【ネコミケ冬】ファビュラス！　あつまれネコミケ☆｜リアクション

【ネコミケ冬】ファビュラス！　あつまれネコミケ☆

☆のののガール！！
　
　シーサイドタウンにある寝子電スタジアムは、早朝から長蛇の列ができていました。
　そこまで寒くはなく、天気も悪くないのが幸いでした。

　前回サークル参加だった寝子高１年の愛猫萌々子は、冬ネコミではコスプレのみの参加です。
（本当はサークル参加したかったのですが、色々忙しくてうっかりしてました。不覚っ……！）
　神魂とか悪魔とか色々あったので、サークル参加の締め切りを忘れてしまうのも致し方ないことでした。
(とはいえサークルのブースにいると他の所を見に行けないので、今回コスプレ参加するのもきっと有意義に過ごせると思います)
　あぃびぃこと萌々子が描いてねこったーにアップしていたオリジナルマンガ「のののガール!!」。
　萌々子がコスプレしているのはその主人公野音のんこで、野々ののこがモデルのキャラクターです。
　被り物の顔マスクと衣装スーツを着るスタイルで、バレる心配はないはずですが。
（知り合い、いないですよね……）
　視界が限られる中あたりを伺い、ハラハラしています。
（あ、いい場所がありますね）
　エントランス前のエリアにちょうどスペースが空いていました。
　萌々子は準備したボードを取り出します。
『野音のんこ（のののガール！！）　中の人：あぃびぃ　写真SNSアップOK』と書かれたボードを立てておいて……
　とりあえずポーズを決めてみました。
（以前は夏に同じコスプレをしましたが、被り物なので中で汗をかいて大変でした。楽とはいいませんが、まだ冬の方がましですね……）

　通りかかった寝子高２年の佐藤英二は、デジャヴを感じました。
　アホ毛が目立つ被り物のマスクに、つい声をかけます。
「野々さ……いや、のんこちゃんだっけ」
　夏に初めて遠目に見たときは、てっきり本物のののこかと勘違いしたのでした。
　よく見れば本物とは似て非なるものでしたが。

（誰か来てくれました!）
　そういえば前回のネコミケで見た覚えがあります。確か本を買ってくれたはず。
　萌々子は喜びつつも、心の中で自分に言い聞かせました。
（身バレはダメゼッタイ！　とにかく明るい声で、のんこになりきって！）
「野音のんこだよ！　よろしくね」
「あ、うん……」
　本物ではないと知りつつ、特徴をつかんだマスクをつい眺めてしまう英二です。
「じゃあ決めゼリフ行くよっ『ぱっしょーん！』」
　明るくバンザイポーズでジャンプした萌々子、いやのんこの姿に、いつのまにかギャラリーが集まってカメラを構えていました。

「やっぱりネコミケのノリはすごいな……」
　のんこの元を去り会場へ急ぐ英二は周囲を見回します。
（そういえば、今回野々さん来てるのかな？）

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