のような浮遊感と明確に肉体があるという現実感。
俺――
鴻上 彰尋
は、そんな靄の中を慎重に歩いてゆく。
足元すらも見えなかったが、自分の周りには色とりどりの風船が浮かんでいた。
一歩ごとに、ひとつずつ、ふわりふわりと、青や緑や白の風船が現れる。
まるで自分の歩いたその足跡から浮かび上がるように。
惹かれるように風船に指を伸ばしかけたそのとき、靄の向こうから声がした。
「……彰尋くん?」
靄の中に現れたのはツインテールの影。
「あおいさん?」
七夜 あおい
だ。どうしてここにという驚きと、なんとなく会える気がしていたという心弛む思いがないまぜになったまま名を呼び返すと、靄の中から戸惑い顔のあおいが姿を見せた。彼女は明らかにほっとしたような笑みを浮かべ、小首を傾げる。
「良かった、彰尋くんに会えて」
「それは俺も」
「ここ、なんなんだろうね?」
「わからない。でも夢って気もしない。あおいさんと喋っている今がとてもリアルで……」
「そうだね。ねえ、彰尋くんの頬っぺた引っ張ってみてもいい?」
「え、構わないけれど……」
彼女が真剣な顔で手を伸ばして来て、俺の頬を親指と人差し指でひっぱった。
「いたい。ちゃんと感じる」
「そっか、じゃあやっぱり夢じゃないんだね」
彼女は納得したように頷いて、あたりに浮かぶ風船を見た。
「この一杯浮いている風船はなんだろうね? きれいだけど……」
「俺も気になってた」
俺は一番近くに浮いていた青の風船に指を伸ばした。
「あ……何か映っているよ?」
彼女に言われて気付く。風船の表面に、見覚えのある光景が映り込んでいる。
夕暮れどき、少し古い台所にたたずむ着物と割烹着の女性の後ろ姿だ。視点は彼女の背より下にあり、見上げるようなかたちになっている。
「みさ緖さん……」
「みさ緖さん?」
「祖父の家にいた家政婦さんだ。槙村みさ緖さん。……この後ろ姿、懐かしいな。小さいころ、しばらく祖父の家で暮らしていたことがあって、そのころよくこの後ろ姿を見ていたっけ……」
目を凝らせばさらに色鮮やかに映像が甦ってくる。みさ緖さんの割烹着の白、髪の艶やかな黒。色だけじゃない。あの台所の古びた柱の匂いや鍋からあがる湯気の温もりも、懐かしく蘇ってくるようだ。
「この頃は遊んでほしかったのだけど、仕事の邪魔してはならないといわれてて、ただ響く包丁とまないたの音や料理を作る姿を眺めていたんだよな」
隣に若葉色の風船が浮かんできた。
『おれもやりたい!』
そこには、みさ緒さんにせがむ幼い自分の姿がある。
「彰尋くんの小さいころ? 可愛い!」
「恥ずかしいな。みさ緒さんを困らせてて」
それでも、サラダの為のレタスをちぎらせてくれたり、餃子を包ませてくれたのは嬉しかった。
「みさ緒さんきっと嬉しかったと思うよ、彰尋くんがお手伝いしてくれて。私だったら嬉しいもん」
そういえば彼女は6人兄弟の長女で、よく家事の手伝いをしていたという。弟や妹がいるから、みさ緒さんと同じような状況になったこともあるのかもしれない。
「みさ緒さんは俺の料理の師匠なんだ」
「そっかぁ、だからあんなに料理上手なんだね」
そう言われると照れくさくて、つい鼻の頭を掻いてしまう。
「あおいさんの師匠はお母さんなのかなぁ……?」
「んー、弟や妹がいたから家事の手伝いはしてたけど、あんまり教えてもらったりはしてないかなあ。私の場合、料理の腕もホラ、アレだし」
彼女はあっけらかんと笑ってみせる。
「あ、みて。こっちの白い風船はリンゴの皮むきしてるね」
「みさ緒さん、たどたどしい俺の手に後ろから手を添えて、包丁の動かし方を教えてくれたっけ」
「あっちの赤い風船は、卵焼きしてるところ?」
「あれはたしか、初めて自分一人で卵焼きを上手に作れたことを喜んでくれた日の……」
どれもこれもとても懐かしく、過ぎ去った今だからこそ感謝の思いが満ちてくる。
「こうした日々があったから今の俺があるよな……」
「きっとそうなんだろうね――」
ふうっと吐息の消えるように、あおいの声が遠くなった。
――俺は、我が家の台所に立っていた。
手の中には卵。
そうだった……みさ緒さんに教わった卵焼きを作ろうとしていたところだったのだ。
「なんだったのかな、あれ」
靄の中での記憶は鮮明に残っている。
胸に手を当てる。なんだか心があったかい。
「今度祖父の家にいく時にみさ緒さんに贈り物をもっていこうか。何か作って――」
そうだ、抹茶のお菓子なら喜んでくれそうだ。
それからみさ緒さんに改めて言葉で伝えよう。
「いつもありがとう」と――。
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担当ゲームマスター
笈地 行
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
恋愛
オールジャンル
定員
10人
参加キャラクター数
8人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2020年07月09日
参加申し込みの期限
2020年07月16日 11時00分
アクション投稿の期限
2020年07月16日 11時00分
参加キャラクター一覧
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