【ネコミケ冬】ファビュラス！　あつまれネコミケ☆｜リアクション

【ネコミケ冬】ファビュラス！　あつまれネコミケ☆

☆『そこにいるねこ』

　寝子高2年の恵御納夏朝は、個人サークル『そこにいるねこ』で参加していました。
　スペースで接客する夏朝は、ネットゲーム『キャットアイランド』の自キャラ『かさねこ』のコスプレ姿でした。
「新刊はどんなお話ですか？」
　お客さんの若い男性に新作について聞かれ、説明します。
「今回の新作は、『からっぽとびらのおはなし』。
　枠だけがあり、中身が空っぽな扉と色んなものを拾ってきてその中身を埋めようとする、２匹の猫のお話です」
　見本を眺めていた男性が頷きました。
「いいですね。1冊ください」
「毎度ありがとうございます！　５００円です」
　二匹の猫は、夏朝と別人格の夏夜を投影したもので、扉を開けるのは二人が別々なる身体を持って未来へ進みたいという願いを表しています。
　ネタバレになるのでお客さんには説明しませんでしたが、絵本の最後は中身を埋めきった綺麗な扉を、２匹で開ける所で終わるのでした。
　
　絵本風同人誌のシリーズで、既刊には某烏神関連のあれこれをまとめつつフィクション絵本風に仕上げた『かんむりからすのおはなし』。
　白い猫の竜『ねここうりゅう』と『こねこだま』達のほのぼの話、『ねここうりゅうのおはなし』があります。
　
　他にも、今までに作った可愛い猫を描いた栞や手製のねこシール、そして今回のテーマに合わせて、
『にゃびゅらす？セレブ風な猫の栞』『にゃびゅらす？セレブ風なねこシール』が用意してあるのでした。
「夏朝ちゃん、こんにちは～」
　元気に現れたのはののこでした。
「ののこちゃん」
「わあ、なんかセレブっぽいね。ねこシールもねこ栞も可愛い！」
「ありがとう……ののこちゃんはどれが好き？」
「うーんとね、迷っちゃうけどこれとこれ、かなー。ください♪」
「ありがとう」
　セレブ猫シールを買って去っていくののこを、夏朝も笑顔で見送りました。
　

　午前中スペースにいて接客を頑張った夏朝は、急いで昼食を済ませました。
　午後の内、１時間は他のサークル等を巡る自由時間として、予め貼り紙で告知してありました。
　貴重な自由時間の間、他のサークルを巡り気に入った物を購入するのです。
「猫さんな物とかあるといいな」
　いろいろ見て回っていると、ハンドメイドサークルでちび猫達磨を見つけました。
「可愛い……」
　見とれていると、月詠に声をかけられました。
「それは無料だから、ご自由にお持ち帰るがよい」
「いいの？　ありがとう！」

　それから、可愛い猫のイラストがたくさんの同人誌をゲット。
「良かった。帰りはコスプレ広場のほうを通って戻ろうかな」
　ほくほくしながら、夏朝はあと少しの自由時間を満喫するのでした。
　
　