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カビカビレイニーデイ
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ひと仕事を終えた寮生は食堂に集まって朝ご飯タイム。
ただ、食堂にあった食べ物は全部けちょんけちょんになってしまったので、朝ご飯は一択、泰五の手作りきのこ鍋だ。
きのこのエキスが濃縮されたスープは一口食べれば、あら不思議、まるで避暑地の森林にいるような森の薫りが広がる。
普通にハラガイタイダケもぶち込んであるのが恐怖だが、まぁそれを気にしなければ味はいい。
気にしなければ。
例えば、朝陽や勇のように。
美味しいスープはカビの中に埋もれた放置された悲しい記憶でさえ癒してくる気がした。
「大変だったけど、まぁ悪いことばかりじゃなかったな」
「どうした急に?」
悪いことしかなかった朝陽はきょとんとして勇を見た。
「ほら、ピンチを一緒に乗り越えると仲が深まるって言うだろ?」
アイガホシイダケの入ったお椀をそっと置き、朝陽の手をぎゅっと握る。
「
好きだ
」
「な! ななな……何言ってんだお前は!!」
「俺にもよくわからないんだ。好きだ」
「ひぃ!?」
朝陽は勇の手を振りほどき、すぐさまお尻をガードした。
草食動物が初めて見る肉食動物に、こいつはやべぇ……、と予感が走るように、今、朝陽にも走ったのである。
身の危険。野生の勘がガンガン警鐘を鳴らしている。
「好きだ。好きなんだ」
「や、やめろ! それ以上俺に近づくな!」
「……色々あったけど、きのこが食えりゃ文句はねぇ」
きのこの調理法はたくさんあるが、利平のこだわりは網焼きである。
とれたてのきのこを網焼き、素材本来の味を楽しめるこれに勝るものはなし。
なのだが……きのこを持つ箸が口の前で止まった。
「な、何だ? 手がこれ以上動かねぇ……うう!」
頭の中にさっき罠的に読んでしまった“薄い本”のイメージがフラッシュバックしてくる。
攻める眼鏡に、受ける眼鏡。雄っぱいと雄尻がこれでもかこれでもかと絡み合うこの世の果ての世界が。
「お、おえぇぇーー」
しかし、何故急にあの忌々しい記憶が蘇ってくるのか。
「……はっ! ま、まさか“きのこ”!?」
本の中に踊るたくさんの“きのこ(隠喩)”とリアルなほうのきのこのイメージが重なってしまっている。
これはもしかして、世に言う……
“トラウマ”
!?
――こんなに美味そうなきのこが目の前にあるってのに、手が、いやっ、脳がコレを“頬張る”のを全力で拒否してやがる!
――うわああああ!! あんなもん読んだばっかりに!!
可哀想な利平であるが、そんな彼をナナメ向かいのテーブルから、見守る女の子がいる。
このトラウマを作った元凶の四月だ。
どうも彼に自分の漫画を見られてからおかしいのだ。
――何かヘン……胸がドキドキして……。
――こんなにも握くんにトキメくなんて、ひょっとしてあたし握くんの事……?
まぁ厳密に言えば、漫画を見られた時からじゃなくて、勝手に利平のきのこを食った時からなんだけど。
――だめだよ四月、握くんには将来を誓い合ったステキな攻めがいるんだから!
恋する乙女の悶々は続く。
そして、利平、
受け
なんだ。
それにしても、と圭花と雅人は互いの頭の上を見た。
2人の頭の上には今も尚きのこが揺れている。どうやらまだ気が付いてないらしい。
――こんなになってるのに気が付かない鈍感な人もいるのね……。
――なんでこの子、頭の上にきのこ生えてるのに気付いてないんだろー。
じろじろ見合っていたら目が合った。
えへらえへらと当たり障りのない笑顔で微笑む。
――ま、面白いからほっときましょ。
――面白いからこのまま見てようっと。
誰かこの人達に鏡という素晴らしい発明品の存在を教えてあげてほしい。
アネモネは泰五のきのこ鍋を朝ご飯にしながら、そんな微笑ましすぎる2人の姿を見守っている。
勿論、ちゃんとハラガイタイダケは避けてある。
そこに天野がやってきた。
「あら、天野様。天野様もこちらに来てらしたのですね」
「ええ。あのこれ良かったら……」
そう言って差し出したのは、寮に来る前に焼いていたあのパウンドケーキ。
梱包はしっかりしてあったのでカビにはやられていないはず。
「まぁ素敵なお菓子……」
「何度も練習したので味は大丈夫だと思います」
「でもどうしてこれを?」
「前にセブンや偽セブンの事件に巻き込んで……嫌な思いをさせたかなって。すみません」
「その事件の事だったら気になさらなくてよかったのに……。私も日々勉強にございます」
「そう言ってもらえると気が楽になります」
「どうぞ座ってください」
アネモネは椅子をすすめた。
「天野様もケーキを召し上がっていってくださいな。1人じゃ食べきれませんわ」
それからまわりにも声をかけた。
「よろしければ、皆さんも一緒に食べませんか?」
「え? いいの?」
雅人のアホ毛が“♪”マークになった。
圭花も甘いお菓子が大好きなので、目をきらきらさせている。
「しょうがないわね。そんなに言うなら手伝ってあげても……えっ!?」
突然、圭花は素っ頓狂な声を上げた。
「どうされました?」
「い、今……窓の外で全身真っ白のカビ人間が、怨めしそうにこっちを見ていたような……」
「カビ人間?」
雅人はくすくす笑う。
「本当よ! 嘘じゃないわよっ!」
本当である。
窓の外では、カビ人間こと洋美がガックリうなだれていた。
――ここ、学生さんしか入っちゃだめなところだよね……お腹すいたな……。
とぼとぼと洋美は寮内を彷徨う。
暴走が止まったユウはすっかり元に戻っていた。
反省してしおらしくしてるのかと思えば、きのこ鍋をもりもり食べてるし、腹立たしいことこの上無しである。
ただ普段からそういう奴なので誰も咎めない。
と言うか、諦めてる。
「……で、一体何があったんだ?」
久雨はユウにああなってしまった経緯を尋ねた。
ユウはもぐもぐと咀嚼しながら、うーん……と唸った。
「何って言われても、いつもどおり音楽聴きながら寝てたんだよな。そしたら気が付いた時にはああなっちゃって」
「それだけか?」
「うん、そんだけだぜ」
「呑気に言うが、特に何もしてないのにろっこんが暴走……。大問題だぞ、これは」
「んなこと言われても、俺そんなのコントロール出来ねーし」
「ろっこんが
“暴走し易い体質”
というのもあるのだろうか……」
「暴走し易く……おいおい、なんだそりゃカッコイイじゃん! ロックだねぇ! ひゅー!」
「反省の色がないっ!」
久雨はもう一度彼が聴いていたフォークソングを携帯から流して聴かせる。
すると、ユウの表情がみるみる曇り、ブルーな気持ちに。
「暗い、辛い、学校行きたくない……」
だが、ユウの気分がダウンするだけで、まわりには何の影響もない。
いつもと同じ彼のろっこんの効果だ。
もう暴走は止まってるようだ。
今回の暴走は前回とは異なり、ユウのテンションがまわりの環境に影響を与えるという効果になっていた。
ユウの暗く憂鬱な気分が、カビやきのこを異常なほど活性化させていたのだろう。
「暴走するにしても毎回同じとは限らんのかもしれんな」
「何にせよ解決してよかった」
「ん?」
ふと見ると、隣りに言嗣が座っていた。
「お腹が空いただろう。私の作ったスープを温め直してきた。食べたま……」
「だからいらんと言ってる!」
とその時だ。
キーンコーンカーンコーンと遠くチャイムが鳴ったのが聞こえた。
テオが切り分けた世界に学校は入ってなかったので、チャイムが聞こえた、ということはここは元の世界だ。
そしてチャイムが聞こえたと言うことは……皆、一斉に時計を見る。
8時40分。
1限目が始まる時間だ!
「ま、まずいっ!!」
「て、テオのやつ、こっちに戻すならこっちに戻すって先に言えよなー!!」
「学校に急げっ!!」
慌ただしく桜花寮から飛び出していく生徒を横目に、巴は猫鳴館に向かっていた。
――今日はもう学校に行く気分じゃないあらねぇ。
くっくっく……と悪そうに笑って、その手に抱えたお弁当箱に目を落とす。
――珍しく弁当にしていてよかった。
これはもう弁当にして弁当にあらず。
ご飯の入っていたタッパーの中にはあの異常な増殖力を持つカビがたっぷり詰まっている。
このカビ菌が、猫鳴館の廃寮問題を解決する手だてになりそうだ。
――廃寮派はいろんな口実をつけてくるが、だったら、同じような口実が他の寮に出来たら奴らはどうするんだろうねぇ?
――本当は星ヶ丘寮が効果的だが、建物のセキュリティや密集度的にボツだ。
――仕方ない、桜花寮がなくなるだけでも猫鳴館の復権はできるとしよう。
――悪いが、もう一度カビまみれになっておくれ。
夏の日差しには弱いようだが、まだ梅雨は終わっちゃいない。
またじめじめした雨の日が来ればカビはまた元気に暴れてくれることだろう。
今日は一日、猫鳴館でこの計画を練ろう。
だが、巴は気付いていなかった。
猫鳴館に戻った時、彼女の肩からはらりと落ちたひと欠片の胞子を。
この胞子がまた波乱を呼ぶことになるのだが、それはまた別のお話……。
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あとがき
担当マスター:
梅村象山
ファンレターはマスターページから!
マスターの梅村です。
シナリオに参加してくださった皆様ありがとうございます。
突如、桜花寮を襲ったカビ騒動は皆さんの活躍でどうにかおさまった模様です。
同じ掃除をするにしても十人十色、それぞれのカラーが出ていましたねー。
燃やしてひゃっはーな人もいれば、カビで遊んじゃう人もいたりして。
リアクションにも彩りが生まれたと思います。
あと、個人的には野菜原ユウくんを出せて良かったです。
最初のホワイトシナリオ以来の登場となりました。
ナチュラルに悪気なく迷惑な奴っていいですよねー。憎めなくて。
…………良くはないか。
ともあれ、今後も野菜原くんを使っていけたらいいな、と思います。
それではまた次回。
別のシナリオでお会いしましょう。
梅村でした。
ではでは。
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担当ゲームマスター
梅村象山
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
動物・自然
定員
30人
参加キャラクター数
30人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2013年09月11日
参加申し込みの期限
2013年09月18日 11時00分
アクション投稿の期限
2013年09月18日 11時00分
参加キャラクター一覧
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