【ネコミケ冬】ファビュラス！　あつまれネコミケ☆｜リアクション

【ネコミケ冬】ファビュラス！　あつまれネコミケ☆

☆魔法少女ミスティックアリア

　寝子島アニメーション学院声優科1年生の落合まゆらは、更衣室の姿見に映る自分の姿を見ました。
（今日もいい感じにミスティになれた）
　夏に引き続き、冬のネコミケにもミスティックアリアのコスプレで参加です。
　白と赤とピンクを基調にした可愛らしい衣装。ふわりとしたスカートに羽のような飾りがついた靴。
　腰辺りに付いている白いリボンがひらひらと風に舞い、手には如何にも魔法少女らしいステッキ。
　最近のコスプレはやたら露出度が激しくなっていますが、この衣装はそれほど高くありません。
　オフショルダーなのとミニスカート程度ですが、恥ずかしいほどではない長さです。
（それでも結構寒い……）
　けれど、ミスティックアリアはそんなことではくじけないのです。

「ミスティック・スプラァァァッシュ！」
　コスプレ広場に立ったまゆらは、闘志をみなぎらせステッキを回します。
　様々なポーズをとったり、必殺技を披露したりしていると、寒さなんか完全に忘れてミスティになりきることができました。
「ミスティックアリア！！」
　どこからともなく集まってきた子供たちから、歓声が上がります。
「世界に大いなる神秘の輝きを！　魔法少女ミスティックアリア！」

　一休み入れる間に、他のレイヤーの様子を伺います。
（あんなの、どうやって着るのか全然わからない）
　と思うような複雑な衣装を着ている者や。
（露出度高すぎるだろ！）
　と突っ込みたくなるような者までいます。
（上半身裸？　……じゃないわよね、さすがに。ああ、邪神だっけ？）
「でも、見ていて楽しい」
　そんなまゆらに、声をかけてきた者がありました。
「あの、写真撮らせてもらっていいですか？」
　見ると相手もレイヤーさんです。まゆらは笑顔で頷きました。
「はい、いきますよ……ミスティックサンシャインブラスター！」
　ステッキを操りポーズを決めて撮影してもらった後、まゆらも声をかけます。
「あの、私も撮らせてもらっていいですか？」
　相手も笑顔で了承してくれました。
　スマホのカメラで撮影しているところへ。
「すみません、テレビねここですが、インタビューよろしいですか？」
「え、はい……」
　一瞬固まりそうになりましたが。
（大丈夫、私はミスティ。もっとたくさんの人にミスティのことを知ってほしい）
　まゆらは、にこやかに質問に答えました。
「はい、アニメ『魔法少女ミスティックアリア』の主人公ミスティです」
「このアニメで私は、自分らしく、自由でいることの大切さを教わりました」

　無事にインタビューが終わり、まゆらはほっと胸をなでおろしました。
（そういえば、番組の宣伝で声優にコメントを求められたりするわよね。ちゃんと考えておかないと……）
　ふと、間近に迫るデビュー作のアフレコのことを思ったりするのでした。